【UXデザイン 特別座談会】HR forecasterから見る――デザインからサービスの価値を高める方法とは

【UXデザイン 特別座談会】HR forecasterから見る――デザインからサービスの価値を高める方法とは

dodaが蓄積した100万件以上のデータをもとに、マーケットにマッチした採用ターゲットを作成できる「HR forecaster」。2021年11月に正式版がリリースされて以来、法人顧客により良いサービスをご提供するための機能やデザインのアップデートが行われてきました。

今回はそんな「HR forecaster」のデザインにフォーカスし、特別座談会を実施。コンサルタントとしてプロジェクトにジョインしているデザインアンドライフ株式会社 代表取締役 池田 拓司様と、エンジニアリング統括部 UXデザイン部の島津、田中に、「HR forecaster」の今と “サービスグロース×デザイナー” の可能性について話をお聞きしました。

※撮影時のみマスクを外しています。
※島津は退職していますが、本人の同意を得て、掲載を継続しています。

 

サービス正式版がリリースされ、法人顧客の声を元にアップデートを重ねる “2周目” に突入

 

――まずは、改めて「HR forecaster」とそのデザインの現在地についてお聞かせください。

島津:2021年11月に正式版がリリースされて法人顧客のご利用が始まり、導入実績はおおよそ900社を突破。同時にパーソルキャリアの法人営業1,500名ほどにも使っていただくようになりました(※2022年3月取材時点)

現在は法人顧客と営業の方々それぞれに対して、サイトの使い勝手やサービスの価値などについてヒアリングを実施し、フィードバックをいただきながら「今後どのような方針で進めるか」「どのような改善のアクションが必要か」を検討するフェーズになっています。

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 デザイン第1グループ リードデザイナー 島津 皆実

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 デザイン第1グループ リードデザイナー 島津 皆実

デザインの部分では、β版をリリースした段階から潜在的な課題と捉えていたいくつかのポイントについて、既存の機能のリニューアルを行うと同時に、新たな機能の再制作も進めています。

具体的には、お客様に求人要件を入力していただく画面の使いやすさの向上、入力いただいた要件に対してサービスからお出しするフィードバックの内容最適化などがテーマですね。

 

――アップデートを進められる中、どのような背景でコンサルタントである池田様がプロジェクトにジョインされたのでしょうか?

 

池田:別プロジェクトの立ち上げで「HR forecaster」のサービスオーナーの方とご一緒し、密にコミュニケーションを取らせていただいていたことがきっかけです。それ以降、定期的に情報交換をさせていただくようになり、「HR forecasterのプロジェクトに移ってこのようなことをしている」と近況をうかがっていた中で、チーム外からの力も取り入れて、デザインの成長を加速したい、とご相談いただいたんです。これまで成長段階のサービスに数多く携わってきた知見やフレームワークを活かせたらと、ジョインさせていただくことにしました。 

デザインアンドライフ株式会社 代表取締役 / 株式会社くふうカンパニー 執行役 池田 拓司 様

デザインアンドライフ株式会社 代表取締役 / 株式会社くふうカンパニー 執行役 池田 拓司 様

具体的に方針やご要望が固まっていた訳ではなく、「一緒に走りながら、やることややり方を見つけていきましょう」というお話でしたね。

 

――ジョインされて、最初の印象はいかがでしたか。

 

池田:サービスが立ち上がって間もない中、当時はデザイナーが2名、エンジニアさんもある程度いらっしゃって、体制も開発フローもしっかりされているなという印象でした。お話をお聞きしていても、やり方もモダンですしデザインも細部までしっかりとこだわられているので、自分にとっても刺激を受けることのできる環境だなと感じましたね。

そういった状況で、一人のコンサルタントとして入って何に着手すべきかは正直少し悩みましたが……まずはお二人でデザインを担当される中で、時間がなくて手が回っていないところをフォローしていけたらいいなと。そして、「第三者としての観点とこれまでの経験をふまえたアイディア出し」や「お二人が考えられているアイディアについての、高いレベルでのディスカッション」で関わらせていただければと考え、実際に始動しています。

