こんにちは🙋♂️、パーソルキャリアでサービス開発のエンジニアをしている竪山です。
今年5月、新卒1年目として昨年から企画運営してきた組織横断の組織改善プロジェクト「サービスづくり組織LT会」が無事開催・クローズしました。
新卒として取り組むにあたり大変だったことなどを、回顧録のように書きました。
具体的にどのような会を開催したかや、組織構造については前編をご覧ください。
※竪山は退職していますが、本人の同意を得て、掲載を継続しています。
なぜこの記事を書くのか
新卒一年目で組織横断プロジェクト(以下、PJ)に取り組むにあたり、意識したことや大変だったことを書き残し、お世話になった方々にお礼をしたいと思ったからです。あわよくば今後自分のように、新卒の後輩が何かに挑戦したくなった時の参考になれば、とも思っています。
この記事では終始偉そうなことを書いていますが、このような会を行えたのはひとえに自分に協力してくださった先輩方と、0から一緒に走り抜けてくれた同期のおかげです。本当にお世話になりました
会の目的・運営メンバー
おまえだれ?
- テクノロジー本部 エンジニアリング統括部 サービス開発部 の新卒2年目のエンジニア
会の目的
- 前編にあたる(新卒1年目で組織横断プロジェクトの運営をした話①〜起案から開催まで〜) をご覧ください。
運営メンバー
- 様々な方にご協力いただきましたが、最終的な運営メンバーは次のようになっていました
- 起案者: 竪山、同期の大和田くん(新卒エンジニア) - 開発部: 開発部ゼネラルマネジャー(以下GM)、マネージャー - UXデザイナー部: デザイナー先輩, リサーチャー先輩 - 企画統括: サービス企画部、組織改善にも携わられている先輩
- UXデザイナー部(以下UXD部)のGM、マネージャークラスの方からも惜しみないご協力をいただきました。
- どうみても起案者2人に対して他のメンバーが豪華すぎることがお分かりいただけるかと思います。マネージャークラスの方+つよつよ先輩方とヒラの新卒2名。お忙しい中、新卒の発案企画にご協力いただける優しく優秀な方の揃った、挑戦がしやすい組織であると改めて痛感いたしました。
- 各部・統括の運営メンバーにはLT会に登壇する方の選出・お声がけ、広報など幅広い業務にご協力いただきました。
運営にあたり意識したこと
起案からこれまでの出来事は大体次のような流れで進みました。(多少時期ずれや前後があるかもしれません)
起案からこれまで常に気を付けていたことは「とにかく周りを巻き込んで、協力と賛同を得ること」です。色々な濃度や距離で、少しでも多くの人を巻き込めるように努力しました。
とにかく人を巻き込む
- 元々私は、エンジニア部内の勉強会運営を同期と共に行っていました。 10月の後半ごろ、先輩から勉強会チャンネルで「各職種の目線合わせの勉強会がやりたい」というご意見をいただきました。「今やってる勉強会みたいな感じでサラッとできそうかな。」くらいの気持ちでいた僕は、自分もお話聞いてみたいという下心もあり「自分やります🙋♂️」と手を上げました。
- しかし、自分は新卒入社して半年のただのエンジニアであり、他部署知識や権力、影響力は全くありませんでした。まずはニーズ調査をする必要があると考え、エンジニア部以外に効率的に回答してもらい意見を集めることにしました。 しかし他部署にでしゃばってアンケート回答依頼をしても十分に集まるとは思えなかったため、企画とUXD部それぞれの信頼している先輩と同期に協力をお願いし、アンケートアナウンスやヒアリングを行なってもらいました。
- 同時に、今後運営に携わってもらえそうな方の募集を行いました。自分よりも能力やパワーのある方、他部署知識や会開催ノウハウのある方に協力していただき、なんとか開催に漕ぎつけようと必死だったと思います。
より多くの人に認知してもらう・賛同してもらう
