パーソルキャリアのテクノロジー本部が組成されて3年が経過しました。
組成当初から今日に至るまでさまざまなプロジェクトを進めてきましたが、テクノロジー本部のメンバーだけで完結するプロジェクトだけではありません。事業部門の方々と一緒に進めるプロジェクトも多くあります。
「テクノロジー本部に期待することはなにか」「3年が経ちテクノロジー本部のエンジニアやデザイナーとの協業の在り方はどう変わったのか」……今回は、テクノロジー本部と一緒にはたらく事業部門の方々に焦点をあてて、彼・彼女たちの視点からテクノロジー本部を見ていきたいと思います。
- データやシステムの整備から それらの利活用促進まで幅広くサポート
- 業務・人事制度の背景知識まで理解した提案や素早い連携が、“事業会社内のテクノロジー組織”ならではの魅力
- 「協業することでしか作れないものを、一緒に作っていきたい」
※撮影中のみマスクを外しています。
データやシステムの整備から それらの利活用促進まで幅広くサポート
――まずは甲斐さん、須藤さんが所属される組織の概要と、その中でお二人が担うお役割から教えてください。
甲斐:人事本部 キャリア採用部は全社の中途採用を行う組織です。体制としては「リクルーター」「アシスタント」「採用推進」の3つの機能に分かれており、私はアシスタントグループでアシスタント業務の効率化や正確性の向上をミッションとした業務を担当しています。
須藤:人事本部 人事デザイン部では、「タレントマネジメント」「ガバナンス・データ」「HRDX」の3機能で、社員ニーズや経営戦略に応じた制度設計、人員・人件費計画の策定を通じ全社人事戦略の策定、推進する役割を担っています。その中で私はガバナンス・データグループに所属し、人事データ活用にまつわる企画や施策の検討、運用を主に行ってきました。
――具体的にどのようなお仕事でテクノロジー本部と関わられているのでしょうか?
甲斐:中途採用に関わるデータ管理を従来のExcelによるものからシステムでの一元管理に移行して運用・管理するプロジェクトなどで、テクノロジー本部の皆さんとご一緒させていただいています。
柳澤:データ活用においてはまず “データの正しさ” がとても重要になるため、今後の人事データ活用を促進していく前段として、大切なプロジェクトだと認識しています。
対象となるシステムは、年間で数百名以上に及ぶ入社者の情報を管理し、人事本部だけでなく面接官や各組織の組織長など多くの方がそれぞれ異なる権限をもって運用に関わるというものです。それだけに要件は非常に複雑ですが、一つひとつ整理しながら改良を重ねていきたいところです。
須藤:ガバナンス・データグループでは、人事データ活用を進めるためにデータを一元化・可視化するシステムを導入、活用していこうというプロジェクトにおいて、柳澤さんのお力をお借りしています。現在はすでにシステムが出来上がり、このシステムを活用したデータ分析のトレーニングなども企画している段階です。
経営に対する「報告」にとどまらず、人事としての「提案」を、先手で出せるような世界観が理想と考えており、その実現に向け着実に進めていきたいと思っています。
柳澤:データの正しさが担保できたら、次に重要になるのが “仮説検証” です。データを加工するという単純な作業スキルの習得に終始せず、自分から能動的に問いを立てる力を皆さんに身につけていただきたいなと考えながら、 カリキュラム作成に関わっています。
業務・人事制度の背景知識まで理解した提案や素早い連携が、“事業会社内のテクノロジー組織”ならではの魅力
――ここからは、“人事から見たテクノロジー本部” をテーマに詳しくお話を伺っていきたいと思います。まず、プロジェクトを進める中で感じるテクノロジー本部のよいところからお聞かせください。
須藤:専門知識がない私たちの意図や背景を理解してプロジェクトを進められるように、しっかりと目線を合わせてくださっている印象で、やりやすさを感じています。こちらの理解が及んでいないときには、察して「今言ったこれは、要するにこういうことで」と説明をしていただけるのがありがたいですね。
一方で、私たちが人事にまつわる専門用語や制度などの背景知識を同じように上手く伝えられているかというと自信がありませんが……質問をしながら理解しようとしてくださる姿勢に、本当に助けられています。
甲斐:特に人事本部は制度やフローの変更が多い中で、的確に情報をキャッチアップしてくださるところには、プロフェッショナルのお仕事だなと感じさせられますよね。
他にも、困りごとについてご相談すると、システム面での解決方法を示して「今できますよ」とすぐに反映してくださったり、さらに「こういうフローにしてみるとよいのでは」など業務面にまで踏み込んで提案をしてくださったり……。
そういった連携の素早さや専門領域を越えた踏み込みは、事業会社の中にテクノロジーの専門家がいてくださる体制ならではの良さなのかなと思います。
柳澤:嬉しいお言葉をありがとうございます。ただ、人事にまつわる知識をメンバーみんなで確実に身につけていくことは、継続して取り組むべきポイントだと捉えています。交流の場や相手の業務を体験する機会を設けるなど、工夫しながら理解を深めていきたいなと思います。
――反対に、テクノロジー本部が “もっとこうなったらいいな” と思われる点はありますか?
