初心者からオタクまで。デザイナーたちがゆるく学び合う社内AI勉強会『AI Cafe』のはなし

 

こんにちは!クライアントプロダクトデザイン部のデザイナー林りえです。

突然ですが、みなさんはこんなモヤモヤを感じたことはありませんか?

「AIを勉強したいけど、一人だと何から手をつけていいか分からない」 「新しいツールを試してみたけど、この使い方が合っているのか誰かと話したい」 「他のチームがAIをどう使っているのか、実はよく知らない」

私自身がまさにそうでした。AIの進化スピードは凄まじく、一人でキャッチアップし続けるには限界があります。

そこで「一人で勉強するより、ゆるく集まってシェアし合えばいいのでは?」と思い立ち、2026年2月に有志数人で始めたのが、社内勉強会「AI Cafe」です。

小さくゆるく始めたこの会は、気づけばほぼ毎週開催が続いています。

今回は、AI Cafeがどう始まり、どう続き、そして先日初めて開催した「座談会」で何が起きたのかをご紹介します。「社内でAI活用を広めたいけど、どう始めたらいいんだろう?」と考えている方のヒントになれば嬉しいです。

AI Cafeとは?——「お昼を食べながら耳だけ参加」もウェルカムな場

AI Cafeは、AI活用に興味がある人がゆるく集まって、知見をシェアし合うオンライン勉強会です。掲げているキャッチコピーは、

〜初心者からオタクまで。部署を超えたゆるふわ知見持ち寄り会〜

基本の形式はシンプルで、毎回一人が「最近試したAI活用」を発表し、他の参加者が質問やコメントをする、というもの。部署も職種も問わず、お昼ご飯を食べながらの「耳だけ参加」も大歓迎。当日参加できなくても録画のアーカイブで後から見返せるようにしています。

AI Cafe第1回目の様子。少人数の有志で小さく始まりました。

「Cafe」という名前の通り、大切にしているのはカフェのような気軽さ。「勉強会」と聞くと少し身構えてしまいますが、ふらっと立ち寄って、コーヒー片手に誰かの話を聞いて、何かひとつ持ち帰ってもらえたらそれで十分。そんな場を目指しています。

ちなみにこの「AI Cafe」という名前自体も、AIとの壁打ちで生まれたものです。いくつか案を出してもらった中から選びました。

そもそもの発足理由:一番欲しかったのは、自分の「アウトプットの場」

冒頭で「ゆるく集まってシェアし合えばいいのでは」と書きましたが、実はAI Cafeを発足した一番の理由は、自分自身のアウトプットの場が欲しかったことです。

これまでの経験から、インプットとアウトプットをセットにして初めて、学びが定着すると体感してきました。インプットするだけだと、なんとなく分かった気になって満足して終わってしまいがちです。でも「来週発表する」という予定があると、人に説明できるレベルまでしっかり理解する必要に迫られます。この「アウトプット駆動」の強制力こそが、一番の勉強法だと思っています。

とはいえ、ちゃんとした会での発表は資料作成や準備が大変で、それ自体がアウトプットの妨げになってしまう。だったら、もっとゆるく発表できる場を自分で作ってしまおう——それがAI Cafeの原点です。

なので私自身も、運営としてだけでなく、一人の発表者として積極的に登壇するようにしています。

続いている理由①:「準備不要・アンケートなし」——ゆるさは、設計するもの

運営として意識的に決めていることが2つあります。

1つ目は、発表者に「資料や準備は極力しないでください」と案内していること。

AI Cafeで話すのは基本的に「自分がやってみたこと」なので、過去に作ったものやプロセスを画面共有でサクッと見せてもらうスタイルで十分成立します。もちろん資料を作ってきてくださる方もたまにいますが、あくまで任意。発表のために通常業務を圧迫してしまっては本末転倒だからです。

2つ目は、普段の回では事後アンケートを取らないこと。

イベント運営のセオリーからすると逆張りに見えるかもしれません。でも、アンケートは参加者にとって小さくない負担です。「参加したらアンケートを書かないといけない」という心理的な重さは、「ふらっと参加」の文化と相性が良くありません。

発表する側にも、参加する側にも、負担をかけない。参加のハードルを徹底的に下げること。続けるために、これが一番大事だと考えています。

続いている理由②:運営メンバーは、部署を越えて名指しでスカウト

AI Cafeの運営は私を含めて5名。このメンバー、あえて全員違う部署の人を名指しでお誘いしました。

というのも、パーソルキャリアには、実はデザイナーがたくさん在籍しています。組織が大きい分、隣のチームがAIをどう使っているかは、意外と見えにくいものです。同じ部署で固めるより、違う部署の人が集まった方が、それぞれのチームでのやり方が学べて、相互にいい作用が生まれるはず——そう考えました。

ありがたいことにこの狙いはいい方向に働き、運営メンバー同士でも自分の所属部署以外の情報を知れたり、教えてもらえたりすることが増えています。勉強会の中身だけでなく、運営体制そのものが部署の壁を越えるパイプになっている感覚です。

