かんちがいしていた「傾聴」の話 #techtekt Advent Calendar 2021

こんにちは、UI/UXデザイナーの前川です。

この記事はtechtekt アドベントカレンダー2021 3日目の記事です🎄✨
2日目の昨日は@_k725さんによる「業務する環境をセキュアにした話 その4」 でした。
3日目の今日は、私が最近学習した「傾聴」についてお話ししたいと思います。

傾聴に必要なものは8割がマインドセットとのこと。
そのため、この記事はどのような気持ちで傾聴すべきかということを中心に書いています。
どんな職業/立場でも知っておいて損がない内容だと思うので、ぜひ見てもらえると嬉しいです!

こんな人に見てほしい

  • 「傾聴」に興味がある人
  • 他人と話すと疲れてしまう人
  • チームや組織をよくしたい人

私のかんちがいポイント

同じようなことを考えている人もいらっしゃるかもしれないので、あえて初めに私の話をします。

傾聴について勉強する前、私はこんなことを思っていました。
「傾聴ができる人って、悩みを聞くのが上手いんだろうなあ」
「最近チームでシャッフル1on1とか始めたし、私もうまく相手の話を聞けるようになりたいなあ」

つまり私は、"相手の悩みを上手く聞き出して解決できるようになりたかった"んです。
そのための手段として「傾聴」があるのだと思い、調べ始めました。

先に結果だけお伝えしておくと、「傾聴」を勉強することで得られたこと・参考になったことはたくさんありました。
しかし、傾聴をマスターすれば "相手の悩みを上手く聞き出して解決できるようになる"かというと、そうではないことがわかりました。

じゃあ「傾聴」って結局何なの?ということについて、以下で話していきます。

傾聴とは

「傾聴」という言葉には、聞くではなく聴くという漢字が使われています。
英語ではActive ListeningI'm all earsと呼ばれるそうです。

つまり傾聴は、意図的に聴き役になる ことを指します。
普段の会話では話す人・聴く人の役割がコロコロ入れ替わりますが、傾聴はこの役割が明確に区別されます。

傾聴の目的

傾聴の目的は、相手にとって良い結果を導き出すことです。
相手にとって良い結果とは、「相手がやる気になる等、心理的にポジティブになれている状態」や「相手自身が納得できる結論に至った状態」などを指しています。

そのためには、まず信頼関係を築く必要があります。
信頼関係がないと、心を開いて話したり、安心して話したりすることはできません。
UXリサーチでも重要な、いわゆる「ラポール形成」です。
相手が話しやすい環境を作るには、傾聴の考え方を理解し態度に表す必要があります。

傾聴の考え方1:主役は相手

傾聴の主役は「相手(話す人)」です。
相手のために、すべての会話・質問を行う必要があります。

そのため、「こちらが何かしてあげなくちゃ!」「こちらが良い結果に導いてあげなきゃ」という考えは、傾聴において不要です。
傾聴する際の主語はいつでも「相手(話す人)」であるべきであり、聴く側である自分の意見は一切要らないのです。
また"自分が何かを与えよう"という考え方でいると、相手の話を聞いている間、自分の脳内が「(自分が)次はどう返事しよう?」「(自分が)何を言おう?」と、主語が自分でいっぱいになってしまいます。
そうすると、相手の話す内容を100%聞くことはできません。

すべてをプロセスに委ね「相手にとってなにかしら良い影響があるといいな」と願う心で、相手の話を聴くべきです。

傾聴の考え方2:受容と共感

傾聴の特徴的な考え方として「受容」と「共感」というキーワードが挙げられます。
「受容と共感ね。ふーん・・・」と思われるかも知れませんが、これらを理解することは本当に重要です。

受容する、とは?

受容するとは、その言葉の通り「相手を受け入れること」です。
もっといえば、「相手を受け入れている状態を相手に伝えること」だと思います。
「私はあなたの話を聞きたいと思っているよ」・「あなたの意見を受け入れるよ」と言動で示すことで、相手が話しやすくなります。

ちなみにですが、相手の話を受け入れる=認めるということです。受け止めるとは違います。
逆に言えば、受け止めなくていいのです。「相手はそうなんだ」と受け入れて認めてあげてください。
(会話に疲れてしまう人は相手のことを受け止めようとしすぎるケースも多いのだとか。)

共感する、とは?

共感するとは、「興味深く肯定すること」です。
「私もそうなの!同じだね!」「その気持ち、私もとってもよくわかる」というような"同感"とは違います。
もちろん、同感できるときはしても問題ありませんが、傾聴においては必ずしも同感が必要ではないということです。

先に述べましたが、相手と自分の考え方が異なっていても「あなたにとっては、そうなんだ!」「なるほど!」と受け入れる姿勢が重要になってきます。

話しやすい場を作るために

以上のことを踏まえて、傾聴を行う際には以下の行動をとると良いでしょう。

  1. 話を聞く前に、自分の気持ちを確認する
    • 何のために傾聴するんだっけ?
    • 相手をどういう風に捉えている?先入観を持っていないか?
    • 相手を認めるマインドを持てているか?
  2. 自分の意見は言わない
    • 相手の意見をジャッジしない(否定しない)
    • 相手の意見を要約しない(つまりこういうことでしょ?等と安易にまとめない)
    • 自分の意見とは違っていても「相手はそうなんだ!」と受け入れる
  3. うなずき・あいづち等で、相手を受け入れていることを表現をする
  4. 無理に間を埋めようとしない
  5. 聞いた内容を口外しない

まとめ

傾聴について、私は以下のことを学びました。

  • 傾聴は、とにかく相手のためにある
    • 相手にとって良い結果を導くためのもの
    • 自分の意見は不要
  • 傾聴で大事なのは「受容」と「共感」
    • 相手を受け入れる姿勢と、受け入れている状態を表現することが大事
    • 同感は必要ない
  • 傾聴する際は「何かしら相手にとって良い影響があるといいな」の心で
  • とにかく話を聞いてほしい人、自分の考えをまとめたい人向けに傾聴してあげると良さそう

今回学習してみた結果、相手が何かの解決を明確に望んでいる場合、傾聴は向かないと思いました。
しかし「受容」と「共感」の考え方自体は、相手の話を聴く場面であれば(傾聴以外でも)使えそうだと感じています。
まだまだ勉強中の身ではありますが、少しずつでも実践に落とし込んでいけるようにしていきたいです。


ここまでみて下さった皆様、ありがとうございました!
techtekt アドベントカレンダー2021 4日目となる明日は、相川さんによる「パーソルキャリアのリモートワーク」です。
新卒入社の彼から見えるリモートワークがどんな景色なのか、知るのが非常に楽しみです。
(本人は「新卒なので多めに見てください!」と言っていました。笑)
明日もお楽しみに!✨

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前川 遥 Haruka Maekawa

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 デザイン第1グループ

前職ではサーバーサイドエンジニアとして電子書籍流通事業に従事しつつ、勉強会・テックブログなどの社内活動にも参加。 現在はUI/UXデザイナーとして事業開発に携わりながら、エンジニア経験を活かせる場面を模索中。 プライベートでは、ひたすら飼い猫にメロメロ。

※2021年12月現在の情報です。