【データマネジメント 特別座談会】バンダイナムコネクサス社×パーソルキャリア――データマネジメントの醍醐味とそれぞれの現在地

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こんにちは。法人顧客データを対象としたデータマネジメントを行っているリードストラテジストの田中です。私の所属する「デジタルテクノロジー統括部」では、これまでデータマネジメントに関する取り組みやその考え方を記事にして公開してきました。

私自身もビジネス職としてデータ分析をずっと行ってきましたが、昨年の4月からデータマネジメントをはじめ、その面白さを感じ、イベントなどを通じて発信をしてきました。

そこで今回は、株式会社バンダイナムコネクサスでデータマネジメントを行う吉村様をお招きし、データマネジメントの醍醐味や得られるスキル、キャリアなどお話を伺った様子をお届けします。

 

自己紹介

吉村:バンダイナムコネクサスの吉村と申します。

バンダイナムコネクサスはバンダイナムコグループに対してデータ分析やIPファンマーケティングを行う機能会社で、データ人材が多くを占める会社で、データマネージャーをしております。

データ分析を行う中で、まずは前処理に課題を感じ、そこからエンジニアリングに限らない総合的なデータマネジメントが必要であろうという事になり、データマネジメント専門の役割を担っています。

田中:データマネジメントやる前は何をされていたのですか?

吉村:キャリアとしてはまずWebエンジニアをやってまして、その後データ組織の立ち上げを行うことになり、その時からデータ領域を行ってます。

田中:では、私も自己紹介しますね。田中麻衣子と言います。

転職サービス「doda」などを運営するパーソルキャリアに所属しており、私は法人顧客様のデータを部署横断で取り扱いながら、「法人顧客様のユーザービリティをデータで高めていくにはどうしたらいいか」というところを検討している部署にいます。

2022年にビジネス職で入職して、前職もコンサルティング会社でデータ分析をしていました。コンサルティング会社なので、「なぜ使っているのか、という意味が整ってからもらうもの」でした。なので、事業会社に来て「データの(発生)源ってこうなっているんだ。」みたいな驚きと発見がありました(笑)

吉村:なるほど(笑)

 

データマネジメントを担当することになったいきさつ

田中:ビジネス職の自分が、なぜデータマネジメントのポジションをやっているかでいうと、入社してすぐは、ダッシュボード構築などをやっていたんです。しかし社内で使用している指標やKGI・KPIは各事業やサービスの特性によって異なることから、集計定義やソース元を都度誰かに聞かないとわからない事情があり、適切にデータ管理をしていく必要性を感じていました。

吉村:追っている数字の定義がわからないと言うのはよくある課題ですね

田中:そうなんです。どうしても事業横断の部署なので、各事業部で活用している仔細な指標のことまでは把握しきれないんですよね。部署横断でデータを取り扱うには、指標やソース、マスタなど、管理していかなきゃいけないよね、みたいな話を上司などともしていたんです。

また、会社全体でもそれらをより整理していく流れがあり、我々より先行してデータマネジメントの取り組みを始めている部署などもあったので、その流れに乗ってしまおうと。それが2023年2月とかです。

吉村:なるほど。私も昔はプロダクトマネージャーやっていたので気持ちわかります。

田中:そうなんですね。エンジニアの前にですか?

吉村:1番最初はエンジニアで7年ぐらいやっていてその後に担当していました。その時にダッシュボード作ったりという経験があります。

田中:そうなんですね!てっきりずっとエンジニアさんのキャリアなのかなと思っていました。

吉村:今はキャリア的にエンジニアよりもデータとかビジネス領域が長くなったぐらいです。

田中:ちなみに、 データマネジメントってビジネス職になるんですかね?どうなんでしょう。

株式会社バンダイナムコネクサス データマネージャー 吉村 武

株式会社バンダイナムコネクサス データマネージャー 吉村 武 様

吉村:技術半分、ビジネス半分だと思います。

私のチームの構成としてはデータ基盤を構築するデータエンジニアの人達と、私はデータマネジメント担当としてディレクションと、あとは「営業」みたいなことやっています。

グループ会社向けに「データ基盤作りませんか。」「こういうことできますよ。」と話して、ある程度要件が固まったらエンジニアと一緒に構築を開始します。そんなポジションなので技術半分、ビジネス半分という形になるかなと思います

田中:なるほど。吉村さんはデータマネジメントをどのようなきっかけで行うことになったのですか?