- アンケートを他部署に流してもらいつつ、開発・UXD部の合同MTGでも会の告知とアンケート回答依頼を行いました。 新卒のエンジニアが頑張ってんだな、という下駄も多少履かせていただけるだろうという打算も持ちつつ、みなさんに認知してもらい、応援してもらえる会にしようと考えました。「なんか勝手にやってるんだな」ではなく「役に立つ何かをやってくれてそう、応援してやるか」と1ミリでも思ってもらえたらいいな…と思い、MTGだけでなく自身のslackチャンネルでも話題を出すようにしていました。何をやっているか理解してもらい・応援してもらう これも一つの巻き込みだと考えて積極的な展開を行いました。
- 自分がMTGに出れない企画側では協力いただいている先輩と丁寧に認識合わせと意見共有を行い、可能な限りの賛同と認知がいただける状態になれるように留意しました。
マネージャークラスの人を巻き込み、話を通してもらう(めっちゃ大事)
- 起案してすぐにまずは開発部のGMに話を通しました。いつもお世話になっていて話しやすいですし、何かやるのであれば筋を通しておくべきだと考えたからです。幸い、自分の挑戦しようとしてることについては快く承認いただけました。以降、自分の権限ではできないこともスムーズに進むようになりました。
- その後UXD部のGMともお話をし、「マネージャーもOKしてることなんだ」という後ろ盾を得たことで、より多くの方から賛同・協力していただけやすくなったと思っています。とても打算的な話ですが、スムーズに進めていく上では欠かせないことでした。
マネージャークラスの人に方針決定の意見をいただく
- アンケートの回収などが済んだ頃、企画側のマネージャーポジションの方にもお話をし、企画の趣旨についてご説明しました。元々自分の参加していたPJのサービスオーナーをされていた方だったこともあり、自分も話を通しやすかったです。
- 企画側での空気感・マネージャー陣としての考えを伺いたかったこと、全く影響力のおよばない企画側での後ろ盾が欲しかったというのが事務的な理由ですが、お世話になっていた方に自分の企画がどう映るかを聞きたいというとても個人的な理由も強かったと思います笑
- 結果として、強く賛同してくださり「是非やりな」と言っていただくことができ、事前に企画統括のGM兼本部マネージャーの方にも話を通していただくことができました。その後運営にも関わってくださることにもなり、自分の理解が全く及ばない企画職側のご意見・空気感、登壇者人選など、非常に重要な項目についてのご協力をいただきました。
- 既に企画側の先輩からも協力いただいていたので、非常に贅沢なメンバーになっていたなと改めて思います。
自分より詳しい人にとにかく教えを乞う(めっちゃ大事)
社内イベント運営経験のある方にお話を聞く
- 自分が当時携わっていたエンジニア勉強会の参加者は30名強ほど。しかもかなり距離の違い同じ部のメンバーが対象です。しかし今回は、対象は複数部署にまたがる組織横断PJであり、スコープとなる人数は150名を超えます。このような大規模イベントの開催ノウハウがない中0から企画するのは危険であると考え、既に他職種向け勉強会を開催されていたUXリサーチャーの先輩にお話を聞くこととしました。
- 結果的に運営マニュアルとともに、空気感の醸成方法、告知の仕方などについてご教示いただくことができ、僕たちはそれを
丸パク大いに参考にしながら運営方針の検討を進めることができました。 - また、後述する重大な見落としについてもご指摘いただくことができました。
アンケート・効果測定のプロに話を聞く
- 今回のPJでは「実施した施策がどの程度効果的で、組織改善に役立ったのか?」を測定する必要がありました。
