PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM のdoda開発プロジェクトチームを訪問・視察

はじめに(記事を書いた人)

こんにちは!

カスタマーP&M本部dodaプロダクト開発統括部dodaグロース開発部dodaサイト開発第2グループでdodaサイトのWebアプリケーション開発チームのマネジャーをしている岡本です。

パーソルキャリアは2022年9月より、当社初の海外開発拠点となる「PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM COMPANY LIMITED(パーソルキャリア テックスタジオ ベトナム)」の営業を開始しました。

dodaサイト開発では2023年5月よりパーソルキャリア テックスタジオ ベトナムと体制を構築し開発を進めてきました。本記事では、2024年3月に同社を視察してきた目的や取り組みについて紹介します。

 

dodaサイト開発チームとは?

まずは、dodaサイト開発チームについて紹介します。

dodaサイト開発チームは、転職サービス「doda」Webサイト版の機能開発を継続開発体制で進めています。機能が多岐にわたっているので、役割領域ごとにアジャイルチームを組成し開発を進めています。

パーソルキャリア テックスタジオ ベトナムとは、2023年5月から開発体制を構築しベトナムー日本間でオンライン会議を通じながら進めてきました。体制構築当初は少人数でdodaに関する知識のキャッチアップからスタートして徐々に人数を増やしてきました。

2024年3月末時点のdodaサイト開発プロジェクトとパーソルキャリア テックスタジオ ベトナムとの開発チーム体制は、dodaサイトの機能開発チームと、テスト自動化を推し進めるチームの2つのチームで取り組みをしています。

 

視察の目的と狙い

今回の訪問まで約10ヶ月、TeamsやSlackといったコミュニケーションツールやオンライン会議で連携をしてきました。詳細な説明やコードレビューを進めるため画面共有を通じながら一緒に開発を進めてきました。決して成果物に不満があるわけではないのですが、直接顔や表情を見ていないため、dodaのビジネスモデルやレガシーなシステムについて「画面越しでは伝えきれていないのではないか…」という不安やもどかしさがありました。

今回の訪問を通じて、直接的なコミュニケーションをとりたいという点と、開発チームとしてどんな未来を描きたいか・プロダクトをどう成長させたいか、といったテーマを持って会議テーブルを囲みながら意見を交換することが目的です。

そのほか、下記のような内容ではたらく人それぞれの相互理解や、プロダクトやサービスの理解を深めることも目的にしています。

  • 相互理解を高めるため、メンバー同士の自己開示
  • dodaの事業やビジネスモデルについて理解を深める
  • dodaサイトを使って実際にご利用されるお客様を想定した体験を実演し、サービス理解を深める
  • 仕様書や実際の機能確認で理解しきれなかった部分の解消、明日の開発活動に繋げられるように

パーソルキャリア テックスタジオ ベトナムは、パーソルキャリアの内製開発チームとして、日本国内の既存部署とともに事業を推進しプロダクトを開発していく役割を担っています。そのためには、相互理解やdodaプロダクトの深い理解が必要不可欠になります。今回の視察では、より力強く進めるためのチームビルディングに重きを置いて時間を使うことにしました。

 

パーソルキャリア テックスタジオ ベトナムとの連携・コミュニケーション

日本の開発チームとベトナムの開発チームとはTeams等のコミュニケーションツールで連携しています。毎日朝会を実施、週に1度は定例会を設けて進捗状況や開発の状況、開発チームのプロセスについて議論していました。次のような課題がありました。

 

課題

コミュニケーションはブリッジSEを経由する

基本的に日本の開発チームメンバーとの接点は日本語・ベトナム語を話すことができるブリッジSEを通じた通訳を介した会話になっています。ドキュメントの連携には翻訳のソリューションを利用しており、開発を進めるうえでは支障のない状態にはあります。双方のエンジニアが直接会話しているわけではないので、複雑なサービス特有の表現や、微妙なニュアンスのもの、相手の理解度に沿った会話の塩梅、という点ではまだまだ改善の余地があるのではないかと考えていました。

 

サービスの深い理解が開発を推進させる

dodaのサービスは日本国内中心で展開しているものになります。ベトナムとは商習慣やはたらく人の環境が違うことから「サービスがなぜこうなっているのか、なぜこのつくりなのか」という知識面のサポートが必要でした。自律したチームを目指していくうえで、サービスに対する深い理解習得は重要です。Webアプリケーション内に登場する表現、設計にも活用されます。

 

訪問・視察で直接顔を合わせて実施したこと

上記に記載した課題をもとに相互理解を高めるワークショップや、知識を深める勉強会を開催しました。そのほか、一緒に食事をすること(食文化は一気に相互の距離を縮める効果がありました!)で、関係性構築を行ってきました。

 

やったこと

相互自己紹介

まずは最初に「理解を深めるきっかけを作ろう」ということで自己紹介を実施しました。訪問前までオンラインでは認識していたそれぞれのメンバーの距離感を、ぐっと近づけるために1枚の渾身の自己紹介シートを作成して実施しました。

