東京某日ー
データサイエンティストのたまごに変化が起こる。
ピキピキ、、、パカッ!(たまごが割れた!)
おめでとう!データサイエンティストのたまごから無事にひよこが生まれた!
みなさん、こんにちは!デジタルテクノロジー統括部に入社して二年目に入った長谷川智彦です。いきなり冒頭で変わった導入をしてしまいましたが、こちら前回まで『データサイエンティストのたまご育成日記』として連載していた記事のリニューアル版です!
今回はデジタルテクノロジー統括部で新卒がデータサイエンティストで入社した後のキャリアパスについて書いてみました。また、実はこの春、僕の所属が同じデジタルテクノロジー統括部内のアナリティクスグループからビジネスグループに変わったのですが、デジタルテクノロジー統括部のビジネスグループの仕事の大まかな流れについても紹介します。
データサイエンティストについて
さて、キャリアパスについて考えるにあたって、まずはデータサイエンティストという職業とはどういったものかを整理したいと思います。様々な記事や書籍を拝見すると、現状、データサイエンティストのイメージとして「データサイエンス、データエンジニアリング、ビジネスのスキルをベースに、データを活用してビジネス課題を解決に導くプロフェッショナル」といったものが多くありました。個人的にもこのイメージに対して違和感はないです。
もう少しわかりやすくするために、一般社団法人 データサイエンティスト協会が出しているデータサイエンティストのスキルセットを元に整理してみます。
ここでいう真ん中の三つのスキルが重なっているところをすべて備えている人材が求められているデータサイエンティストという職種なのだと思います。
ただ、三つすべてのスキルを極めているスーパーデータサイエンティストになるのは現実的に大変です(実際に市場を見ても数少ない印象があります)。ですので多くの企業は組織体制としてこの三つ分野を担当するグループを作るかグループ分けせずとも専門人材を集め、各分野のプロフェッショナルがチームとなって課題解決に取り組んでいる印象があります。
パーソルキャリアのデジタルテクノロジー統括部でも、実際にビジネス、アナリティクス、エンジニアグループと大きいくくりとしては三つあり、各グループからメンバーが集まってプロジェクトを進める形式がベースとしてあります。(僕の異動はこのグループ内の変化になります。新卒の方が入る場合はまずはアナリティクスグループに入って、分析の仕方を覚える形式に今後もなる気がします。)
デジタルテクノロジー統括部での若手データサイエンティストのキャリアを考える
前半でデータサイエンティストのスキル要件を確認しました。ここからはキャリアについて考えてみます。パーソルキャリアでは各メンバーと上司の間で定期的に1on1があります。そこで今後のキャリアをどうしたいかについて話す機会があるのですが、その中で若手のデータサイエンティストのキャリアとして次の二つがいいのではないかと話が盛り上がったことがあります。その二つとは
ビジネス×データサイエンスができる人材へのシフト
エンジニアリング×データサイエンスができる人材へのシフト
といった内容でした(個人的にはデータサイエンス特化もあり得るかなと考えています)。
ではなぜこの掛け合わせが出てきたかを考えていきます。
先ほど、データサイエンティストの三つのスキルセットの図を示しました。三つのスキルを極めきれれば理想のデータサイエンティストになれるのですが、これはかなり至難の業だと思います(一つの分野をしっかり身に着けるだけでも大変なので、、、)。ですので、よく企業では各プロフェッショナルを集めてチームを組む体制を作っているのだと思うのですが、ただ、実際に仕事をしていると、自分の分野だけでいいのか?といえば不十分な感じがしてきます。
例えばデータサイエンスだけを極めて精密なAIが組めたり、素晴らしい分析ができたとしても、それが会社の中で(あるいは市場で)求められていない場合は素晴らしさが半減してしまいます(すごくもったいない)。
