こんにちは。2023年3月にJOINし、テクノロジー本部 エンジニアリング統括部 MIRAIZ開発 MIRAIZ開発Gでプロジェクトマネジャーを担当しています濱中です。
パーソルキャリアは2022年9月より、当社初の海外開発拠点となる「PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM COMPANY LIMITED(パーソルキャリア テックスタジオ ベトナム)」の営業を開始しました。
設立から約1年。オフショア内製開発体制の実現に向けパーソルキャリア テックスタジオ ベトナムとパーソルキャリアが一体となり体制構築。立ち上げフェーズの課題解決に取り組くんだ結果、プロジェクトでパーソルキャリア テックスタジオ ベトナムメンバーが活躍する領域は予想以上のペースで拡大しています。
今回の記事は弊社に興味を持っていただいた方へ、少しでも我々を知っていただく「きっかけ」になればと思い、2023年12月にMIRAIZプロジェクトからは事業責任者含む2名とエンジニア2名、HiProプロジェクトからはエンジニア2名。合計6名でパーソルキャリア テックスタジオ ベトナムを視察した目的や振り返りを紹介します。
ベトナム視察の目的と概要
今回の視察に対し私の目標は大きく分けて次の3つです。実際にはたくさんのディスカッションを行っていますが、熱すぎる内容なので別の機会に紹介させてください。
- 相互理解を高める
- プロジェクトマネジャーの仕事を知ってもらう
- ワークショップ(PM領域のナレッジ共有)
パーソルキャリア テックスタジオ ベトナムはこの1年、8つ以上のプロジェクトで開発に関わるなど順調に活用領域を拡大していますが、立ち上げから成長フェーズに移行する中で、まだまだ解決するべき課題もございます。
その課題解決の第一歩として進めるべきは相互理解を高めること。単純な開発リソースではなく、内製開発チームとしてプロダクト強化や事業のデジタル化をパーソルキャリア テックスタジオ ベトナムとパーソルキャリアが一体となり推進するという目的を達成するために、まずは深いレベルでの相互理解が重要であると考えます。これは私が専門とするプロジェクトマネジメントの領域におけるチームビルディングと全く変わりありません。
相互理解を高めカルチャーを醸造する
国を跨いだ開発チームの立ち上げは、言語や用語の問題だけでなく、労働習慣・制約を十分に理解しあらゆる領域に「不」が内在している前提で計画を立てる必要があります。
成長フェーズでは活用領域が拡大する中で要員リソース不足や要員フィットギャップ問題、コミュニケーション齟齬、及びそれらのマネジメントコスト増などの問題が発生するリスクが高くなります。
これら成長フェーズの課題解決は既存の仕組みやプロセスにとらわれない相互に歩み寄りの姿勢が大切です。これはベトナム側で解決すべき、これは日本側・プロジェクト側で…等のべき論では会社や組織の隙間が空いてしまい失敗します。そうではなく、互いの領域に染み出しつつパーソルキャリア テックスタジオ ベトナムとパーソルキャリアの領域を重ね合わせることで内製開発チームとして真の一体化が達成できるのではないでしょうか。
パフォーマンスが高まる高信頼のカルチャーを醸成するには何をすべきか。チームメンバーがクリエイティブに躍動するにはどのようなビジョンが必要か。どんな人がどのような想いで、何故ここで働いているのか。
視察を通じて現地社長をはじめ皆さんとの対話や、MIRAIZ事業責任者によるプロダクトのビジョンとロードマップの説明、質疑応答。各種グループワークでのエンジニアの学びに対する貪欲な姿勢から、これまで以上に理解を深める事ができました。
3泊4日という短い期間ではありましたが、お互いを知るという目標に対しては今後はより深く背景を考慮した上で課題の解決策が提示できる。解決速度の向上が期待できるという意味で大きな成果があったと感じます。
プロジェクトマネジャーの仕事を知ってもらう
今回の視察では、参加したチームやメンバー単位に発表やディスカッション、ワークショップの場を持ちました。私からはプロジェクトマネジャーとして取り組んでいる業務を、テクニカルな部分だけでなく、目的や何故それを行う必要があるかに落とし込んで説明しました。概要は次の通りです。
発表概要
- プロジェクトマネジメント概論
- PMI/PMBOK10の知識エリア、CMMI(能力成熟度モデル統合)をベースとしたプロジェクト診断と定量評価手法
- 開発プロセス標準と成果物定義、テーラリングの重要性
- 非機能要件定義の重要性とプロダクトのグロースフェーズに応じたベストプラクティス
- オフショア開発を進める上での注意点、真因分析
「日本企業がオフショア先を視察する」言葉だけ切り取ると何かをチェックするような場をイメージされる方もいらっしゃるかも知れませんが、我々の関係性はあくまでも対等。日本側はこのようなことをやっていますという紹介と、ナレッジの共有をさせていただきました。
組織としては、将来的にブリッジエンジニア(※略称BSE)が企画カウンターパートとして要求定義、要件定義等の上流工程を担うことができる。プロジェクトマネジメントのスキルセットを持ち開発プロジェクトをQCDの観点で達成することができる状態を目指す、といった高い目標も掲げています。
詳細は割愛しますが、BSEだけでなく、フロントエンジニアやバックエンドエンジニアから要件定義やスコープ管理等の積極的な質問があり、ベトナム側のモチベーションの高さを実感しました。