声をかける基準にしたのは、次の2つでした。

  • AIへの感度が高そうな人
  • Giver精神があって、コミュニケーションが得意そうな人

つまり、「教えたがり」ではなく「分かち合いたがり」な人です。そんな人が運営にいると、場の空気が自然とオープンになります。誘いに快諾してくれたメンバーには、本当に感謝しています。

AI Cafeの運営メンバー

続いている理由③:告知文も「ハードルが低く見える」ようにデザインする

毎回の開催告知にも、実はひと工夫しています。「行ってみようかな」と思える気軽さを、文章でデザインするイメージです。

実際の告知は、いつもこんな雰囲気です。私が発表するときには、AIの画像生成でサムネイルも作り、告知がより目立つ工夫もしています。

本日、12時よりAI Cafeにて以下の発表内容を予定しています!

【AI Cafe Vol.8】はじめてのClaude Design

「Claude Design」の話を浅く広く私の方でゆるゆるとお話しできればと。
ちなみに、Claude Designは2日前から触り出したばかりなので全然詳しくないです。

AI Cafeの楽しみ方

  • 開催は不定期:ネタがある時に開催!「あの人の話が聞きたい」というリクエストもOKです。
  • 準備はいりません:資料作成は不要。画面共有でサクッと見せるだけのスタイル大歓迎です!
  • 話し手・聞き専ともに募集中:「これ便利だった!」という小ネタ共有も、ランチを食べながら「耳だけ参加」も大歓迎!参加後のアンケートなども取りません。
  • アーカイブあり:当日参加できなくても、後から録画でチェックできます。

     

    AIで生成した発表のサムネイル

    AIで生成したサムネイル

ポイントは、発表者自身が「2日前から触り始めたので全然詳しくないです」と言ってしまえる空気感。「詳しくないと発表しちゃいけない」という思い込みを外すことで、話し手の心理的な負担も下げています。

そして、この告知文もAIと一緒に考えています。AI活用の勉強会の運営に、AIをフル活用しています。

気づけばほぼ毎週。半年間のテーマを一挙公開

不定期開催のつもりで始めたのですが、「シェアしたい!」と手を挙げてくれる人が途切れず、気づけばほぼ毎週のペースで開催が続いています。2月からの約半年間のテーマがこちらです。

No 日付 テーマ
1 2/20(金) 「Lovart.ai」と「Cursor x Pencil」を試してみた!
2 2/27(金) Google製品いろいろあるけど…結局プロトタイプ作成時は何を使えばいいの?の話
3 3/6(金) CursorでCONNECTの顧客満足度調査を自動で出せる仕組みを作った話
4 3/12(木) めざせリサーチリポジトリ×RAG検索 〜RovoでインサイトDBのプロトタイプ作ってみた
5 3/25(水) 資格勉強とAI 〜HCD基礎検定合格に向けGeminiと一緒に勉強した日々〜 ほか
6 4/3(金) Figmaのデザインレビューのプラグインを作成した話
7 4/10(金) Claude Codeのインストールと所感 〜楽しすぎて、世界がコードにみえた話〜
8 4/24(金) はじめてのClaude Design
9 5/20(水) Claudeをプロダクト開発でいい感じに使えないか妄想してみた(デモ会)
10 5/29(金) AIと伴走してFigmaのMaterial Symbolsライブラリーをつくった話
11 6/5(金) CursorでClaude Codeを使う方法
12 6/12(金) 開発費0円&社外秘も安心!メモ帳×AIで自分専用のガントチャートを制作した話
13 7/3(金) 短期間で新規事業を立案するAIエージェントの設計
14 7/10(金) これからのAI時代におけるデザイナーの価値ってなんだろう?(座談会)

※以降も、エンジニアチームがやったハッカソンの話、Figma Config現地参加レポートなど幅広い内容の発表が控えています。

改めて並べてみると、ツールの試用レポートから、業務の自動化、プラグイン開発、RAG検索、AIエージェント設計まで、テーマの幅がどんどん広がっているのが分かります。発表のハードルを下げているからこそ、「ちょっと試しただけ」の話も「がっつり作り込んだ」話も、同じ温度で共有される。これがAI Cafeの財産だと感じています。

参加者も回を重ねるごとに増え、今では毎回平均20人ほどが集まってくれています。部署の垣根を越えた知識の共有はもちろん、「あの部署にこんな人がいるんだ」とお互いの顔と名前を知る場としても機能し始めています。

そして何より、集まってくださるみなさんが温かくて優しい。真面目に学び合いつつも、たまにはふざけながら、笑いのある時間として続いているのが、AI Cafeらしさだと思っています。

初の座談会回:「AI時代にデザイナーが大切にすべき価値観」をみんなで考えた

そして先日の7月10日、AI Cafe初の試みとして座談会形式の回を開催しました。

きっかけは、対照的な2本のtechtekt記事です。

1本目は、私が書いた「AIエージェント時代にデザイナーの役割はどう進化するか」というAX(Agentic Experience)の記事。

【UXからAXへ】AIエージェント時代に、UI/UXデザイナーの役割はどう進化するのか?