 

「デザイン+それがどのような影響を与えるか」の引き出しと第三者の視点で、より良いユーザー体験を導く

 

――池田様がジョインされて数ヶ月が経つとのことですが、具体的にどのようなやりとりや取り組みをされているのでしょうか。

 

池田:現在は、週に一度のミーティングを毎週行っています。その中で出てきた課題点やお困りごとについて、皆さんとディスカッションをしながらアイディアをお出ししたり、ご質問にお答えしたりしています。

【UXデザイン 特別座談会】HR forecasterから見る――デザインからサービスの価値を高める方法とは

島津:「お客様にとって」という観点はどこまでも突き詰められるという前提がある中、制作段階ですでに考え切って新たにアイディアが浮かばないもの、実力不足で行き詰まってしまったものなどについて、池田さんの発想や知見をお貸しいただいています。

池田:例えば先日は、求人要件を入力して結果をお待ちいただく時間に表示される画面について、どのようなデザインの可能性があるかをご提案 させていただきました。「待ち時間にデザインでどのようなことができるか」といった期待値の整理や、プロトタイプのパターンを複数作成すること などでフォローさせていただき、議論をより深め、前進したなと感じた一例です。

デザインアンドライフ株式会社 代表取締役 / 株式会社くふうカンパニー 執行役 池田 拓司 様

 

――池田様は、伴走いただく中でこのサービスや “HR領域×デザイン” に携わることについてどのような印象をお持ちですか?

 

池田:「HR forecaster」はパーソルグループさんの知見を活かした他にはないユニークなサービスですし、単に求人を作成するお客様向けだけのサービスでなくエージェントの存在もあり、ゴールの作り方がいくつかあるのだろうなという点で非常に面白いサービスだなと感じています。

HR業界については、テーマが「就職」や「転職」という多くの方が経験するものであり、エンドユーザーである求職者様の思いや体験を想像しやすい部分があるなという印象です。

また「堅い」などのイメージを持たれやすい業界かとは思いますが、実際に協業する中で「業務やオペレーションの部分はしっかりとつくり、それ以外の部分で楽しさを埋め込んでいこう」といった会話がよく生まれていて。一般的なイメージと実態は異なっているなとも感じますね。

 

――池田様とご一緒して、パーソルキャリアのお2人にとって学びになったことや得られたことについて教えてください。

 

島津:ユーザー体験を設計するには、表層のデザインと、「それを見る・使う人がどう変化するか」をセットにした引き出しが必要です。引き出しがないものについては、いくら考えたところでお客様の反応はわからないので、ご経験が豊富な池田さんの視点や判断基準からたくさんのヒントをいただいています。

 

田中:判断基準をお聞きできるのが大きいですよね。

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 デザイン第1グループ デザイナー 田中 裕子

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 デザイン第1グループ デザイナー 田中 裕子

自分の中で「なんとなく、こうではないかな」と考えるものはあったとしても、そこに理由がつけられずに最終判断に至れない時があって。そういった際に「〜〜だから、こういう判断をしたらよいのでは」と理由を併せてアドバイスいただけるので、なるほどと納得感がありますし、今後自分で判断する際の一つの基準ができることをありがたく思っています。

 

池田:「作ること」と「判断し収束させること」を一緒にやるのは難しいと経験上理解していることが、大きいかもしれませんね。おっしゃる通り今後につながる、その施策だけにとどまらない汎用的な形でのフィードバックは意識しているかなと思います。

 

目指すゴールを忘れずに “そのために必要なこと” を見極め判断することが、サービスが面白くなるきっかけになる

 

――ローンチ後のグロース段階にあるサービスにおいて、デザイナーの役割としてどのようなことが大切になると思われますか?皆さんのお考えをお聞かせください。

 

田中:「サービスが目指すもの」はおそらく最初に掲げたものと大きくは変わっていかないと思いますが、最初につくったサービスはいかに考え抜いたものでもあくまで “仮説” であり、そこからお客様の声を取り入れた改善が重要になっていくと思っています。

 