吉村:前職時代に私がチームリーダーとしてCDO室を立ち上げることになり、私の上長が『DMBOK(※)』を買ってきて、「これを参考にCDO室立ち上げをよろしく」と言って渡されたのがきっかけです(笑)

田中:すごいですね、いきなり700ページの本を渡されるとは!

吉村:なぜ上長が『DMBOK』にたどり着いたのか全くわかんないんですけど、「これだ」って。

田中:では、前職時代からあの700ページの壁に・・・。

※DMBOK:データマネジメント知識体系ガイドという本で17章700ページにわたりデータマネジメントについて説明されている

 

データマネジメントをしていると出会う「DMBOK」の話

吉村:DMBOKですが、読めば読むほど味わい深くなる体験をしていて、最初はエンジニアの知識をベースに読んじゃったんですよ。そうすると、頭の中で勝手に「データ基盤とかの話をしてんだな」とか想像しちゃうんですよ。「完全にわかった」っていうのが1回目です。

2回目読んだ時は半年かけてチームで輪読会したときです。その時に前回エンジニアの脳で読んでた内容と全然違うことに気が付きました。

例えば「データガバナンス」については1回目は「セキュリティの話だな」とか「プライバシー守れとか、そういう話かな」と認識してましたが、2回目読んでみたらそうではなくて、「ちゃんと組織体制作って、データ戦略を作って、経営戦略に則ってやりなさい」って書いてあることに気が付きました。「これ全然データ基盤の話と違う」っていう気づきがあったのが2回目です。

田中:たしかに。アーキテクチャの章(『DMBOK』4章)を読んだときに、 最初はシステム設計の話かと思ったのですが、読んでみるとデータ戦略の青写真を設計するみたいな内容で、DMBOKを基準に考えた時の「データマネジメント」って本当に考える範囲が幅広いんだということを勉強しています。

吉村:同じ経験をしました。1回目読むと、データアーキテクチャの章って、システム設計の話かと思い読み飛ばしたが、2回目読むと、エンタープライズアーキテクチャって書いてあり、システムの話はごく一部なんですね。

ビジネスアーキテクチャって、これってデータすらも関係なくて、つまりどういうビジネスモデルで利益を生むか、っていうことを青写真書いて作りなさい っていうのが1番上に来てて、それを叶えるデータ構造ってなんだ、それを叶えるシステムってなんだ、というような形で書かれており、深いんですよね。

田中:経営戦略がデータマネジメント施策にはねてくるので、取捨選択しないととても対応できないし、データ戦略を精鋭化させないと、データマネジメント活動はできないんだなって思います。

吉村:経営戦略を実現するデータ戦略っていうのがあって、その全てがデータマネジメントであるってことをDMBOKは言いたいのかなと理解しています。

例えば、データ品質の章とか、ビジネス要件に合うものがデータ品質だ、ということをざっくり書いてあって、データ品質っていくらでも時間はかけられるのだけど、誰にも使われなければ意味はないので、データ品質そのものというよりは、ビジネス要件を叶えられるものであるものという定義がされています。

田中:なるほど。ありがとうございます。

データマネジメントを担当すると、自ずと会社にとって何が必要なんだ、ということを考えていかなきゃいけなくなるので、いわゆるデータに閉じたキャリアかと言ったら、全然そうではないっていうところですね。

吉村:そうですね、データマネジメント担当者はデータのスペシャリストではなくビジネスのジェネラリストに近いかもしれないですね。

 

データマネジメントのキャリアとやりがい

田中:データマネジメントのどのようなところにやりがいを感じますか?

吉村:データマネジメントを理解していることでプロダクト開発をスピーディに進められていることにやりがいを感じています。

今後のプロダクトはデータ活用が基本になってくると考えます。プロダクトにデータ活用をするときは、プライバシー、セキュリティ、個人情報保護法の課題があって、それをクリアしたら次は、データ基盤、データ連携の話が出てきます。その時に、データマネジメントの経験が活きていて、知らない人の10倍ぐらいのスピードでできると思うんですよ。

データマネジメントを抑えておけば法務上の論点などもわかるし、技術もわかるし、整理も1人でできるって、めっちゃ早いじゃないですか。データマネジメントの経験を活かしてデータプロダクトを創る人になりたいですね。

田中:確かに!私はまだ吉村さんのところまで行ってないんですけど、ただ、データマネジメントをはじめてみて、 セキュリティやプライバシーに関しては専門家に相談しないといけないし、エンジニアリングについても、話せる程度には理解しないといけない。

