こんにちは!プロダクト開発統括部 システムアーキテクト部 dodaリビルドGの大野です。
私はパーソルキャリア株式会社に2023年5月に入社し、「dodaリビルドプロジェクト」のPMとして従事しております。今回はdodaリビルドプロジェクトについて現場目線でご紹介させていただきます。
dodaリビルドプロジェクトとは
転職サービス「doda」が抱える技術負債を解消すべく発足しているプロジェクトです。
発足当時の背景等は過去記事(こちら)を参考にしていただければと思いますが、現在の取り組みを大きく分類すると下記2つに取り組んでおります。
- dodaサイトのマイグレーション
- エンジニアの開発効率向上
1つめのdodaサイトのマイグレーションとはモノシリックな既存画面を順にフロントエンド/バックエンドへの構成に変更していくものです。既存doda画面をフロントエンドはNext.js化、React版デザインシステムの導入、バックエンドはREST API化を推進しています。
2つめのエンジニアの開発効率向上とは1つめのマイグレーションを推進していくことで今後の施策開発時に局所化されて生産性、安全性向上には繋がりますが、さらにエンジニアの開発体験を良くすることを目指して開発環境の改善にも取り組んでおります。
具体的にはフロントエンドのUIテスト効率向上を目的としたビジュアルリグレッションテストの導入を行ったり、リポジトリを単一化し、Common領域、SP領域、PC領域などコードが分割しても管理しやすいモノレポの仕組みを導入したりとエンジニア発信で取り組んでおります。
プロジェクト体制は
PO、PM、PMO、フロントエンド2チーム、バックエンドチーム、デザイン(他兼務)で構成されています。 ※2023年11月時点
プロジェクトの進め方は
dodaサイトのリビルド化はウォーターフォール型で下記のように進めています。
●開発
- スコープ検討
- 既存doda画面の調査
- 開発規模感の算出
- 他プロジェクト関係者とリビルド開発時期の調整
- スケジュール策定
- 設計
- 開発
- テスト
- リリース計画
●プレリリース
1日程度限定的にリビルド後の画面を公開します。期間中はプロジェクトで常時監視体制を敷き、少しでもユーザー影響があれば切り戻しを行います。
●本リリース
リリース直後はCRM側よりユーザー様からの問い合わせを連携していただきリビルド後の状態に問題ないかを注視します。一定期間問題無ければリビルド完了(エンハンス側での施策開発がリビルド後画面のみ)となります。
※上記で進めつつ、プロジェクトで振り返りを実施していき改善活動も行っています。
プロジェクトの現在地点は
既存dodaサイトは複数の領域で構成されていますが、大きく分類すると下記の通りです。
- 閲覧系基盤SP ★リビルド開発中
- 閲覧系基盤PC
- 会員系基盤SP
- 会員系基盤PC
現在は閲覧系基盤SPのリビルド開発が完了しており、これからリリースを迎えていくところですね。その後は閲覧系基盤PCのリビルド開発に注力していきます。
プロジェクトの難しさ、配慮すべき点は
プロジェクトの難しさとして私が感じているのは下記の通りです。
- 動から動へのマイグレーション
- 本番環境で初めて直面する課題
1つめの動から動へのマイグレーションとは長期の取り組みという特徴もあるので、既存dodaのエンハンスが活発にある状態(動)からリビルド化していく中で時が進むと環境や方法も合わせて刷新していかないといけない(動)という点です。
こちらで配慮すべき点は、計画を正しく実行できるようになるという点です。当たり前のことをいっていますが、プロジェクトの性質上予想外なことが多々起きます。予想外なことが何か(どのくらい想定するのか)を事前に考え計画する、メンバーも計画を意識して取り組んでいただき一定のタイミングで振り返りを行い、計画との乖離が何かを分析してまた次の計画が正しくできるようなプロジェクトで在りたいと考えています。
このような振り返りもエンジニアが自ら改善提案していける場があり、次のフェーズにてプロジェクト全体で納得感のある計画で取り組んでいくことが大事と考えています。我々のプロジェクトが計画通りに進むと双方の(動)にもあまり悩まされずに推進できるのではと考えています。
2つめの本番環境で初めて直面する課題とは本番環境が大きすぎて、開発フェーズで本番相当の環境で試験できないところです。
こちらで配慮すべき点は、本番検証を最小限のリスクで実施するという点です。本番を想定して試験を行うことは環境が無い状態では中々難しい面もありますので前述したプレリリースでの異常値をチェックする監視体制とコンティンジェンシープランをプロジェクトで共通認識を持って取り組んでいきたいと考えています。
エンジニアのやりがいは
モダンなアーキテクチャーを考え、取り入れ、レガシーシステムが変貌していく、この一連の過程を楽しめることがこのプロジェクトでエンジニアが一番やりがいを感じるところだと思います。エンジニアの自主性を重んじる風土もあり、"保守性"、"拡張性"の高い環境を自分たちで作っていく、との思いの方には最適なプロジェクトだと思います。実際にリビルド前後を比較するとソースコードの保守性が改善されている、画面レスポンスが改善されている、エラー件数が圧倒的に減少しているなど多くの改善点を肌で感じることができますね。
最後に
リビルドプロジェクトは既存doda、レガシーシステムのマイグレーションという難易度が高いプロジェクトだと思いますが、難易度の高いプロジェクトにエンジニアが裁量を持って取り組めることはなかなか外では経験できないチャンスだともいえます。
エンジニアの開発効率向上もエンジニア自身が主体的に提言できるものですので、「より良い開発体験をエンジニアに」 もマイグレーションと並行して推進していければと思います。試行錯誤を繰り返しながらdodaの改善をしつつも新しいことにチャレンジしていき昨日よりも今日、今日よりも明日とエンジニアが着実に成長できる環境下ですのでリビルドプロジェクトに興味を持っていただけると幸いです。
大野 紘生 Kosei Ono
プロダクト開発統括部 システムアーキテクト部 dodaリビルドグループ リードコンサルタント
新卒でSIerに入社し、不動産基幹システム開発とSaaS商材の開発、運用を担当。 エンジニア、PL、PM、マネージャー、部長職と経験。 2023年5月にパーソルキャリアに入社。現在はdodaサイトリビルド案件のPMを担当。
※2023年12月現在の情報です。