池田:お客様にご利用いただくことで、サービスが「良い」か「悪い」かがシビアにわかるので、そこは真摯に受け止める必要がありますよね。

【UXデザイン 特別座談会】HR forecasterから見る――デザインからサービスの価値を高める方法とは

田中:そうですね。価値提供をする中でお客様がつまずいてしまうところ、困ってしまうところ、足りないところ……そういった点に耳を傾け「それをどうデザインして改善するのか、叶えるのか」が大切なのではないでしょうか。

 

島津:その中で、お客様の声にもさまざまなものがあり、それぞれがバラバラのご意見かもしれないんですよね。そこから「サービスの目的を達成するために、どのお声に・どのように応えることが必要なのか」を整理して見極めていく必要があります。

サービスオーナーが以前これを「哲学をして真理を見つけたい」と表現していましたが、その真理を、世界中の誰もがそれだ!と思うようなものを見つけるために、データを一つひとつ大切に読み解いていきたいですね。

 

池田:その哲学がなければ、「サービスとしてこうしたい」という軸がぶれて “なんでもない” サービスになってしまいますからね。軸をしっかりとチームとして共有し、それぞれが軸をもとに取捨選択と判断をしていかなければいけません。それがきっと、サービスが面白くなるきっかけになるのだと思いますよ。

 

――ありがとうございます。それでは最後に、皆さんが今後チャレンジしたいことをお聞かせください。

 

田中:「HR forecaster」としてお客様に価値を提供していく上で、ユーザビリティの観点から改善点がまだまだたくさんあります。サービスが目指すものをぶらさずに判断をくだしながら、より良いサービスづくりに取り組んでいきたいと思います。

 

島津:これから世の中にない機能をつくっていくにあたり、真似るものがないからこそ哲学が必要になる、そのフェーズをとても楽しみにしています。そのために、これからも池田さんのお力をお借りしながら、ディスカッションによってより良いものをつくりあげられる環境を整えていきたいです。

 

池田:私自身採用に課題を感じた経験がありますが、そういった課題を解決してくれるパーソルキャリアさんならではのサービスがこれからも生まれていくといいなと思いますし、そこでお力添えできることがあれば嬉しく思います。引き続きよろしくお願いします。

【UXデザイン 特別座談会】HR forecasterから見る――デザインからサービスの価値を高める方法とは

 

――ありがとうございました!

 

(取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈/撮影=小野綾子)

デザインアンドライフ株式会社 代表取締役 / 株式会社くふうカンパニー 執行役 池田 拓司 様

池田 拓司 Takuji Ikeda

デザインアンドライフ株式会社 代表取締役 / 株式会社くふうカンパニー 執行役

多摩美術大学卒業後、ニフティ株式会社、株式会社はてな、クックパッド株式会社 執行役、株式会社ロコガイド 取締役を経て、現在はデザインアンドライフ株式会社 代表取締役 / 株式会社くふうカンパニー 執行役 。ウェブ・アプリなどサービスの設計、及びデザインフレームワークの構築、デザイナーの組織づくりなど精力的に活動中。近著に著書に『はじめてのUIデザイン(PEAKS)』、『WEB+DB PRESS(技術評論社)』縁の下のUIデザインの連載など

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 デザイン第1グループ リードデザイナー 島津 皆実

島津 皆実 Minami Shimazu

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 デザイン第1グループ リードデザイナー

2018年4月パーソルキャリアに入社、アルバイト求人情報サービス「an」(現在はサービス終了)のグランドデザインリニューアルを担当。2021年1月より現在の部署に移動し、新規事業開発のデザイナーとして従事している。

現在は退職。

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 デザイン第1グループ デザイナー 田中 裕子

田中 裕子 Yuko Tanaka

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 デザイン第1グループ デザイナー

WEB系の人材派遣会社に所属し、事業会社でコーダー兼デザイナーとして勤めた後、WEB広告代理店でバナー制作を経験。自身の専門分野を作るべくUIUXデザイナーに転身。2019年9月からパーソルキャリアに入社。

 

※2022年3月取材の情報です。

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