パートナーシップを組むライボ社に訊く 匿名相談サービス“JobQ”の現在地とは

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2019年3月、はたらく人のキャリア選択を支えるサービスの提供をさらに推進するべく、パーソルキャリアの子会社としてジョインした株式会社ライボ。組織とビジネスの現在地や見据える未来、現場の思いなどを代表取締役 小谷 匠さんとWebエンジニア 古島 尚弥さんに伺いながら、ライボ社ではたらく“リアル”に迫ります。

匿名相談サービスで、一人ひとりの職業観に合う「情報と手段」を提供したい

――まずは小谷さん、ライボ社について改めてご紹介をお願いします。

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株式会社ライボ 代表取締役 小谷 匠

小谷:株式会社ライボは、“「個」が活躍する社会を創る”というビジョンを掲げ、キャリア選択における情報格差を埋めることを目指して2015年に創業、キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」を提供してきました。

メンバーは約40名で、主にエンジニアが所属するのはJobQ事業部の中のP&M(プロダクト&マーケティング)グループです。エンジニアやデザイナーは、Webプロダクトを中心に担当するチーム、ネイティブアプリを中心に担当するチームに所属し、企画やグロース担当者はマーケティングを担当するチームに所属しています。

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ライボやJobQというサービスを立ち上げた背景には、僕自身が人材ビジネスに携わる中で、既存の転職サービスの多くは企業向けの「採用サービス」として設計されたものが多いな、と感じていました。転職希望者のより良いキャリアを実現するという点にフォーカスしたものはあまり多くは存在していなかったのですね。しかし労働人口の減少に直面する日本では、一人ひとりの労働生産性を高めることが求められており、そのためには「転職希望者が自分に本当に合う職場と出会い、納得して決断をすること」が大切になるはずです。

転職希望者にとって、納得して決断するための情報提供をすることによって、その方はもちろん、採用する企業、ひいては日本にとってもポジティブな結果をもたらす、きっかけ作りができればという思いがありました。

 

――転職希望者が“納得して決断する”というのがポイントなのですね。パーソルキャリアとの提携の背景について、教えてください。

小谷:現代のインターネットの流れとして、情報コンテンツとトランザクショナルコンテンツの融合が加速してきました。例えば、飲食店のクチコミを見ている人が、同サイトから気に入ったお店の予約まで行ったり、旅行先を調べてコンテンツを読んでいた人が、そのまま宿泊先や新幹線の予約をとったり……この流れが当たり前になってきていますよね。

そうした中、JobQという情報コンテンツ側を扱うプラットフォームを運営する私たちにとって、トランザクショナルコンテンツ側、つまり「企業側」を開拓することが大きな命題であり、またそれは自社だけで実現するのが難しい部分でもあったのです。

そこで国内でも大きな規模のdodaと連携することで、情報コンテンツ×トランザクショナルコンテンツ、口コミ×求人といった領域を開拓し、一人ひとりの職業観に合うキャリア選択に必要な「情報と手段」を提供していきたいと考え、ご一緒させていただくことになりました。ジョインしてから1年ほどかけて経営統合にまつわるプロセスを終え、2020年に入ってから事業連携を進めているところです。

転職希望者にとって、よりシームレスで無駄のない転職を実現するために

――サービス立ち上げから6年。JobQの現在地と取り組んでいる課題について、教えてください。

小谷:現在私たちが提供しているのは、転職希望者が「今の仕事に悩みはじめた時」や「次のキャリアを考えて情報収集を始めたタイミング」をサポートするサービスであり、出口にあたる「実際の転職活動」のサポートはまだ十分ではありません。

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転職を考え始めて企業の評判や職場環境などを調べ、転職サイトやエージェントに登録し、実際の選考に臨む――この一連の体験それぞれを、シームレスに支援するサービスを提供していくことこそが、転職希望者にとって価値の高いことであり、取り組むべき課題だと考えています。

 

