オンボーディングに活用し、カルチャーを根付かせる――PSD共通ポリシー 第2弾

2022年4月、転職サービス「doda」のエージェントサービスをIT・テクノロジーで支える、プロセス&システムデザイン部(以下、PSD部)は「プロセス&システムデザイン部は、顧客の“はたらく”の転機に、自らの可能性と機会を知る瞬間へ。テクノロジーで“道を拓く“組織。」という共通ポリシーを掲げました。

そして今回、ポリシー策定者の一人であるエージェントPSD部 ITコンサルタントの伊藤 有紀は、このポリシーを形骸化させることなく周知・浸透させるべく、オンボーディングに活用しようと立ち上がったのだといいます。取り組みの背景にあった課題と、思いとは――伊藤に話を聞きました。

 

※撮影時のみマスクを外しています。

「研修でどのようなスキルを身につけ、その先でどのような価値発揮を目指すのか」を意識できる環境へ

 

――ポリシーが策定され半年ほどが経ちますが、部内での浸透度はいかがですか?

 

伊藤:一人ひとりがポリシーを認識・理解し、共感する状態にはなっていると感じます。

エージェントプロセス&システムデザイン部 エクスペリエンスデザイングループ コンサルタント 伊藤 有紀

ですが、 “浸透” しているか、つまり目標設定において「ポリシーを実現するためにこのスキルを伸ばしたい」とつい言葉に出たり、プロジェクトについての対話で言及されたりする状態にまで至っているかというと、まだ途上だなという感覚ですね。

 

――今回、PSD部の研修とポリシーを紐づける取り組みを行われたとうかがっています。始動の背景には、従来の研修に対するどのような課題意識があったのでしょうか。

伊藤:従来の導入研修でも、ビジネスモデルや事業概論、PSD部で扱うシステムの概要から保守の会社様との連携のような具体的な内容まで網羅されていましたし、不足があれば都度メンバーが補う動きもあったため、充実度の面では特に問題はありませんでした。

ただ、ラインナップは揃っているものの、自分が「どのような順番で・どれに重点的に取り組むべきか」、そうすることで「3ヶ月後にはどのような状態になっているのか」というマイルストーンがないことを課題と感じていたんです。

各メンバーの経験やスキルに合わせて「この内容の研修は必要/不要」と取捨選択しながら研修を組む必要があるため、マイルストーン的な指針などがないと受け入れ側の負担も大きくなりますし、また受け手にとっても「自分が何のために・どの研修を受けるのか」が不透明になってしまうと感じていました。

両者の課題を軽減するためにも、研修の意味への理解を促してその後の成長につなげるためにも、改めて研修の仕組みを体系的に整理し直す必要があるだろうと考えました。

 

――そこでポリシーと紐づけようと考えられたのはなぜですか?

 

伊藤:PSD部が発揮すべき価値としてポリシーが定められていて、それを実現するために必要なものが「PMスキル」「業務スキル」「ITスキル」の3つに落とし込まれています。

「今研修でやっていることが、どのスキルを身につけるためのものなのか」を明確にすることで、研修の先で目指す姿=PSD部としての価値発揮のあり方を考えて欲しいなと思っています。また反対に、ポリシーを組織に浸透させるためにも、一人ひとりが身につけるべきスキルを意識して欲しいなと、その両側面をふまえて研修とポリシーの紐づけを考えました。

 

部内だけでなく協業する組織にもポリシーが浸透した状態を目指す

 

――研修の概要について教えてください。

 

伊藤:新たな研修は、3部構成になっています。

  • ポリシーとは何か
  • ポリシーを形成するスキルとは何か
  • そのスキルを得るために活かせる制度として、社内にどのようなものがあるか

 

――作成するにあたって、こだわられたのはどのようなポイントですか?

 

伊藤:特にこだわったのは、私以外の方が説明する際にも使えて、また私がいなくなった後も長く使われ続けるように、複雑さを排してわかりやすいものにすることです。

作成を進めるにあたっては、チームのメンバーに「まとめ方として分かりやすいか」「資料は見やすいか」といった意見をたくさんいただきました。また、ポリシーの実現や研修にかかる負担の軽減の他に、一人ひとりの働きやすさという観点も大切にしました。

今回ロードマップを作成してやるべきことを体系化したことで、自分の持つスキルを整理して市場価値を正しく理解できるようになってもらいたい――そして、「ここにしか居られない」ではなく「これだけのスキルを身につけているから転職もできる(けれど、ここで価値発揮したい)」という気持ちで安心して働いてもらいたいという思いを込めています。

 

――この取り組みを通して気づいたことはありますか。

 

伊藤:新卒の方々にも話を聞いてみると、「受け入れ時にこうしてもらえたらより良かった」「こうすれば次に新しく入る方が困らないのでは」とさまざまな意見やアドバイスをくれました。これからジョインしてくださる方のことを考える文化があるのだと気づき、素敵な心遣いだなと、とても感動しましたね。

 

――これまでを振り返り、研修プログラムの作成を終えた今の率直なお気持ちをお聞かせください。

 

伊藤:自分の提案に対して上長から後押しをしていただき、そしてチームの方々からは多種多様な意見やアイディアをもらいながら、ここまで取り組んできました。自分の強みである行動力を活かそうと立ち上がったときに「いいじゃん、やってみたら」と認めて見守ってもらえる環境でよかったなと、感じています。

ポリシーは、皆が同じ方向を向くことで集合体として強くなる、その指針となるようなものであって欲しいですし、皆さんが日常的に口にするようなものになったらいいなと思っています。基本的に自分のやりたいことをやろうと “わがまま” のような感覚で取り組んではいますが、この取り組みがポリシー浸透の一端を担うことができれば嬉しいです。

 

――ありがとうございます。それでは最後に、今後チャレンジしたいことをお聞かせください。

 

伊藤:PSD部内でポリシーを浸透させることや、新しく入ってきてくださる方にもきちんとポリシーを伝えることはもちろんですが、協業する組織に「PSD部はこのようなポリシーをもってこのような仕事がしたい」と理解していただくことも大切になると思っています。

そのために、PSD部がどのようにITプロジェクトを進めたいと考えているかをまとめた資料を作成したので、今後はこの資料が統括全体で使われ理解が広まっていくことを目指していければと思います。

 

――ありがとうございました!

 

(取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈/撮影=古宮こうき)

伊藤 有紀 Yuki Ito

エージェントプロセス&システムデザイン部 エクスペリエンスデザイングループ コンサルタント

2017年新卒入社。キャリアアドバイザーに配属となり、その後2019年末まで金融機関ご出身者の方のご支援に携わる。キャリアチャレンジ制度にてエージェントプロセス&システムデザイン部に異動し、CA/個人顧客に関わるPJTを担当。昨年猫を飼い始め、在宅ワークの満足度が上がった。

※2022年11月時点の情報です。