この記事は doda Developer Group Advent Calendar 2024 の 11 日目の記事です。
パーソルキャリアにて開発チームのスクラムマスタをしている吉野です。
2023 年 7 月にジョインしてもう 1 年も経つのかと時の流れを痛感しております。
この前初めての海外旅行でイタリアとフランスに行ってきましたが、人の生き方や考え方にはいろいろあるなと感じ、今までの視野の狭さを感じました。海外旅行に行ったら人生観変わるという話は本当だったのかとびっくりしました。
そんな私が、ジョインしてから活動しているスクラムマスタという仕事ですがスクラムのコーチングという仕事もあります。企画担当の方はスクラムについてインプットする機会が少なかったため、チーム全体の知識向上のためインプットの機会を設けてみましたのでご紹介します。
輪読会について
今回は本をチーム全員で読むということで、輪読会という形式を採用しました。
輪読会とはなんなのでしょうか。ChatGPT に聞いてみました。
輪読会とは、グループで特定の本や文献を順番に読んでいく形式の勉強会や読書会のことを指します。参加者がそれぞれ担当する部分を読んで要約し、理解を深めるために議論を行います。この形式により、個人では難解な内容もグループの力を借りて理解しやすくなりますし、異なる視点や解釈を共有することができます。学術的な場だけでなく、ビジネスや趣味の読書会でも利用されることがあります。
ということでした。今回はチーム全員で同じ本を読みたかったので担当を決めて要約してそれを共有するという形式が妥当だと判断したため、輪読会という形式を採用してみました。
輪読会を主催するのは初めてでしたが、個人の担当自体は多くならないように割り振りを行ったためそこまで大きな負担になっているということはなさそうな印象でした。
輪読会をした目的
スクラムチームとして日々活動するにあたり各メンバーのスクラム理解を向上させ、一体感を得ながら改善活動を進めることは必須だと感じています。
そこで、同じ本を全員で要約していくことで理解が向上していくと考えました。
また、難しすぎる本ではなくイラストなどでわかりやすくなっている本の方がインプットしやすいだろうというところで以下の本を選定しました。一般的に入門書と言われているものですね。
実際、この輪読会が終わった後チームメンバーに聞いてみたところ理解が進んだという声が企画側と開発側ともに聞けたので目的は達成できました。
あくまで輪読会の場自体は目的ではなく手段です。そのため、輪読会とは言わずとも誰か 1 人が全ページ要約してそれを少しずつ共有しながら議論をするなど他の方法論もあるでしょう(1 人で 1 冊要約は AI でもない限り厳しいとは思いますが…)。
輪読会の進め方
輪読会の進め方については Google などで検索すれば星の数ほど出てきますが、今回取り上げた本については章で細かく分かれていたため以下の進め方で行いました。
- 担当者を決める
- 前の回終了時に挙手制としていました
- 担当者は該当のページを読む
- 大体 1 人 10p 程度になるように振り分けました(2scene ずつ)
- チームメンバーだけでなく他のチームの人も閲覧できる場所に要約ページを作成
- 週に 1 回スクラムチームメンバーが集まる場にて 5-10 分程度で共有
- 共有終了後、気になることや質問などを言い合いながら議論する
- 1 に戻る
画像のような割り振りで行っていました。
録画も毎回取るようにして、今後新しくジョインしてくるメンバーも録画や資料を見れば一定スクラム理解が進むような地盤を整えました。今までは毎回ジョインしてくる度にスクラムについての説明を資料化し、説明するという機会が必要でした。ただ、どうしても説明も簡素になりがちなのでその場だと理解しきれないということは往々にしてあったと感じています。
実際やってみてどうだったのか
目的の項目でも書きましたが、メンバーからはスクラム理解が進んだという声を頂きました。これだけでもやった甲斐があったというものですが、これだけだと机上だけで理解をして毎日の活動には活きてきません。実際、輪読会を始めて大きく何かが変わったかと言われるとそこまでの変化は感じていませんでした。
そこで、日々の活動の中に輪読会資料を見る時間を入れてみました。そうにすることで、輪読会の内容がより身近になるのではと上司から助言をいただいたためです。
例えばデイリースクラムの終わりに輪読会のデイリースクラムのページを改めて見て、このような考え方進め方でできているかを確認していくという流れですね。
結論から言うと、うまくいきませんでした。改めてページを見てもスクラムマスタである私から 2 度目の共有をしているみたいな形になってしまい、「もうそれ 1 回見たよ」みたいな雰囲気になってしまったためです。
次があり改善して行えるのであれば、以下のどちらかで進めたいです。
- 間違った考え方・進め方をした時に会議を止めて「ここで一旦輪読会の資料を見てみましょう」というコミュニケーションにする
- - 気づきを得る機会とする
- 各セレモニーや活動について月次や隔週でどれかテーマを決め、その項目について輪読会資料を見ながら改善を進める
- テーマを決め絞ることで、改善がそのテーマに対するものしか進まなくなるというデメリットはあるが、そのテーマについては身近に感じながら改善が進む
まとめ
スクラムの入門書を題材として輪読会をチームでしてみました。各メンバーからは知識が付いたとの意見はいただき、良い活動にはなったと感じます。
ただ、チーム内かつ初級者向けの輪読会をした場合、題材とした本に関する知識はつきますがそれが日々の活動に活かせるかというのは別軸で課題になってきます。
なので、輪読会をする場合は輪読会を行った後のことまで考えて行えると成功につながっていくかと思われますのでぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
ありがとうございました。
吉野 良太 Ryota Yoshino
プロダクト開発統括部 グロース開発部 dodaサイト開発1グループ ITコンサルタント
2023年7月にパーソルキャリアへ中途入社。SEO領域の開発チームを経て、現在は求人応募領域の開発チームでスクラムマスターに従事。
※2024年12月現在の情報です。