自身が携わっている領域や役割、「私はこうしたい」といった未来を語ったり、プライベートや趣味について触れたり…。「私のことは、こう呼んでほしい」といったものまで、普段の会議では見ることのできない表情を同じ空間で共有することができました。ブリッジSEに通訳を頼りながらも、共通言語である英語や、身振り手振りを交えながら自己紹介をしました。強面なあの人の意外な一面が見えてきたのか、自己紹介は大変盛り上がりました。

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dodaの理解醸成

一緒にdodaサイト開発を行っていますが、体系的にサービスを説明する機会は多くはありませんでした。自己紹介であたたまった場の流れのまま、勉強会をおこないました。

勉強会では、私たちのビジネスモデルや強み、どのように収益を上げているのか、日本国内での競合やdodaの立ち位置について、日本のメンバーから説明します。一方的な説明ではなく、都度質問や意見を聞きながら理解度を深めていきました。dodaのWebアプリケーションの中には、背景を知っているとしっくりくるような機能も多くあるので、理解度の醸成に大いに役立った時間となりました。

また、実際に転職活動をされる方をイメージしてもらうため、日本のメンバーが利用者を演じる形で機能の説明をしました。ベトナムと日本とでは、転職にかかる時間も違いますし、雇用関係・契約についても異なっています。転職事情が大きく異なっています。違いを理解するのに、デモンストレーションの時間を通じて活発な意見交換を行うことができました。

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未来を創る

足もとの四半期・半期・一年といった短い時間軸だけでなく、協働しプロダクトを作り上げていく部分においても熱のこもったディスカッションが繰り広げられました。特に、我々のように自社サービス・自社プロダクトにおいては、事業に意識を持って進める施策が数多くあります。また、システムの高速化やアーキテクチャの刷新といった開発者の視点でプロダクトを改善し作り上げていく部分もたくさんあります。1案件1施策から未来へつながるストーリーを一緒に思い描く必要があります。

このディスカッションでは、はたらく場所に依らない未来の歩み方の目線合わせや未来の姿を一緒に考える時間を作りました。じっくり時間をかけて認識を合わせることで、現状における課題認識と、解決へのステップに対して納得感を持って進められるようになりました。

どのミーティングにおいても、ベトナム開発メンバーの熱量がものすごかったのが印象的です。その熱量に応えるように視察に訪れた日本の開発メンバーも刺激を受けて、より熱い議論になっていきました。

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よかったこと

オフィスで対面の会話ができたことが、とにかく充実していたと言えます。その中でも2点の気付きがありました。

1点目は、チームビルディングについてあらためて認識できたこと。誰もが、さまざまなプロジェクトやチームを通じながら関係の質の重要性を知っているでしょう。それは国内・地方・国外といった地域に束縛されるものでもないですし、職能の違いで分けられるものでもないと思います。

今回の視察を通じて、チームの基礎となるものにチームビルディングをしっかり行い認識合わせて進めることの重要性を感じました。身振り手振りながら、直接コミュニケーションができるということも分かりました。視察の間では話しきれなかったドメイン知識の醸成として、定期的に勉強会を実施しながら理解醸成を進めることも検討しています。直接(あるいは直接に近い)コミュニケーションを図ることで認識齟齬をなくした開発を進められることが期待できます。

2点目は、多様な個性の受容です。オンライン会議のときは気付けなかった相互の素晴らしい特徴を認識することができました。それぞれの役割を再認識できたほか、それぞれのWill(やりたいこと/ありたい姿)をそれぞれが寄り添い叶えたくなってくる、そんな状態を認識できた点も大きな収穫でした。特にパーソルキャリア テックスタジオ ベトナムのメンバーは、向上心が高く学びを継続し続けるメンバーが多く刺激を受けました。

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これからの歩み方、進化の仕方

dodaとパーソルキャリア テックスタジオ ベトナムで組成したdodaサイト開発チームは、開発チームとしては若いチームですが、PDCAや振り返りを繰り返しながら、自発的に自己成長ができるチームに進化できるポテンシャルを持っている組織です。また、今回視察に行った日本のメンバーは、ベトナム開発チームメンバーの熱量に共感と影響をもらって帰国してきました。それぞれが所属する開発チームでも強い熱意を持って取り組むことを決意できた視察となりました。

私たちのチームはdodaサイト開発に携わっています。「顧客体験価値の向上をテクノロジーで図る」という考え方を根幹に持ちながら、ひとが関わって作られていくプロダクト、という部分を引き続き磨きこんでいこうと思います。

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岡本 直大 Naohiro Okamoto

dodaプロダクト開発統括部 dodaグロース開発部 dodaサイト開発第2グループ マネジャー

新卒で印刷会社に入社。基幹システム開発やコンサルタントを経て、ネット印刷サービスのプロダクト開発、マネジメント、マーケティング、バックオフィス業務に従事。2021年にパーソルキャリアに中途入社。dodaサイト開発チームのスクラムマスターとして参画。現在は、dodaサイトのグロース開発を担当。

※2024年5月現在の情報です。