――その課題解決において、パーソルキャリアとの提携は具体的にどのように機能していくのでしょうか。

小谷:求人とクチコミの連携が活きてくると考えています。まずは現在、JobQに掲載されている企業の口コミデータとdodaの求人データを連携することで、一部の求人で「口コミを見ながら求人の選択ができる」といった機能の開発などを行っている段階です。

また今後も、コンテンツを提供してdodaをブラッシュアップしたり、JobQの会員さんにdodaにご登録いただいて転職サポートまで行ったり、dodaの会員さんにJobQへの口コミ登録をしていただいたりと、いくつかの柱を作って連携を加速させていきたいなと思っています。

 

――dodaとJobQが連携することで、情報収集から選考のフェーズまでを一貫してサポートでき、転職希望者にマッチする企業との出会いやキャリア選択の幅の広がりを実現できるのですね。

小谷:さらに一歩進んで、転職活動のスタートとして情報収集をしている潜在層のユーザーさんには、適切に許諾をいただいたうえで、閲覧したページから求人のレコメンドなどもできるのではないかと考えています。

例えばJobQのコンテンツの中で、年収にまつわるコンテンツをたくさん見ているユーザーは、「今よりも年収を上げたい」と思っている可能性が高いと予想できます。そうしたユーザーに対して、許諾を得たうえでその方にあった求人の提案ができれば、理想の職場とのスムーズな出会いの一助になるはずです。

このようなレコメンドを行いながら、いずれは転職希望者にとって無駄のない転職活動を提供・実現していけたらいいな、と思っています。

 

エンジニアが自走して活躍――ものづくりの場を目指す

――さて、ここからは、古島さんも交えてお話を伺いたいと思います。まずは、現在のライボ社のエンジニア体制について教えてください。

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株式会社ライボ Webエンジニア 古島 尚弥

古島:私の所属するWebセクションチームは全員がサーバーサイドエンジニアで6名体制、ネイティブアプリチームはマネージャー1名とサーバーサイドエンジニア2名、iOSエンジニア3名の6名体制です。

フルタイムの方や週2〜3日稼働の方、また正社員や複業を含む業務委託の方などメンバーの働き方は様々ですが、壁などはなく皆が同じ目線で、一丸となって取り組んでいます。機能改善やチケット対応についてもスプリントを組んで実装を進めていますが、タスクごとの優先順位などもメンバー同士で議論し合い、現場で主体的に決めながら前に進めてきました。

 

――様々なはたらき方のメンバーが集まる組織で、現場主体のチーム体制が整っているというのがすごいですね。

古島:入社当初は現在のような体制は整い切ってはいませんでしたが、新たなメンバーを迎え人数が増えてきたこともあり、タスク管理も含めた体制を柔軟に変化させながらやってきた、という感じですね。

小谷:あとは、私がエンジニアで初期からコードを書いていたこともあって、エンジニアに対するリスペクトが社内の風土としてあります。

一般的な考えとして、プロダクトをつくる会社のエンジニアチームには、①社内受託のような形になっているチームと、②意見をもって発信ができ、自分たちで前に進められるチームの2種類があると思っています。ライボは、後者のようなエンジニアが自走して活躍できる場でありたいと思っていますし、今のメンバーがそれを体現してくれているのかなと思いますね。

 

――経営者である小谷さんがエンジニア出身であることで、現場との一体感があるなという印象を持ちます。ビジネス上の施策展開などにも、現場のエンジニアたちが主体的に関わっているのでしょうか。

小谷:そうですね。一番の理想は、エンジニアが数字を見て自分で考えてプロダクトを回していくことだと思っています。その観点や感覚がないと、やはり何のためにやっているのかが見えず、社内受託化していってしまいますよね。

なので、事業計画上のミッションに対してのオーダーも抽象的なものが多いんです。「いつまでにこの施策をリリースして、この数字を出して」といった細かな指示が降りることはまずなくて、エンジニアも一緒になって議論して進めていければ嬉しいなと思っています。現場のメンバーからしたら「もっと詰めてから持ってきて…」と感じる部分も多々あるかと思いますが。(笑)

