「Developers Boost 2023」登壇レポート ~パーソルキャリアの若手データアナリスト倉持 裕太が「人事データ分析プロジェクト」について講演~

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こんにちは! techtekt編集部 遠藤です。202371日に翔泳社主催の「Developers Boost 2023」が開催され、パーソルキャリアからはデータアナリストである倉持が登壇しました。社外の場で初めての登壇ということもあり、どのような意気込みをもって挑んだのか、倉持に話を聞きました――

Developers Boost 2023とは?

Developers Boostは、翔泳社が2018年より開催する30歳以下のデベロッパーのためのカンファレンスです。 
(中略) 
Developers Boost 2023では、自分にはない挑戦をしているU30エンジニアたちが一堂に会し、試行錯誤しながら取り組んできた開発事例や壁を乗り越えてきた経験、これがあったからこそサバイブできたという強みやキャリア戦略などをシェアします。

 

――まずDevelopers Boost 2023 で発表することになった経緯を教えてください。

今回、パーソルキャリアとして翔泳社主催の Developers Boost(以下 デブスト)にスポンサーをすることになり、「では、パーソルキャリアから誰が出るのか?」となりました。私自身、頑張ってきた取り組みを外部に発信することや、純粋に人前で話すということに関心がありました。そのため、今回の機会は私にとってチャンスだったんですよね。

とはいえ、まだまだ1年目。今取り組んでいる仕事が登壇に耐えうる内容なのか、心配であったことも事実です。「自信を持てるようになってから立候補しよう…」なんて思いもよぎりました。そのような形で非常に悩んでいましたが、最終的には、先輩からエールをいただき、「1年目ですが、出させてください!」と立候補したのが経緯です。 


――なるほど、では倉持さんが発表された内容について教えてください。

倉持さん登壇中の写真

発表させてもらった内容は、私が1年目に取り組んだ「より良い新卒採用のあり方を探るプロジェクト」についてです。

  弊社の新卒採用部は、学生の皆さんのファーストキャリアを一緒に考えるような親身な姿勢で取り組んでいて、評判も非常に良いです。そんな新卒採用部ですが、データの活用はそこまでできていないのが実情でした。実際はどんどんデータを活用したいという思いはあったものの、日々のリクルーティング業務で忙しく、腰を据えてじっくりデータを分析するということができていませんでした。そういった状況であったことを知り、色々と提案をさせていただく中で、上記のプロジェクトを進めさせていただく運びとなりました。 

取り組んだ内容としては、現状の新卒採用の中で生じている課題に対して複数の仮説を立て、人事の中で眠っていたデータを掘り起こし、データを結合して大規模な分析を行いました。その結果、「採用する時期についての示唆」や「採用後の配属やオンボーディングに関する示唆」など、新卒採用にとどまらないより良い人事の示唆を発見しました。 

 これらは、私が入社して1 年目でやった取り組みで、それを少しストーリー仕立てにしてデブスト2023では発表しました。 


――採用領域に対してデータ分析をされたということですが、その理由はありますか? 
 私が何故パーソルキャリアに入社したのかという話まで遡っちゃうのですが… 私はもともと大学院で心理学・組織行動論寄りの研究をしており、人間に関するデータを活用して経営や組織を良くしていく、ということに関心がありました。そのような背景から、データに基づくマネジメントを志して、人事本部と接点を持つ機会を探っていました。 

そんな中で、人事本部の新卒採用部に配属された同期と仲良くなり、同期と人事本部の採用領域について状況を探っていました。その時に「データを使っていきたいのに、十分に使えてない」という実情を発見したのが、このプロジェクトのきっかけでした。  

そのため、自分の取り組みたいことをどうやったら実現できるか、考えながら行動していた結果、新卒採用部の方々がチャンスをくださった、という形かなと思います。 


――そのような経緯があったのですね。そもそもデータ分析に興味を持ったきっかけなどありますか?  
データについて勉強したのは、実は大学院2年生と遅い時期からです。理由は修士論文を書くのにどうしても必要になり、避けては通れない状況になったからで、たまたま勉強し始めたのがきっかけです。その時に「データをしっかりと活用できたら、色んなことが分かるんだな」という感覚を持ち、興味を抱きました。 