設立から約1年。正直なところまだまだ課題は少なくありませんが、事業含め上流から目的を共有することで、エンジニアの自分ゴト化や成長マインドの醸成を促し、事業の成長に繋げる。パーソルキャリア テックスタジオ ベトナムとパーソルキャリアの深いレベルでの一体化は必ず実現できると思っています。
パーソルキャリア テックスタジオ ベトナムに興味を持っていただいた方に対しては、日本側の想いを知っていただく。立ち上げ・成長フェーズの組織開発に主体的・能動的に取り組み、楽しめる環境があるということを共有できれば幸いです。
ワークショップ
次に、ワークショップの概要を紹介させてください。
オフショア開発の推進を目的に、パーソルキャリア テックスタジオ ベトナム、パーソルキャリア双方で育成プログラムを準備しています。日本語やコミュニケーションはパーソルキャリア テックスタジオ ベトナムで、テクニカルな領域はパーソルキャリア テックスタジオ ベトナムだけでなくパーソルキャリア側からもナレッジ共有やトレーニング機会を増やしていきたいと考えています。
今回の視察では、私からは専門であるプロジェクトマネジメントの領域でワークショップを開催しました。5時間のタイムテーブルの中でPMI/PMBOK、CMMI等の知識・スキルセットをベースにしたプロジェクトマネジメントのノウハウをお伝えしたく。
現場で実践できる効果的なプロジェクト憲章の作り方や、パーソルキャリア テックスタジオ ベトナムのマネジャーを企画SOに見立て、質疑応答で要件定義に取り組む等、ハンズオンで体験していただきました。
限られた時間でしたのでBSE目線では物足りない部分もあったと思いますが、今後も継続的にトレーニングや育成に取り組み、将来的にはパーソルキャリア テックスタジオ ベトナム側から勉強会を開催いただく等、今後にも期待しています。
視察をKPTで振り返る
プロジェクトマネジャーらしく?視察の振り返りをKPTで紹介します。
Keep
- ベトナム視察自体の継続。視察の紹介記事で視察が良かったというのもアレですが、3つの観点で良かったです。
1つ目はパーソルキャリア テックスタジオ ベトナム・パーソルキャリア一体化の推進目的に対し実りが大きかった事。
2つ目はプロジェクト内での関係性強化。
3つ目は他プロジェクトとの交流。
海外へ3泊4日での視察、普通に過ごしても関係性は高まりますし目的意識を持って取り組めば、さらなる効果性アップも期待できます。社内向けのアナウンスで恐縮ですが、今後視察に行かれる方はパーソルキャリア テックスタジオ ベトナムやBTCの関係性強化の観点も楽しんでください。 - パーソルキャリア テックスタジオ ベトナムを含めた勉強会やワークショップの継続。これまでプロジェクトマネジメントの領域ではBSEを含めた分科会に参加いただき共に学ぶ場を設けていましたが、今回の視察でBSE以外のエンジニアの学習意欲、モチベーションの高さをあらためて実感し、拡充したいと考えました。一方で今回オフライン開催できたので、勉強会の進め方に関する課題も発見できたので改善も進めます。
Problem
- 私、実は今回の視察が海外初めてで英語も全く喋れません(逆に喋れなくてもオフショア推進に関わることができるとポジティブと見てください)現地スタッフやBSEが日本語堪能なため特に困ることは無いですが、将来的にもう少し自分のリソースに余裕が出たら英語の勉強に取り組みたいと思います。
Try
- パーソルキャリア テックスタジオ ベトナム BSE採用、プロジェクトマネージャによるスキルアセスメント支援。採用コスト、採用後のフィットギャップはどの組織も共通的に抱える課題ですが、立ち上げから拡大フェーズに移行したパーソルキャリア テックスタジオ ベトナムの負担軽減を目的にプロジェクト側からも協力できればと思います。
- スクラムチームにおける日本のリードとBSEの役割責任マトリクスの作成。スクラムイベントでやるべきタスクに対して、誰が何をどこまで対応する必要があるか、マトリクスで整理することでBSEがより働きやすくなり。また、モチベーションアップにも繋げたい。さらに、他のプロジェクトにも横展開可能なフォーマットとすることで、生産性向上にも寄与すると考えています。とはいえ課題もあると思いますので、まずはやってみる。やりながら改善していきます。
- パーソルキャリアエンジニアのプロジェクト見学、交流の促進。パーソルキャリア テックスタジオ ベトナムや日本側においてもプロジェクトを跨いだ交流を促すことでお互いの刺激やパフォーマンスアップに繋げられたらと考えます。これは帰国後、翌日から進めています。
※KPT:振り返りのフレームワークの一つ。仕事やプロジェクトなどを対象にKeep(成果が出ていて継続すること)、Problem(解決すべき課題)を洗い出し分析した上で、具体的な改善策としてのTry(次に取り組むこと)を検討します
さいごに
最後まで読んでいただきありがとうございました。パーソルグループは「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに掲げています。困難な課題解決に取り組む過程も、パーソルなら働きながら楽しめる環境があります。
ミッションを徹底して自分ゴト化し、成長マインドを持ちやりきる。外向き志向で周りを巻き込みつつ推進していく。今後も事業成長を目的としたオフショア開発を推進していけたらと思います。我々と一緒に働きたいと感じていただいた方へ、お待ちしています。
濱中 良行 Yoshiyuki Hamanaka
エンジニアリング統括部 MIRAIZ開発部 MIRAIZ開発グループ リードエンジニア
2023年3月パーソルキャリア入社。「MIRAIZ」のプロジェクトマネジメントを担当。
※2024年1月現在の情報です。