やはり現場のニーズ、課題に則した分析やAIモデルの方が相手に受け入れられやすく、実際に活用されやすくなるということがあるので、そうなると、現場での課題を把握する力や、ニーズに合った企画を提案し、プロジェクトとして進めていくといったビジネスとしての視点やスキルが必要となってきます。(個人的にも理論的にこういうことができますよとモデルの紹介を過去にしたことがありますが、現時点でこのサービスはそれができるフェーズではないので、現実的ではないと言われてしまった経験があり、現場の状況を知るのは大事だと感じます)
また、アナリティクス面でいいモデルが作れたとしても、それを実際に使用するツール(アプリ、サイト等)に組み込む力がなかったりするとモデルを作っただけになるのでエンジニアリングの力がここでは必要になってきます(また、データを分析する環境を整える際にもエンジニアリングの力が要ります)。
これらのことから、プロジェクトを進めるという観点では、アナリティクスだけを知っていればいいという状態よりはアナリティクスを軸にして他の分野の視点やスキルを兼ね備えておくことが大事になってきます(アナリティクスからキャリアを始める場合)。であれば三分野を極めて理想のデータサイエンティストを目指せば一番いいのですが、先ほども述べた通り、三分野すべてのプロフェッショナルになるのは至極大変です。なので、アナリティクス×(ビジネス or エンジニアリング)といった二つの分野を兼ね備えた人材にまずはなれるようにキャリアを考えていくのがいいのではないかなと思います(もちろん二分野を極めるのも大変です。また、データサイエンティストではない職種に変えるという選択肢もあります)。
実際、僕ともう一名が昨年度、デジタルテクノロジー統括部に新卒でデータサイエンティストとして入社しているのですが、一年目はアナリティクスのグループで分析の基礎的なことを教えていただいた後に、この春から僕はビジネスの領域、もう一人はエンジニアの領域でそれぞれの仕事のいろはを教えていただいています。
(部としてそういった育成方針にしているのだと認識しています。)
他のデータサイエンティストとして活躍されている方のブログやWeb上のサイトを拝見しても、データサイエンティストの今後として、コンサルに近い形で活躍するデータサイエンティストの道と、機械学習エンジニアとしてエンジニアリングも身に着けるキャリア形成があるのではといった意見もいくつかあったので、今後しばらくはこういったデータサイエンスを軸に他の領域と掛け合わせたキャリアの形成が求められるのではないかなと感じています。
ビジネスグループではどんなことをするのか?
では、この記事の最後にビジネスグループのメンバーがどういった仕事をするのかの概要だけ紹介できたらと思います。ざっくりとした流れは以下の通りです。
主に、現場に近い方から話を伺い課題を抽出した後に、そこからどうやったら解決できそうかのアイデアを考えます(長谷川は今まさにここの真っ最中です)。
その後、よさそうな案があれば必要な情報を集めて、企画の提案します。
企画に対してOKが出れば実際に動いていくのですが、その際にコンプライアンスへの申請を行ったり、必要なメンバー・リソース集めなどを担当していきます。
その後、実際に開発が始まれば、プロジェクト全体の進行や進捗管理、調整等を行い、その傍ら分析もできるメンバーは分析を一部担当したりします。
開発が済めば社内での実験(フィジビリ)を行っていくのですが、ここから先は僕はまだプロジェクトで経験していないのでもう申し訳ないですがよくわかってないです。
以上がデジタルテクノロジー統括部でのビジネスのメンバーの主な仕事の流れの概要です。個人的にはデータ分析以外にもこういった業務を経験できる機会があることが伝わると嬉しいです。
おわりに
さて、今回の記事はここまでとなります。次回以降は僕がかかわっているプロジェクトでどんな分析手法やテクノロジーを活用しようとしているのか書いていこうと思うので、これからの『データサイエンティストのひよこ成長日記』もお楽しみにしていてください!長谷川 智彦 Tomohiko Hasegawa
デジタルテクノロジー統括部 デジタルビジネス部 ビジネスグループ
大学時代の専攻は植物学・分子生物学。最近趣味でデザインをかじり出した社会人2年目。植物の実験データを正しく解釈するために統計を勉強し始め、データ分析に興味をもつ。データサイエンスはただいま必死に勉強中。
※2021年5月現在の情報です。