今まで「データを使う」ことしかキャリアになかったので、今本当にゴムを伸ばすみたいな感じで、パンプアップしている実感があって。

なので、パンプアップしたい人には、データマネジメントはおすすめだなと(笑)

吉村:データ基盤構築の文脈でもデータエンジニアだけの組織だったら、プライバシーの法的要件とかセキュリティ要件とか、逐次専門の人に聞くと思うんですよ。

しかしデータマネジメントの担当者である私がいると「論点」を早く明確にできるのでスピードが速い、というのはやりがいですね。

田中:私はデータマネジメントのやりがいを見出せるほど、まだ 成果が出せてないですね(笑)

ただ、データマネジメントがうまく周っている世界観に対して信頼を持っているので、この世界観になったら、みんな嬉しいだろうなっていう期待感はあります。

吉村:それ、めちゃめちゃすごいですね。

田中:あ、そうですか。

吉村:その感覚持てると、もう素質ありですよ(笑)その感覚値、正直まだ持ってないかもしれない。

田中:自分がビジネスアナリストとして、データを使っていたからこそ、データがこう整っていたら使う人は嬉しいだろうな、みたいな感覚でやっています。なので、逆に整えたらガンガン使ってねって気持ちでやっていますね。

吉村:これだといけるっていう感覚値を持てるのすごく良いと思います。

田中:いや、でも私だけが勝手に持っているだけかもしれません(笑)

吉村:経験上、何かを始めるメンバーがその感覚を持つのはすごく重要で、それがないプロジェクトは大体上手くいきませんからね。

田中:確かにそれはそうですね。

吉村:その思いがあると、多分周りもついてきてくれます。

田中:なるほど。嬉しいです。これを実現するぞっていうのが、既にやりがいになっているのかもしれないですね。自分にとっては未知なことなので、それを達成していくのが やりがい?わかりやすく言うとそうかもしれないですね。

吉村:私も未知なことに対して達成することにやりがいを感じるタイプです。データマネジメント担当者のマインドセットとして目的志向は大事ですね。

田中:データマネジメントの対象領域が広いから、私は本当にマインドが重要かなと思っていたりします。

吉村:確かに。データマネジメントって、領域として成熟領域ではないので、担当する場合だいたい立ち上げ期が多いですよね。だからそういうマインドを持っている人が多いのかもしれないですね。

 

データマネジメントを担うと伸びそうななスキル

デジタルテクノロジー統括部 デジタルビジネス部 ビジネスグループ リードストラテジスト 田中 麻衣子

デジタルテクノロジー統括部 デジタルビジネス部 ビジネスグループ リードストラテジスト 田中 麻衣子

田中:マインドの話になったので必要なスキルまたは伸ばせるスキルの話もいいですか。

データマネジメントに必要なスキルって多岐に渡っていて、難しいなと思っていて。セキュリティはセキュリティの専門家、個人情報保護などに関しては、法務など、それぞれの専門家がいる中で、自分はどこでバリューを発揮できるのか、と悩むケースも多いと思うんですよね。

吉村:DMBOKの11個の軸って、職種的には全部スペシャリストがいると思うんですよ。

出所:『データマネジメント知識体系ガイド 第二版』 DAMA International編著、DAMA日本支部、Metafindコンサルティング株式会社 監訳、日経BP

出所:『データマネジメント知識体系ガイド 第二版』 DAMA International編著、DAMA日本支部、Metafindコンサルティング株式会社 監訳、日経BP

 

なので、データマネジメントの担当者はデータマネジメントの各領域を総合的に知っている状態を目指すべきなのではないかなって思います。

総合的に見て一つのデータ戦略が描けるかっていうのが、データマネジメントに必要なスキルな気がしています。

 

田中:ディレクターみたいな感じでしょうか?

吉村:そうですね。

田中:なるほど。このスキルがあればオッケーというものはないですね。

吉村:そうですね。近年はデータエンジニアの方がデータマネジメントの領域に、注目していてデータエンジニアかつデータマネジメントもやっている人が多いです。

ただ、データエンジニアは基盤面は強くても、「法令」みたいなところは、弱かったりするんで、自分の生きる道はそこなのかなって思います。

田中:なるほど「法令」ですか。

吉村:もちろん、法令も専門家がいるんですけど、「論点を明確にする」というのがデータマネジメント担当者の役割だと考えています。論点を明確にできると「どうすればいいですか」じゃなくて、「こういう法律を元にこう考えてみたんですけどどうですか」って聞くことができ、早く設計完了までいくことができます。