古島:その点は、議論できる時間もしっかり設けていただいていますし、特に抵抗のようなものは感じていません。

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言われたことをこなすのではなく、プロダクトやビジネスのことまで考えるという意味で、単なる「開発部」ではなくプロダクト&マーケティンググループにエンジニアが所属していると認識しています。

 

――「ただ技術をもつだけではなく、ビジネスのことも考えられるエンジニアチーム」は理想ではありますが、やはり大変な部分もあるのではないでしょうか。はたらくの“リアル”をお伝えしたいので率直に……業務のやりがいと、大変なところを教えてください。

古島:自分が実装した機能がリリースされて、ユーザーや社内のメンバーの役に立っているなと実感できた時が、一番やりがいを感じますね。

大変なところは、スキルのキャッチアップです。社長がエンジニアということもあり、JobQをより良いサービスにするために積極的に最新技術を取り入れているので、面白さややりがいがあって良いモチベーションになる反面、常にキャッチアップが必要になります。会社としても個人としても新たなチャレンジをしていけるよう、引き続きスキルアップをしていきたいなというのが課題の一つですね。

 

――エンジニアにとっての新たなチャレンジが、会社としてのチャレンジや発展につながっているのですね。組織やビジネスの今後の展望をお聞かせください。

古島:エンジニアとしては、社内から上がっている課題の処理をどんどん進めていきたいと思っていて。この課題の処理が、JobQがより良いサービスになることにつながると思うので、採用活動を進めてスクラムを2本回してスピーディな改善ができるような体制づくりを進めていきたいです。

小谷:現在のJobQは、ユーザー間でキャリア選択にまつわる情報交換を行うというオリジナリティは確立できてきている一方、口コミの領域では後発でユーザー規模やマーケットシェアは発展途上の部分があります。

会社は、ビジョンやミッションの実現に向けて「事業」をやるためにメンバーが集まる場所で、この「事業」がとても大切だと思うので、まずは最大級のサービスを作っていく、というところにコミットしていきたいですね。

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その中で、競合企業を見ていてもトランザクション、企業側の開拓がやはり難しく課題になります。JobQのコアバリューを掘り進めながらも、パーソルキャリア・dodaとの連携をしっかり進めて「JobQ 2.0」を一緒につくっていけるといいなと思っています。 

 

――最後に、今後どのような方と一緒に働きたいですか?

古島:やはりサービス自体に興味を持ってくださる方と働けると、一番嬉しいです。「自分の使ってみたいと思えるサービスを開発する」というところが、一番のモチベーションにもなるかなと思っています。

小谷:ライボは、創業時から「エンジニアが中心の会社をつくる」と決めてスタートしました。社名も、ものづくりの場=Laboの中心に「私自身=I」が立っているという由来があります。エンジニアが活躍できるものづくりの場を目指すためにも、プロダクトや数字を中心に自分たちで主体的に考えていけるような方と一緒に働けると嬉しいです。

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――ライボとパーソルキャリアの連携が深まることによって、それぞれのサービスが進化していくことが楽しみです。ありがとうございました!

(取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈)

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小谷 匠 Takumi Odani

株式会社ライボ 代表取締役

エンジニア出身CEO。大学卒業後、人材系スタートアップで法人向けの営業やWebエンジニアとして1年勤務ののち退職。その後、バックパッカーを経て、2015年2月に株式会社ライボを創業。「個が活躍する社会を創る」をビジョンとし、キャリアや転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」を開発、運営。

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古島 尚弥 Naoya Kojima

株式会社ライボ プロダクト&マーケティンググループ Webエンジニア

水門メーカーにて官公庁営業・現場代理人業務を経験後、Web系受託会社を経て、Webエンジニアとして2019年5月に㈱ライボ入社。Railsエンジニアとして「JobQ」の開発をメインに担当しつつ、最近はエンジニア採用も担当。

※2021年3月現在の情報です。