2本目は、金子さんが手描きと生成AIの「違和感」に向き合う記事。

手描きと生成AIの配慮と違和感について

AIを推進する視点と、AIとの距離感に立ち止まる視点。この2本を題材に、「これからもAIは発展していくけど、その中で『私たちデザイナーが大切にすべき価値観』ってなんだろう?」というテーマで、ブレイクアウトルームに分かれて自由に話し合い、最後に全体でシェアしました。

この座談会、企画と設計を中心になって進めてくれたのは、運営メンバーでUXリサーチャーの神崎さんです。「進んでやります」と手を挙げてくれて、事前に運営メンバー全員で3回ほど集まり、「どんなテーマで、どんな流れでやるか」を神崎さんを軸に全員で意見を出し合いながら設計しました。当日も、各ブレイクアウトルームに運営メンバーがそれぞれファシリテーターとして入り、議論をまとめてくれました。

問いの設計はUXリサーチャーの専門性、場の運営はメンバー全員の連携。AI Cafeがここまでスムーズに、楽しく続いているのは、間違いなくこの強力な運営メンバーのおかげです。感謝と尊敬しかありません。

座談会の目的

デザイナーが大切にすべき価値について話し合い

座談会で利用したMiro

4グループに分かれてMiroの付箋を使いながら話し合い

印象的なワードがたくさん並びました

4つのグループの付箋を眺めると、印象的なキーワードがたくさん並んでいました。

  • 「手段が変わっても、大事にすることは変わらない」
  • 「判断軸を持つことが大事」——AIがあるからこそ、判断軸がぶれそうになる
  • 「観察する力、気づく力、五感を使うこと」の価値が上がっていく
  • 「人が主導権を持って作ること」
  • 「AIはふりかけとちょっと似てる」という秀逸なたとえ 「主役はあくまで料理=人で、AIはそれを引き立てる存在、という意味だそうです」
  • 便利になる期待と、仕事への不安が同居しているリアルな声

推進派も慎重派も、どちらが正解という話ではなく、「AIとの関わり方や距離感は人によって違う」ということをお互いに知れたこと自体が、この座談会の一番の収穫だったと思います。

参加者の声

この回は「次の企画に繋げたい」という思いから、AI Cafeとして初めて事後アンケートを取りました。回答の一部をご紹介します。

デザイナーそれぞれのAIへの付き合い方や不安や期待を聞けてよかった

AIの活用が進んでいる中、デザイナーが存在する価値を色々な角度から意見を聞けて良かった。自分の役割について考え直すきっかけになりました!

普段話さない人と話せてよかったです!

普段仕事をしている時、こんなに深くこれから何を大事にしていくべきかを考える機会がなかったので、良い機会になりました!

何か違う・何かが足りないという考えを持っているのは、ものを作るデザイナーだからこその視点。AIとの関わり方や距離感が人によって違うということを知れた

今のデザイナーの方のAIに対する所感を聞くことができた。PdMとしてはデザイナーはいつまでもなくてはならない存在だと思う

デザイナー発の会ですが、今ではエンジニアやPdMの方も参加してくれるようになったのも嬉しいポイントです。AI Cafeが職種を越えた対話の場になりつつあることを実感しています。

まとめ:小さく、ゆるく、でも本気で

2月に数人で始めた小さな会は、半年で「ほぼ毎週、誰かが自分のAI活用をシェアする場」に育ちました。振り返ると、続いてきた理由は次の3つに集約される気がします。

  1. ハードルを徹底的に下げる、そして下げ続ける——準備不要、耳だけ参加OK、アンケートなし、告知文まで含めて「緩さ」を設計する
  2. 運営は部署を越えて、Giver精神で選ぶ——場の空気は人がつくる。部署間の情報の壁を越えるのも、結局は人の繋がり
  3. 小さく始めて、とにかく続ける——完璧な企画書より、続いている事実

AIの進化は待ってくれません。でも、だからこそ一人で焦るのではなく、みんなで学び合う場があることが、組織全体のAI活用の底上げに繋がると信じています。そして何より、「発表する予定がある」ことが、一人ひとりの学びを最も加速させる——これはAI Cafeを半年続けてきて確信していることです。

AI Cafeはこれからも、新しい形式の企画にも挑戦しながら、「ふらっと来て、何かひとつ持ち帰れる場」であり続けたいと思います。

 

※本コンテンツの一部は生成AIツールを使用して作成されました。

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林 梨絵 Rie Hayashi

プロダクト&マーケティング事業本部 クライアントプロダクト本部 テクノロジー統括部クライアントプロダクトデザイン部 デザイン第1グループ

2023年にパーソルキャリアへ入社し、doda CONNECTのデザインを担当しています。過去にはエンジニアや海外勤務の経験もあり、多様なバックグラウンドを活かしながら、学び続ける姿勢を大切にしています。現在はAI技術の活用に注力し、新しい価値の創出に挑戦しています。

※2026年7月現在の情報です。