田中:それは理想ですね。「この辺、法的に不安なんですけど、確認してください」って「項目」をあげられますもんね。

吉村:論点が明確にできないとどうですかって聞くことになり、やり取りが増えてすぐに1、2週間が過ぎていく事がありますよね。データマネジメント担当者は「この論点があることを理解したうえで、この論点でこういう風に考えていますが、法的にこれで大丈夫ですか。」って聞くと、すごいさくっと進む。

田中:それって、データマネジメントサイドも相当情報セキュリティや法令に詳しくならなければいけないですよね。勉強すると大変そうですが。

吉村:そうですね。大変かもしれないです。各分野の専門家と話し続けることで学んでいけばよいと思います。私は運が良かったのか、ビジネス領域に興味持ってくれる法務担当と仲良くて、毎週話をしていたら、なんとなく勘所がわかってきました。

田中:なるほど、それは面白いですね!ちゃんと法務担当者や情報セキュリティ担当者と話そう、という。それが体制づくりとして、やるべきことにも入ってくるんですね。

吉村:法務は「守り」「関所」みたいになっていて。確かに法律は満たさなきゃいけない要件としてあるけれども、どういう解釈をしていけばビジネスを実現できるのかっていうことを考えたい人も多いんですよ。

田中:そうですよね、同じ会社の人なんだから敵ではないという当たり前のこと(笑)話し合いましょう、ってことですね。どこを勉強するとかではなくて。

吉村:そうですよね。法務の人は「個人情報ってね」という説明を100回くらいしていると思うんですよ(笑)そうはならないように、我々も勉強とまではいかずとも真摯に話を聞いて理解することは必要ですね。

田中:ありがとうございます。いいお話を聞けました。

 

データマネジメントの体制

田中:組織体制の話もいいですか?はじめてデータマネジメント組織を組成する場合、まずはスモールスタートで始めると思います。スモールスタートで始める時の必要な体制、他部署の巻き込みの話とかも含めて、どういう人たちを巻き込んでいったらいいのかというところで。現実解的なところや、落としどころってあったりしますか。

吉村:巻き込みについては通常業務の中でもデータを得意としている「シチズンデータサイエンティスト」みたいな人がいるので、その人と一緒にやるのが良いと思います。

次に業務でデータの活用がやりづらいと困っている人がいっぱいいるはずなんで、その人をいかに巻き込んでいくかがポイントです。多分最初はみんな兼務なので、兼務でやる中で、自分の業務に役に立つことを進んでやってくれる人を見つけ、巻き込んでいくのが進め方がよいですね。

田中:この業務が改善されるのであれば嬉しいっていう人を、巻き込んでいくんですね。

きっと「職務」とかじゃないんですね、例えば「あなたは、データアーキテクチャをやってください」とか、「データスチュワードやってください」とかではなくて。

吉村:最初の段階ではそうではないでしょうね。実績を積んで会社の中でオーソライズが取る事が出来れば、データアーキテクチャをやってくださいとなるかもしれません。スモールスタートの次のフェーズだと思います。

田中:なるほど、すごいすっきりです。

吉村:最初からしっかりとした体制を作らずに「仕事忙しいところごめんね」って手伝ってもらうのが、最初だと思います。

田中:すごい参考になる人がいっぱいいると思います。最初からアベンジャーズを集められるわけではないですし、チームの始め方としてとても参考になります。

 

データマネジメントで苦労している点

田中:データマネジメントを進める上での苦労している点とかありますか?

吉村:苦労している点は領域が広くやりきれない所ですね。

田中:データマネジメントをどこから始めるか問題、皆さん悩むところだと思います。

よくある方法としてデータマネジメントを始める前にアセスメントをしましょう、というのはありますよね。要は自分の会社において、データマネジメントがどれだけ進んでいるのかの事前に評価をしましょうと。

以前、吉村さんが書かれた記事に、データマネジメントの成熟度アセスメントと全社のデータ利活用アセスメントを行いましたというのを見かけました。

その際に、DAMAホイールの各知識領域に対して、成果物を明確にして、その成果物が「どのような状態か」を計測されていたのが凄く参考になって。DMBOKのアセスメントは抽象的で主観的な印象があったので、各社で基準となる成果物を決めて、アセスメントレベルも、自社に合わせて作るべきなのかなと思いました。

吉村:書いた記事は一例として、アセスメントを行う時抑えるポイントはスコープだと思っています。

例えば、部署課題の法人データ活用をスコープにしてアセスメントするのか、パーソルキャリアという会社に対してアセスメントをするのか、パーソルホールディングスという視点でアセスメントをするかって全然違うと思っていて、 そこのスコープ設定は重要ですね。

