自分にあった求人を提供したい――doda登録直後のユーザーに向けた内製レコメンド活用

こんにちは。プロダクト開発統括部 doda開発グループの大橋です。

普段は、dodaを利用するユーザーが「より自分に合った求人」に出会えるように、応募しやすくするための施策を考えるスクラムマスターとして仕事をしています。今回の記事では「doda志向性マッチング」というレコメンド施策について、取り組みを説明します。

※大橋は退職していますが、本人の同意を得て掲載を継続しています。

 

dodaユーザーが興味のある求人を適切に届けたい―― 

「doda志向性マッチング」とは、dodaにご登録いただいたお客様に対して求人を提示し、「気になる」「興味なし」を選んでもらい、お客様の興味を分析しながら、志向性にあう求人を提示するレコメンドシステムです。「志向性を把握し、それにマッチする求人を提示する」一連のサービスをdoda志向性マッチングと呼んでいます。

alt

そもそも、サービス提供のタイミングの課題と、つくり(構造)としての課題がありました。まずサービス提供のタイミングとして「登録直後に、dodaから求人を提案することができない」という課題がありました。転職サイトに登録したタイミング=転職活動を検討しているため、その瞬間にお客様が”自分に合った求人”を見つけられることで、転職活動を少しでも前に進めることが出来たり、dodaへ信頼を寄せていただけるのではないかと思っています。ただ、現状ではご登録いただいたお客様がどんな求人に興味があるのか、どんな求人を好まれるのか、を登録直後に知ることができなかったのです。

そこで、お客様に直接問うことにしました。「気になる」「興味なし」を選択してもらい、その回答をベースにしたレコメンドシステムを構築することで、お客様に興味のある求人を適切に表示することができるようになりました。 

開発PMとして理想に近い機能実装を――

上記を実現するための構造としても課題がありました。

それまで利用していたレコメンドのエンジンよりも精度の高い(お客様に好まれ、応募につながる)エンジンの内製開発ができていたにもかかわらず、dodaサイト上で利用することができていなかったのです。そこで、利用するエンジンも既存のものではなく、内製開発したエンジンを利用することにしました。同じデータをインプットした場合に、より精度の高い結果を返せるため、使わない理由はありませんでしたので、さっそく取り組みます…!

 

開発領域は、大きく二分しました。

  • 表示する求人を定義するための機能開発
  • 定義された求人を表示し、ユーザーインターフェースになる機能開発

表示する求人を定義するための機能開発

求人を定義するための機能開発としては、以下を意識して依頼先は内製開発を選択しました。

  • 当社の複雑なデータベースを理解し、今回の分析を踏まえたレコメンドエンジンへの理解が深いこと
  • 意図や背景を理解いし、コミュニケーションを密にとれること
  • 工数が確保できスケジュール通りに進められること

これらを考えると、内製のエンジン開発を行ったチーム(旧マーケティング統括部 ビジネスサイエンスG)が一番適切だと判断しています。

alt

ユーザーインターフェースの開発

こちらは、以下の要素を検討し、外部のベンダーさんに依頼をしています。

  • dodaサイトの開発経験があり、スキルとして機能開発を問題なく行えること
  • コミュニケーションがとりやすいこと
  • スケジュール通りに進められること
  • 提示いただいた費用感

を総合的に評価し、ご提案の内容が実現したい内容と近いと思われた1社にご依頼させてもらいました。

マルチベンダーによるPJTとして、双方の理解に齟齬が生まれないか、合流するIT以降の工程で待ちが発生しないか、といったあたりを中心にコントロールしながらPMとしてPJTを推進していました。

想定の3倍以上の結果に――お客様のスタイルに合うサービス提供を

リリース前に設定していたすべての指標で目標を上回る結果が出ました。なかでも、本機能を利用しての応募数は、想定の3倍以上の効果が出ており、PJTとしては成功しました。内製のエンジンを利用して表示している求人の効果が良く、dodaサイト上で過去使っていたレコメンドを上回る効果につながっているといえます。

 

登録直後のコミュニケーションについては、一つ有効なものを生み出せたと思っています。dodaでは、求人を探す方法としてエージェントサービス、スカウトサービスもあるので、それぞれのサービスとバランスを見ながら、登録してくださったお客様に合った求人を表示できる方法を引き続き模索していければと思います。

 

また、PJT内で有効とわかったものを、大きく2つにわけてそれぞれ拡大していこうとしています。

  • 有効であるとわかったエンジンをdodaサイト上ほかの画面への展開
  • 検索に頼らない、「気になる」「興味なし」を選択することでの”探し方“の提供

いずれも検討進んでいるため、近いうちにdodaサイト上でお見せできる日が来ると思いますので、ご期待ください。

これは個人的な意見ですが、はたらくを通じて「頑張るって楽しい」「頑張るってかっこいい」と思える人が1人でも増えるように、前向きに頑張ることができるような仕事を探し、最適なタイミングで届けることをこれからも検討していこうと思います! 

alt

大橋 直行 Naoyuki Ohashi

P&M本部 プロダクト開発統括部 プロダクト開発部 doda開発グループ コンサルタント

現在は退職。

※2020年7月現在の情報です。