若手社員がチャットボットを武器に社内問い合わせを効率化!

こんにちは!テクノロジー企画部 テクノロジー推進グループの齊藤です。

同グループでコンサルタントとして、主に事業部の生産性向上のためにIT促進をするグループに所属しています。

今回は、パーソルキャリアで導入している社内向けFAQチャットボットについての課題や取り組みについてお話しますね。

他社のチャットボット活用事例から当社内でも調査スタート

まずパーソルキャリアの社員から問い合わせの多い「ヘルプデスク(IT)」にニーズが眠っていると思い、ヒアリングを開始。

すると、以下のような声が上がってきました…!

①問い合わせ過多で電話対応率が高い

当社は営業職が多く、問い合わせも基本クイックに済むように電話対応がほとんど。メールフォーマットも用意しているものの、外出などで入力の手間があり、なかなか使われていない状態。

 ②問合せ内容は大半がマニュアルで解決できるもの

マニュアルに書いてあるのに…と思う一方でユーザ視点ではこんな不満が

「マニュアルがどこにあるかわからない…」

「ポータルだけでもパーソルグループ/パーソルキャリア/各事業部のサイト、など結局どこに聞けばいいかわからない…」

これは、チャットボットを導入することで、簡易な問合せはチャットボットに任せ、問合せにかける時間の工数削減や属人化解消、回答品質の統一化を実現するなど一定の効果は上げられると考え、2018年3月にチャットボット導入を実施しました!

しかし、そのウラガワにはFAQ準備、シナリオ構築、チャットボットの学習のサイクルを回すための負荷の軽減、スピード、生産性など課題は山積みだったのです…!

こだわりは”誰でもスピード開発ができる環境を”

さまざな課題がある中で、取り組み内容は数多いですが、その中でも今回は特にこだわったポイントをご紹介します。

開発エンジンは、IBMWatsonを利用して構築しており、GUIで直観的に操作ができる一方で登録件数が増えれば増えるほど登録が大変なのも事実。。。学習のサイクルを早く回すために独自でツール開発を行い、誰でもスピード開発ができるような環境作りを行いました!

  • 登録は、FAQシートからWindowsPowerShellでAPI経由で一括登録を行い、従来1件の登録に60秒かかっていたものが1秒で完了!
  • テストは、FAQシートからテストケースを自動生成し、WindowsPowerShellでAPI経由で一括テストし、 従来1件の登録に60秒かかっていたものが3秒で完了! 

少しずつ理解してきたチャットボットの設計~開発。私にとっては発見や課題、多くの学びにつながりました。 

設計フェーズ――「どんな形式であればユーザが問合せしやすいのか?」

社員が欲しい情報を自由に入力する「フリーワード形式」と選択式で欲しい情報を絞り込んでいく「選択形式」の二つの構築方法があります。alt

「フリーワード形式だと何を聞いていいかわからない」

「選択形式だとどれを選択すればいいかわからない」

「フリーワード形式でも選択形式でもどっちでも検索できるようにしたい」

など社員にとってはニーズはそれぞれ。どのように提示してあげれば上手く社員が欲しい答えに早くたどり着くのか、を日々模索しています。

開発フェーズ――「どうしたら意図を理解してくれるのか?」

パーソルキャリアには社内用語が多く、社員の入力値に対してAIが正しく理解してくれないことが多いので、細かくて単語の定義をしなくてはならず開発工数が増大。

また新しい単語を一つ加えたら他の単語のマッチ度にも影響が出るなど品質担保(テスト)も大変。単語の定義はキリがないのである程度自動で学習してくれるソリューションがいいなと思っています。

例えば、「CA」と入力すると一般的には「キャビンアテンド(?)」「カルシウム(?)」と認識してしまうためパーソルキャリアでは 「キャリアアドバイザー」とシステムが判別できるように登録が必要

分析フェーズ――「どんな問合せが多いのか?」

社員の入力は基本単語での入力が多く、どんな意図で質問してきたのかがわからないことも多いですし、それをくみ取ることも難しいですよね。

そのためログデータがあってもどのように分析すればいいのかが分からず、社内のAIエンジニアとも相談しながらログ分析の活用検討を進めていきたいと思います。

社内のあらゆる情報が集約されて手に取れる状態へ

現在チャットボットは、4事業部で月間1,600件ほど利用されるまでに拡大しました。

単純計算では3人に1人が利用し、年間3800時間程度の工数を削減で来ている計算です。

しかし、まだまだ開発側への運用負担が大きかったり、回答についても社員が求めていた回答をクイックに解決に導けているかどうかは、、、検証が必要です。

そのため、簡単に開発・運用ができ、学習を勝手にしてくれるソリューションを探していく必要がありますね。 

今後は、もっといろいろな社員に活用してもらいフロント組織、ミドル/バック組織が本来の業務に注力できるように貢献していきたいと思っています。

「社内にちらばったあらゆる情報」を集約し、いつでもどこでも欲しい情報が手に入るそんな仕組み(世界観)が作れることを目指して、これからも頑張ります!

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齊藤 玖美子 Kumiko Saito

テクノロジー本部 BITA統括部 テクノロジー企画部 テクノロジー推進グループ コンサルタント

※2020年5月現在の情報です。