田中:なるほど。DMBOKで提案されているアセスメントは全社スコープのことなんですね。

吉村:そうですね。ただし、実務上全社基準でアセスメントしていたら、ずっと(評価が)レベル「0」が続いて意味がないものになってしまうのでスコープは担当者が決めてよいと思います。

田中:確かに!例えばアセスメントが終わって、9項目でレベル0、2項目でレベル1みたいな状態になった時に、「これ結局どこからはじめたらいいの?」ってなってしまうかと思うのですが、それは結局「決め」の問題ですか?

吉村:アセスメントの後何をやるのか決める事はデータ戦略の重要な要素ですね。アセスメントは「As-Is」じゃないですか、それに対して大体、2、3年後にこういう状態になっている、という「To-Be」をデータマネジメント担当者として頑張って描く。

その理想像はアセスメントの点数としたら何点なのか決める。例えば品質は何点だとか、メタデータ何点だとか、それを見て最初にやるのはこれだ。って決めていくわけですね。

田中:なるほど、アセスメント評価のレーダーチャートをどういう形にしたいか、がデータ戦略ですね。

吉村:データ戦略はTo-Beに向けてどう進めて行くのかという話も含まれており、2年後に突然使えるようになるというよりは、徐々に改善し、使える人を増やしていくっていうのが現実的なアプローチになりますよね。

進め方としては需要が高さと効率の良さを考慮に入れて、どのアプローチが最も簡単に且つ安価に進めるかで判断します。

田中:なるほど、アーキテクチャから評価まで、全部繋がっているんですね。今の話だと、一旦To-Beって、2,3年くらいのスパンで描いていくのがいいんでしょうか?

吉村:事業にもよりますけど、私の実体験を話すと、5年後は自分が担当しているのかよくわかんないこともあるので、まあ2、3年ぐらいがいいと思いますね。2、3年ぐらいで実現できるものの方がモチベーション的にもいいと思います。

田中:その時に、そうなっていたら、大成功って感じですね(笑)

 

今後の展望

田中:それでは、時間もいい感じになってきたので、今後の展望とかありますか?私は、会社というより、データマネジメント界隈が、盛り上がっていくといいな、なんて思っています。

吉村:データマネジメント業界は盛り上がってきていますね。田中さんと知り合いになったきっかけでもあるJDMCも言ってましたが、ここ5年10年で急に流れが変わって、IT企業がクラウドデータ基盤を使ってデータマネジメントをするようになりました。最近はIT系のコミュニティも増えてきて、風向きが結構変わってきたと思います。

田中:やっぱりそれって、会社としてデータ活用をしなきゃいけない、という機運が高まっているんですね。

吉村:そうなんですよね。機運が高まっているので我々担当者は機運で終わることなく成果を出さないと、データ活用が意味なかったと言われてしまうので、頑張らないといけませんね。

田中:私は今後の展望としては、まずは仲間を集めたいなと思っています。社外もそうですし、社内で一緒にデータマネジメントをしてくれる仲間を集めたいなと思っています。社内のあらゆる人たちとコネクションをもっていかないと、進んでいかないというか。

吉村:確かにそういう職務かもしれませんね。

田中:そうですよね。だから、やっぱりこう、人と繋がって、いける仲間を作りたいと思っています。

吉村:とにかく、人と繋がって、データマネジメントの認知が広がっていくといいですね。

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株式会社バンダイナムコネクサス データマネージャー 吉村 武

吉村 武 Takeru Yoshimura

株式会社バンダイナムコネクサス データマネージャー

新卒でWebサービス企業に入社し、エンジニアリングの業務を経験。その後2018年に子会社にて、データマネジメントを目的とする組織CDO室の立上げを行う。現在は株式会社バンダイナムコネクサスにて、バンダイナムコグループのデータマネジメントを推進している。また、データ利活用施策に関する情報発信を、下記の企業ブログでも行っている。

https://sg.wantedly.com/companies/bandainamco-nexus

田中 麻衣子 Maiko Tanaka

デジタルテクノロジー統括部 デジタルビジネス部 ビジネスグループ リードストラテジスト

大学院卒業後、独立行政法人にて研究員として若年者雇用・キャリア形成に関して調査・研究。その後、コンサルティング会社に転職し、広告関係のコンサルタントを担当。2022年より現職。

 

※2024年7月現在の情報です。