甲斐:採用部はシステムやテクノロジーに明るくないメンバーが多いため、たくさんのご配慮のもと道筋を示しながらサポートいただいているのだろうと感じていますが、今は少し頼りすぎている部分があるかもしれません。「ここまでは事業側で担うべき、頑張って欲しい」というところは忌憚なく教えていただけると嬉しいです。
須藤:テクノロジー本部にもっとこうなってほしいというより、逆に人事本部からの説明が足りていないことがあるだろうと思っています。人事本部における社内用語や専門用語など、検索しても出てこない単語を私たちは意識せずに使っていることがあります。そういった時には、引き続き、遠慮なく聞いてくださるとありがたいです。
柳澤:どちらかに負担が偏ることなく、お互いにとって利益になる関係を保っていきたいですね。そのためにも皆さんの事情を汲んで目線を合わせつつも、技術的な側面から率直にお話をさせていただき、“一緒に作っていく” 姿勢であり続けたいなと思います。
「協業することでしか作れないものを、一緒に作っていきたい」
――ありがとうございます。それでは最後に、テクノロジー本部に期待することをお聞かせいただけますか?
甲斐:パーソルキャリアならではの文化・事情や人事にまつわる背景知識まで的確に理解した上で一緒に考え、ご提案やシステムの改善をしてくださる、そんなプロフェッショナルな方々がそばにいることに心強さを感じており、これからもビシバシと専門家の視点からご意見をいただけたらありがたいなと思っています。
また引き続き、システムに限らず業務についても、人事組織外の目線をお持ちだからこそのご指摘やご提案でサポートをいただければ嬉しいです。
須藤:そうですね。今後相互理解が進んで近しい存在になっていくほど、反対に「言いづらいな」と思う場面が出てくるかもしれません。ですが、お互いに遠慮することなく、組織外の人だからこそ言える気づきや期待を伝え合って、“離れすぎず・入り込みすぎない” 適切な距離感を保ちながら、協業することでしか作れないものを一緒に作っていきたいなと思います。
そして、せっかくの機会ですから、この協業を通して柳澤さんに達成感や成長実感を持ち帰っていただけると嬉しいなと、人事の立場から願っています。
柳澤:ありがとうございます。現場の業務とシステムをしっかりとつなぎ合わせるために、システムをより良くするのはもちろん、時には業務も改善していくこと。また要件定義や分析を行うための現場のリテラシーを継続して高めていくこと……これらを意識しながら、テクノロジー本部と人事本部という全く異なる部署をつなぐこの立場を活かして、 “自分から提案すること” を大切に取り組んでいければと思います。
引き続き、よろしくお願いいたします。
――ありがとうございました!
(取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈/撮影=古宮こうき)
須藤 明日香 Asuka Sudo
人事本部 人事デザイン部 ガバナンス・データグループ
教育業界で営業職、美容業界で専門職に従事した後、2014年パーソルキャリアに入社。戦略人事部、組織人材開発部での各種人事データ集計、組織文化・エンゲージメントサーベイ、人材アセスメント活用の施策設計・運用・分析経験を経て、現在はガバナンス・データGで人事データの見える化による業務効率改善及び利活用促進、人事社員のデータリテラシー向上などに取り組んでいる。
甲斐 愛梨沙 Arisa Kai
人事本部 リクルーティング統括部 キャリア採用部 アシスタントグループ
大学卒業、銀行で窓口営業職に従事した後、2019年にパーソルキャリアに入社。2020年にキャリア採用部へ異動し、採用アシスタント経験を経て、現在は採用アシスタント業務を中心としたキャリア採用部内の業務効率化・正確性向上をミッションに、システム導入や業務フロー見直し・改良などの施策に取り組んでいる。
柳澤 寛光 Hiromitsu Yanagisawa
デジタルテクノロジー統括部 デジタルソリューション部 サーバーサイド・インフラエンジニアグループ エンジニア
2020年にパーソルキャリアに新卒入社。大学院時代は情報科学系の研究室で『納得感』を学際的な立場から研究した。 入社後アナリティクスGを経験し、エンジニアGにて勉強中。 現在は人事部にも兼務し、人材企業の人材活用をデータで支えていくのが今の目標。
※2023年1月現在の情報です。