こんにちは。デジタルテクノロジー統括部でリードエンジニアの海保です。
デジタルテクノロジー統括部では、データ利活用やテクノロジーを通じてサービスの付加価値を高める活動を行っています。一方で、そのデータ利活用を推進していくために必要不可欠である「データマネジメント」についても、各プロジェクトごとに取り組みを行っています。
「データマネジメントに正解はない、間違えてもいい」DMBOKを通じたパーソルキャリアの挑戦 (1/3)|EnterpriseZine(エンタープライズジン)
【BSI社×パーソルキャリア 特別インタビュー第2弾】最適なデータマネジメントを考える――ガバナンス構築において重要なポイント - techtekt
【データマネジメント 特別座談会】バンダイナムコネクサス社×パーソルキャリア――データマネジメントの醍醐味とそれぞれの現在地 - techtekt
今回はそれらの活動をより社内へ普及するべく、11月に実施した「データモデル研修」について、プログラムや学びを共有します。多くの個人の求職者様、企業側のご担当者様とのビジネス上で得た情報や、社内の機密情報など含め、多岐にわたるデータを扱う私たちにとって、本研修を取り組むことの意義を改めて理解することができました。
研修開催の背景
転職サービス「doda」をはじめとして、転職希望者様や採用企業などの情報を多く取り扱うパーソルキャリア。サービスごとに歴史も異なることから、データ構造の把握に時間がかかったり、システム改修に伴って影響範囲が広がったりするなど、データモデリングの必要性を感じるシーンが増えていました。
そこで今回、データ総研社のご協力のもと、「業務に即した概念データモデリング」の研修を実施しました。各事業、各サービスを担当するエンジニア・ITコンサルタント、データ担当者でも概念データモデリングの作成ができるようになることを目的に、それぞれの事業やサービスでデータを取り扱う機会の多いメンバー12名でプログラムを受講しました。
研修プログラム
今回は、「データモデルの意義」、「概念データモデル図作成方法の説明」といった座学から部分図の作成、統合図の作成など実務で使えるワークまで5時間の1dayプログラムでした。
個人でワークを行い、その後ペアまたはチームでワークの添削や相互発表を通じて言語化にチャレンジします。
部分図や統合図の理解を深めるべく、議論しながら進めている様子が印象的でした。また今回講義を主導いただいたデータ総研様への質問も多く上がり、実務に即してデータモデリングを理解しようとするメンバーの様子が見られました。
研修を終えて気づきや学び
研修を終えた参加者から以下のようなコメントがありました。
過去に学習したことについて復習する機会となりました。また、新しいナレッジもあり今後の業務に活かすことができそうです。
これを機会にあらためてデータモデルの学習を始めようと思います。(シニアコンサルタント)
データをデータモデルとして抽象化することで、どのようなデータが入っているのか、また、今後どんなデータが必要になるのかもわかるので、データ活用を進めていく上でとても重要な活動だと感じた。パーソルキャリア全体として、重要な取り組みと位置づけされ、より推進されることを期待したい。
(マネジャー)
今回の研修は、弊社用にカスタマイズしてくださった教材であったため、業務内容・業務知識があったので、業務をデータモデルに書き起こす作業は、理解も深めながらスムーズに進められました。
システム寄りの人間も業務内容・業務知識をつけなければ、という話には「そうだよな」と再確認しました。業務や職能にかかわらず、データモデルを通してビジネスについて話せるようになれれば、データ活用が進むな、と期待大です。
(リードストラテジスト)
今まですでにあるDBの改修などが多く、業務フローからデータフローを作成する機会がなかったため非常に勉強になりました。今後システム作成時の要件定義などに活かせそうだなと思いました。
(リードエンジニア)
これまでは実際のテーブル設計に基づいたデータモデルにしか触れたことがありませんでしたが、業務観点からデータの繋がりを可視化する手法とその重要性を学ぶことができました。
今回の学びを活かして業務に沿ってデータの発生場所や利用場所を明らかにするとともに、あるべき姿を考え、システムの改善を進めていきます。(コンサルタント)
業務フローに沿ってデータモデリングを行う事でテーブル設計への敷居が低くなったように感じた。
他の部署との交流が全く無かったので、お互いを知る良い機会となりました!(エンジニア)
過去に学習したことについて復習する機会となりました。また、新しいナレッジもあり今後の業務に活かすことができそうです。
これを機会にあらためてデータモデルの学習を始めようと思います。(シニアコンサルタント)
データモデリングはデータマネジメント活動には欠かせない要素ですが、自学のみではカバーしきれない部分も多いため、学習の機会をいただき大変参考になりました。
当社は特にドキュメントを残す文化が希薄なため、データの構造が視覚的に理解できるドキュメントを作れるメンバーが増えることは非常に意義のあることです。
リバースエンジニアリングでドキュメントを起こすのは大変なので、本研修を機にプロジェクト成果物の一環としてデータモデルが普通に作られる文化が醸成されていくと良いなとおもいます。(企画・専門職)
組織や担当ごとに行っている業務の流れをデータモデルにすることで、現在の業務やデータの課題が明確になり、改善の提案に繋げられそうだと感じました。
(リードエンジニア)
自分でデータモデルを作成するのは難しいが、ルールを学びつつ直感的にデータの流れをイメージができるようになると業務がしやすくなると感じた。
(コンサルタント)
■気付き・学び
・データモデルは技術的な設計だけでなく、ビジネス要件を理解し、それを構造的に反映する必要性を再認識
・データがシステム間をどのように流れるのかを視覚化し、最適化する重要性を学習■業務に活かせそうな点
・データモデリングの原則を用いて、スキーマ設計やデータベースの最適化を実践(ユーザー行動データを正規化しつつ、分析用に非正規化されたビューを提供する設計等)
・ビジネス要件を明確にし、データモデルを共有することで、開発チームや分析チーム間のギャップを埋める
・データモデルを基に、ステークホルダーと明確なコミュニケーションを図り、要件漏れや設計ミスを防ぐ(リードエンジニア)
データモデリングの基礎講座を事前に学習済みだったため、現地での講義は非常に有益でした。パーソルキャリアの環境を題材に実施されたという点が贅沢で、普段触れている環境ではなかったものの具体的に業務イメージができました。
今後は別領域のデータを同様に一から起こして実践していくことになると思いますが、今回の教材を活かしながらチャレンジしていきたいと思っております!
(エンジニア)
各事業でデータモデリングの活用事例も、またtechtektで共有していきます。
本記事公開にあたり、データ総研様のご協力に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
海保 雄樹 Yuki Kaiho
デジタルテクノロジー統括部 データソリューション部 クライアントエンジニアグループ リードエンジニア
新卒でGMS事業を展開する企業に売り場販売担当者として入社。現場業務を行う中でビジネスにおけるデータ活用、データマネジメントの重要性を知り、IT・データを生業とするエンジニアに転向。2021年10月にパーソルキャリアに入社後はデータ活用環境の構築案件に参画した後、新設のデータガバナンス組織へ配属。企業価値を高めるデータ利活用を推進すべく活動。
※2024年12月現在の情報です。