 特に、大学院時代の研究の経験から、アンケートや適性検査といった手法で「人の心理的な部分を測定すること」は、結構有用だと感じていました。意外にも結構個人差が出るもので、色んな切り口から分析することで、様々な示唆を得ることができるという実感もありましたね。 

そのため、うちの会社でも社員のパーソナリティや組織の中での行動や態度といったデータを分析すれば、例えば「各社員に必要なサポートの傾向」や「〇〇という特徴を持っている社員は××という職種で成果を出す傾向がある」など、一定の傾向を掴めるのではという予感がありました。 

今回のプロジェクトでは、そういった感覚が正しかったということが証明され、より(特に人間の心理的要素に関する)データおよびデータ分析に興味を持ちました。  

 

――なるほど、では今回の発表に向けて、事前準備で苦労したことなどはありましたか? 
 実は、デブスト2023の直後に社員総会がありまして…。その社員総会で話す内容を応用する形でデブスト2023も発表すると決めていたいので、準備自体はそこまで大変ではなかったと思います。 

加えて、今回発表を聞いてくださる方々の多くが若手のエンジニアだったので、「若手のエンジニアに興味持って聞いてもらえる話にするにはどうしたらいいか」というところも考えました。エンジニアが聞き手となると「どういうデータを扱っていたのか」や「どういう手法で分析したか」みたいな部分は、興味を持っていただける部分だとイメージしていました。そのため、社員総会では話さないような、技術的な要素を発表内容に多く取り入れるなど、面白く聞いてもらえるように工夫しました。 


――参加者が若手のエンジニアとなると、興味関心のポイントがまたちょっと変わってきそうですね。参加者の印象はどうでしたか? 
 皆さん前のめりで、メモを取りながら聞いてくださっていましたし、X(旧Twitter)でハッシュタグをつけてコメントや感想を書いてくれた方もいて、めちゃくちゃ嬉しかったです!「積極的に情報を取ろう」という姿勢みたいなところは発表していて、すごく感じました。あと頷いてくれる人とか多くて優しい雰囲気がありましたね。  


――それは発表する側としても気持ちいいですね!懇親会の様子はいかがでしたか? 

皆さん積極的でたくさん話しかけてもらいました。 そこで、情報交換みたいなことができて、いろんなタイプのエンジニアがいることが分かりました。「1 年目でこんなことやっているんだ」「大学時代そういう勉強していたんだ」とか、かなり刺激を受けました。

 

――最後に今回の発表を終えて一言をお願いします。

今回は、デブスト2023に若手エンジニアという形で、発表の場を与えてもらってとても光栄に思っています。 

次は若手エンジニアの枠にとどまらず、Developers Summit(※)の方でも発表したいと思いましたし、そこに声をかけてもらえるような人間になりたいと強く感じました。そのためには、ベテランエンジニアの人たちにも、評価してもらえるような事例を作る必要があると感じましたし、向上心が芽生えました。 

 また、私が所属している部署では、最近全体的に社外のイベントや登壇の機会が増えている傾向にあり、チャンスがたくさんあると思います。近くにチャンスがたくさんある状態だとは思いますので、まずは目の前の仕事でしっかりと成果を残し、チャンスが回ってきたときには、積極的に前に出て、発表の場に立ちたいと思います。 

また、これは少し余談ですが…、実は学生時代に、学生芸人として人の前に出てネタを披露した経験があるのですがそこでは、あまり評価されませんでした(笑)
しかし、社会人になり、登壇の機会を頂くたびに褒めてもらえることが多く、「ビジネスプレゼンだったら、少しは才能があるのかも…?」と思える部分があるので、今後はビジネスプレゼンという領域のスキルもどんどん磨いていきたいと思います!
 
※ Developers Summit(デベロッパーズサミット:デブサミ)は、2003年から毎年開催する、日本最大級のソフトウェア開発者のためのカンファレンスです。

デジタルテクノロジー統括部 倉持 裕太

倉持 裕太 Yuta Kuramochi

2022年にデータアナリスト職として新卒入社。大学院で若手人材の職場学習に関する研究に取り組んで以降、心理統計学に没頭。パーソルキャリアに入社後は「エビデンス・ベースド・マネジメント」の実践を目標に、人事を兼務するデータアナリストとしてデータ活用、学術的知見の活用に挑戦中。