「おいしいパスタつくったお前」と呼ばれたくて #techtekt Advent Calendar 2021

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この記事は techtekt アドベントカレンダー2021 の 13日目の記事です🍝

パーソルキャリア株式会社のUXデザイン部でUI/UXデザイナーのマネジャーをしている佐藤です。
平日はプレイングマネージャー、休みの日は家族専用料理人としても活動しています。

パスタに手を出したのはここ1-2年なのですが、おいしく作るコツとマネジメントに通じる「何か」を感じたので、ご紹介したいと思います。

はじめに

世の中には数え切れないほどのパスタのレシピがありますが、いつも気になっていることがありました。

それはどのレシピも食材とその調理プロセスに関する情報しかないことです。
標準化されたプロセスは高い再現性をもち、誰もが同じプロセスを踏むことで本物と同等の味を手に入れることができる…。

果たして本当にそうなのでしょうか。

使用する食材はどんな目的で選ばれ、どう調理するべきなのか、そして調理法は本当に正しいのか。
シンプルなレシピほど食材の産地や鮮度などが如実に料理の味や風味にあらわれるはず。
というわけで今回は調理法よりも素材に重点を置きつつ解説していきたいと思います。

(ここまでお読みになった方はもうお気づきかもしれませんが、僕はきっと台所で隣にいて欲しくないタイプの人間だと思います)

基本のアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ

はいでました、パスタ界のミニマリスト。
用意するもの以下の通りです。

- パスタ(80g)
- ニンニク(1片)
- 唐辛子(1ホール)
- イタリアンパセリ(小さじ3)
- オリーブオイル(大さじ2)
- お湯(2リットル)
- 塩(20g)


コンセプト

料理をするうえで意外と大事なのがコンセプトだったりします。
大上段の設計を疎かにするとその後の工程や品質にしわ寄せがくるのは料理もデザインも同じですね。

今回は物理的な量は控えめにしつつ満足感がある、週末の朝に食べられることをコンセプトとしてレシピを組み立てていきます。
では、食材選びからはじめましょう。


目的に沿った食材選び


パスタ

物質的な量は控えめにしつつ満足度を高める役割はパスタに担ってもらいます。
咀嚼回数が増えると満腹中枢が刺激され食欲を抑制できるため、できるだけ太めのものを選びたいところです。

2.4mm以上のスパゲットーニかつブロンズダイス(表面がザラザラしているもの)のものを選びたいですね。
表面のざらつきにオイルが付着するため、咀嚼と相まって満足感も付加できます。

ちなみにペペロンチーノのようなオイルパスタは、通常テフロンダイス(表面がツルツルしているもの)を使用することが多いのですが、今回は目的から逸れてしまうためあえてブロンズダイスでいきたいと思います。


ニンニク

朝食とするならまろやかな香りが特徴的な青森県産ホワイト六片種がよさそうです。
スペイン産などは香りが強く、その後の予定に差し支えるかもしれないので控えたいとことろです。
食欲を刺激する香りをまとわせることを目的とするため、つぶして使っていきたいと思います。


唐辛子

瞬発力のある辛味と風味を持ったものを選びたいところです。

唐辛子は隔壁と胎座が辛味のコアなので、ホールの乾燥唐辛子であれば辛味をコントロールすることができます。
風味だけが欲しい方は刻まずにオイルの中で成分を抽出したのち、取り除くとよいでしょう。


イタリアンパセリ

普通のパセリでもよいですが、イタリアンパセリを強くおすすめします。
ニンニクと唐辛子の香りにプラスすることで複雑な香りとなり、飽きることなく食べ進めることができます。

また、刻んだパセリを最後にたっぷりかけてあげることでパセリの葉脈から水分が出てパスタの加熱を止めるという効果もあります。


EXVオリーブオイル

風味がよく酸度の低いものが使いやすいと思います。
値段が高い=酸度が低いわけではないので注意しましょう。


パスタの味は塩で決まると言っても過言ではありません。
特にアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノのように具のないパスタの場合は、塩味を感じるものがパスタしかないので非常に重要です。

ただ、茹で汁に用いる塩そのものにこだわる必要はありません。
岩塩でも精製塩でもお湯に溶かしてしまえば味はみな同じです。
コスパを考えると精製塩で十分でしょう。


さあ調理をはじめよう

食材がそろったら早速調理していきます。
手際よく進めるためにも、必要なものはすべて手が届くところに置いておきましょう。


①フライパンでニンニクの香りを出す

フライパンにつぶしたニンニクを入れ、オリーブオイルを注ぎとろ火にかけます。
泡が出てきたらニンニクから成分が溶け出している証拠なので、焦がさないように注意しながらゆっくり火を入れていきます。


②唐辛子でさらに風味豊かに

泡が出てくるのと同時に唐辛子を入れましょう。
抽出時間によって辛味も変化するので、苦手な方は香りが出たらパスタ投入前に取ってしまっても構いません。
ニンニクの泡が弱くなってきたら一旦火を止め、ニンニクを取り出しましょう。


③パスタを茹でる

大きめの鍋でお湯を沸かし、塩を溶かしたらパスタを投入します。
このとき、火力はお湯がポコポコと泡出つ程度にしておきましょう。
これはパスタ同士がお湯の中で暴れることによって擦れ、小麦後の成分がお湯に溶け出すのを防ぐためです。

アルデンテが好きな方はパスタは表示の茹で時間よりも30秒くらい早めにあげてもかまいませんが、太めのパスタは芯が残りやすいので必ず味見をしましょう。(場合によっては表示時間よりも長めの方が良い時もあります)

パスタを茹でている間にイタリアンパセリを刻み、茹で上がる直前には再度フライパンを弱火にかけておきます。


④フライパンでひとつに

ニンニクと唐辛子の香りがついたオイルにパスタを投入します。
非乳化が好みなら、フライパンを振らずに大きく和えるようにして混ぜます。
乳化している方が好みなら、大さじ2程度の茹で汁を注ぎいれてフライパンをあおります。(茹で汁に含まれるグルテンが水と油をつなぐことでとろみがつきます)

あおりすぎるとパスタ表面が擦れてしまい、せっかく丁寧に茹でた意味がなくなってしまうので注意しましょう。


⑤イタリアンパセリで仕上げ

オイルと合わさったら仕上げにイタリアンパセリを入れ、さっくりと混ぜます。
混ぜ合わせたら素早くお皿に盛り付け、あたたかいうちに召し上がれ。


さいごに

いかがだったでしょうか。
大上段の目的を明確にし、それに合わせて適した食材を選び、持ち味を活かしながらひとつの料理としてまとめていく…。
なんだかマネジメントにも通じるところがありそうですね。

次回のアドベントカレンダーはもりたさんの “techtektの取材骨子の作り方” です。

明日もお楽しみに!

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 デザイン第2グループ マネジャー 佐藤 匠生の写真



佐藤 匠生 Shoi Sato

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 デザイン第2グループ マネジャー

民泊系スタートアップ、不動産テック企業などで新規事業立ち上げやWeb/アプリにおけるUI設計に従事。2018年よりパーソルキャリアに参画。UI/UX領域の専門家として新規プロジェクトを支援する傍ら、デザイン組織の立ち上げにも奮闘中。

 

※2021年12月現在の情報です。