- 上述の先輩は同時にハイレベルなUXリサーチャーさんであったため、併せてご意見を伺いつつ運営へのご協力をお願いしました。残念ながらこちらの先輩は途中で転職されてしまいましたが、最終的に別の優秀なリサーチャーさんである奥田さんが入ってくださりアンケート設計の全てをになっていただくことが出来ました。
話を聞けそうな人、聞いてくださりそうな人には片っ端から聞いてみる
- その他、お世話になってるCS(カスタマーサクセス)の方、企画の方、エンジニア、UXDの先輩や同期…聞いてくださりそうな方には片っ端からお声がけし、偉そうに会の目的を語りながらご意見をいただきました。
- 運営メンバーとして各部のマネージャーが入っているので十分というわけでもなく、今回の取り組みはメンバー間での相互理解を目的としているため、現場レベルの方々の認識やニーズから乖離してしまっては元も子もありません。
- そのようなPJターゲットのニーズとのすり合わせ目的だけでなく、会の目的そのものの考え、ひいては竪山自身の勉強にもなると考え、一人でも多くの方のお話を聞くように意識的に動きました。
PJ内での認識合わせ(めっちゃ大事)
- 準備・運営の過程で一番工数を使ったのではないかと思います。ご協力いただける方、マネージャーには丁寧なPJ説明や意見交換をしつこいほど行ったと思います。開始から22年の4月までは定例MTGもなかったため、僕と同期の大和田で空いている時間を見つけ、それぞれの運営メンバーとすり合わせ、意見交換を繰り返しました。
- 今回のPJは組織横断のため、各部での空気感や認識の違いを意識しながら準備する必要がありました。運営の中でも、企画統括・開発・UXDと大別しただけも3組織のメンバーがいます。さらに企画統括はさらに複数の部に分割されますし、メンバーとマネージャーでも認識や会に求めるものが違っていました。それらを統合し、最適解となるような会にするためにすり合わせと認識合わせには特に気を配っていたと思います。
- また準備が全員に共有が必要ない項目であったとしても、運営Slackチャンネルでやり取りすることで情報格差がないように努めました。
- 結果として定例化し本格的にPJが動き出した際、運営メンバーの皆さんが同じ方向を向いて開催に向けて動いてくださったため、この努力は必要なものであったと確信しています。
- とにかく運営メンバーでは確実に統一見解、共通認識を持てるようにすること。これを最重要としていた気がします。
工数負担を増やしすぎない(すごく大事)
- 自分含め本来のメインPJもあるため出来るだけ一人あたりの工数負担を減らせるように心がけました。ToDoやスケジュールの可能な限り可視化、登壇者に送るメッセージのテンプレート用意など 少しでも負担が減らせるような工夫をしました。また、可能な限り仕事も分割し、自分自身も背追い込みすぎないように調整しました。
お礼を忘れない
- ニーズアンケートに答えてくださったら必ずお礼と結果を共有する。協力いただいた登壇者の方にもフィードバックを添えてお礼をする。お忙しい中ご厚意で協力いただいている方へのお礼は忘れないように心がけました。
一緒に走ってくれるパートナを見つける
- 今回の開催にあたり、起案直後に同期の大和田くんに声をかけ
半ば強引に協力を取り付けました。一緒にPJを進めてほしいと頼み、準備段階の各種MTG・ヒアリングは全て一緒に行い、運営体制が整ってからも一緒にPJを回してくれていました。どれだけ協力者が多くても、同じ目線で話してくれる相手がいないととても回せていなかったな…と思っています。 - 彼とは他のどのメンバーよりも認識共有を重要視し、絶対にずれないように気をつけながら進め、常に意見をもらっていました。(この記事書くときも手伝ってもらっています。)
ここまで書いたいかなる工夫をしたとしても、一人だけではできなかったと思います。 本PJも忙しい中9ヶ月近く、ありがとうな大和田。
大変だったこと?
ぜんぶ😇
- 元も子もないですが、全てが初めての挑戦だったため何もかも大変でした…
会の目的・コンセプトの先鋭化
- 初期に出た案で本当に課題解決につながるのか?このコンセプトでスコープにしている人たちに刺さるのか?これって目的じゃなくてただの手段じゃね?……など考えることは山積みで、適当に開いて適当に人呼べばいいってもんじゃないんだと言うことを思い知らされました。
- 自分の上長のマネージャーさんがずっと壁打ちに付き合ってくださり、課題、目的、スコープをマインドマップにして整理しました。遅い時間までありがとうございました🙇♂️。
- 様々な所属、立場の人の意見をよりあわせ、本当にしたいことはなんなのか磨いていく作業はとんでもなく骨が折れましたが振り返ると楽しい時間でもありました。
- 当初勉強会だったものがLT会となり、回数、目的なども調整されました。
多忙な協力メンバーの日程合わせ
- みなさま言うまでもなくお忙しかったため、序盤のすり合わせなどは予定を取る事自体がかなり困難でした。ひとりふたりまではなんとか隙間も見つかりますが、三人になった途端カレンダーの隙間が見つからなくなります。このような会の準備をする際は、大枠固まり次第定例MTGを用意した方が良いです。
登壇者とのすり合わせ・内容調整
- 各部の運営メンバーに選んでいただいた登壇者候補者さんにお声がけしご快諾いただいた後, 登壇資料の作成フォローアップに移りました。 会の目的に沿ったものになり、かつ登壇者さんが本当に話したいと思っていらっしゃる内容になるような調整を行いました。各回参加者からくるアンケートFBも参考にしつつ、登壇者さんの負担が増えすぎないようにしながら会の質を担保できるような調整が必要でした。
- 工数負担が少ないもので結構です、とお願いしてもみなさまハイクオリティのものを作ってくださるため、いかに手を抜いていただくかお願いするのが大変だったなと思っています笑
UXD、企画統括はそれぞれの先輩にフォローアップをお願いしており、かなりご負担が大きくなっていたかと思います。登壇者、運営メンバー双方に尽力いただいたおかげで非常に満足度の高い会が提供できていたと思います。ありがとうございました。
会が想定よりオオゴトになっていったこと
- 当初は部内勉強会開催くらいの感覚で取り組み始めました。「まあ他部署の人に声かけするのは大変だけど、気合いで行けるでしょ!」と軽い気持ちでした。
- しかし、マネージャーレベルの方を巻き込んだりしていくうちに、「これはかなり大事になってきたのでは」とことの重大さに気付き始めました。
業務としての扱いをどうするか
- 先ほど登場したUXリサーチャーさんにお話を伺った際、「ところでこれは業務時間内なのでしょうか?」と言われ、それまでどうするか全く考えていないことに気付きました😨。
- これまでの部内勉強会はなんとなく業務時間として計上されていたため、今回もそうだろう と深く考えずにいたのです。
- 早速GMに確認したところ「(エンジニア)部内だったら僕がオッケーすれば簡単だけど、今回は統括跨ぐからちゃんと承認えないとダメだね」と言われてしまいました。
- 結果として部内での運営会議でOKをもらったあと、統括を束ねる職能長会議でもOKをもらわなければいけない、という結論となり、いよいよ自分達のやろうとしている事の大きさに気付き始めました…
- 上述した会の目的・コンセプトの先鋭化完了後、22年4月に承認をいただき工数把握のためにPJコードが発行されました個人的にはこの意味は大きく、勉強会の運営をするつもりがPO(プロジェクトオーナー)になってしまっていました。
(POを名乗れたのがちょっと嬉しかったです)
最後に
- 自分の甘い想像を遥かに超えた規模の挑戦となってしまいましたが、協力いただいた皆様のおかげでなんとか会を開催できました。初めに書いたとおり、つよつよな先輩方にご協力頂けたこと、新卒の挑戦であっても誰も馬鹿にせず本気で応援してくださる組織だったからこそこうして偉そうな記事も書けていると思っています。運営に協力いただいた先輩方、温かく見守ってくれながら運営を応援してくださったみなさまにはここに書ききれないほどの感謝をしています。このような環境で組織改善に関わるPJをできたこと、本当に恵まれていたと感謝しております。ありがとうございました。
竪山 裕文 Hirofumi Tateyama
エンジニアリング統括部 サービス開発部 第1グループ エンジニア
2021年4月に新卒でパーソルキャリアへ入社。フロントエンドエンジニアとして転職者定着支援サービス、社内向けサービスの開発に従事。現在は退職。
※2022年7月現在の情報です。