「現場力」を高め事業課題の解決を――データ分析講座プロジェクト

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パーソルキャリアでは、以前から自然発生的にスキルシェアを行う文化がありますが、中でもここ最近特に参加者も多く、社内の注目を集めるのが、「データ分析講座」という自主企画。デジタルテクノロジー統括部の主力メンバーが、営業企画や事業推進部門のメンバーに対して、データ活用や分析手法のスキル向上を意識した取り組みを行っています。どうして彼らはこの企画を自発的に始め、何を目指しているのか。主要メンバーの矢野、前田に話を訊きました。

※矢野、前田は退職していますが、本人の同意を得て掲載を継続しています。

 

目指しているのはデータで物事を捉える文化の醸成

――まずは、今回の「データ分析講座」の概略について教えてください。

矢野:その前に最初にお伝えしておくと、今回私たちはデータ分析の「講座」を行っていますが、「講座」そのものが目的ではないんです。あくまで現場のデータ活用やデータに基づいた意思決定、もしくは分析をしてPDCAをまわす文化の醸成が最終的なゴールです。今回の取り組みは、そこに至るまでに必要となるデータ分析スキルを獲得すること、さらにその手前にあるSQLを書いたり、データベースから抽出したりといったハードスキルの獲得に向けた講座を実施しています。

 

――講座が目的ではなく、データ活用やデータに基づいた意思決定がゴールだったんですね。具体的にどんな講座なんですか?

矢野:そうなんです。具体的には、SQLやデータが入っている分析基盤の仕組みの理解からスタートをして、次の段階としてデータを分析することを教えているという状況です。データ分析はハードな部分とソフトな部分があり、SQLでデータを抽出することがハードな部分にあたりますが、抽出は分析ではないので、そこから何を問うかというのが大切です。

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デジタルテクノロジー統括部 データ&テクノロジー ビジネス部 ビジネスグループ リードストラテジスト 矢野 正途 

問いかけたうえで確かめに行くという行為が分析ですが、その部分を講座で教えるのは無理なのでOJTにて実施します。OJTを経て熟練していくと、自分で正しい問いを行い、仮説を立てたら自分でデータを取って確かめて分析をし、“では、次にどうすべきか?”という提案ができる、一連のサイクルを1人で回せることがゴールになりますね。

 

しかし、それを行うのに半年もかかってしまっては意味がないので、難易度にもよりますが、2週間で1人1サイクルを回し、1ヶ月で最低でも2件ほど自分ひとりでスピーディにサイクルが回せるようになれば、一旦は目標が達成されたということになります。対象はエージェント事業や転職メディア(求人広告)事業で営業の生産性や売り上げ効率を高めるための施策を考える営業企画の方々や、事業推進業務を担っている部門の人たちに対して講座を開いています。

 

――早いサイクルの中で、データの抽出から分析、問いまでを行えるような講座なんですね。そもそもそのゴールに向けて、なぜ講座が必要だと思われたんですか? 

矢野:社員との会話の中で、基礎的な数字が出てこないと感じたことがきっかけです。デジタルテクノロジー統括部のビジネス担当の役割は新規事業でも既存事業でも、データとテクノロジーで解決できるような新規のプロジェクトを企画していきます。ただそのデータを集める段階から、あまり具体的な数字が出てこなかったり、「それは○○に聞いてください」と手元で分からなくて他部署に振られるケースが増えてきて、実は“現場側でも数字を具体的に把握できていないのではないか”と思うようになりました。

事業側に話を訊いてみると、「調べ方が分からない」「調べるためにはBITAにデータ抽出を依頼しなければならない」と返ってくることが多かったんです、抽出結果を待つのに数日かかったり、いざデータが来ても抽出要件から間違っていると、そもそも解決に導くデータとは異なるものだったり…。差し戻しによって何週間か時間が経ってしまうケースもあります。そうなるとすでにビジネスの現場では次の施策が始まってしまいます。振り返りや検証がおざなりになってしまい、過去の取り組みが蓄積されないまま現場が走っているな、という印象を客観的に持っていて、今私たちがやっているようなことを担当している部署がなかったので、“それならば、自分たちでやろう”ということで始めました。

もちろん、会社のためでもありますが自チームの取り組みに対して、現場に一段理解を深めてもらう意味合いもあります。現場の文化醸成がなされていなければ、そもそもの土壌が無いので、我々が企画する機械学習などのプロジェクトが受け入れられません。ですから土壌整備をしておけば、中長期的に見ても、私たちのプロジェクトが現場で受け入れられやすくなるのではないかと思っています。

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――データ活用の必要性を通じて、土壌を作ると言うことですね。ただデータ活用って本当に広いと思うんですが・・・どこまでを目指しているんですか?

矢野:そうですね。データ活用には、大きく3つの世代に分かれると言います。第1世代は、情報の中央集権型で、今で言うところのIT部門にデータが一元化されている状態です。第2世代になると、それが一部可視化されて現場でも活用している、セルフサービスBIといわれているものです。そして第3世代は「データ分析の民主化」と言われていて、現場の全員がデータを活用しビジネスに組み込んでスケールさせることです。

この世代区分で考えると、今のパーソルキャリアは第1世代が中心で、部分的に第2世代まで進んでいると思いますが、第3世代を目指している中では、正直まだ発展途上だと思います。なので、データ活用の知見やビジネスへの組み込みが追い付いてないところに、AIや機械学習のプロジェクトを提案しても、そもそもの数字に対する意識やデータに関する目線があっていないことも課題の一つでした。

またデータに明るい私たちであれば、AIが万能ではないことも分かるので、「これくらいの精度」という話をしますが、現場は「精度が9割でなければ受け付けない」と考えます。要するにデータに関する感覚的なところがズレると、我々がデータ活用を通じて事業貢献したいことの細部が伝わらなくなってしまいます。なので、現場の土壌を作るために中長期的に活動を行うことを決めました。

 

――その土壌を作ることの根底には矢野さんのどんな考えがあるのでしょうか?

矢野:私の考え方として、いちばん成果が出るのはチームが動いた時だと思っています。例えば100人の5割である50人が個人プレーに走り、協力をしないという動き方になってしまうと、100人で出せるはずの成果の何割かしか出せないという、残念な結果となってしまいます。しかし、100人のうち20人が個人プレーの人で、残る80人が基本的に巻き込まれるタイプで、忠実にプロセスをこなしたり、スピーディに物事を効率的に進めるという人員構成のほうが、100人で出す成果としては、5:5の割合のチームよりも高くなると思います。だからこそチームで力を上げることが重要だと思うんですよね。

この部署に入社する時に、この考えは受け入れられると感じていました。面接の時点で“中長期的にも結果が出ることであれば、あとは任せる”というスタイルだったので(笑)、それならば良さそうだと思いましたね。反対に、面接時に入社後の仕事などを細かく言われると、それが気になってしまいますね。余白が多いほうが面白いと感じるタイプですね。

 

データ活用やDXを“草の根”的に浸透させていく

――講座をやろうと決めた後、前田さんはどのタイミングで入られて、またなぜ入ろうと思われたんですか?

前田:はい。講座を進めることに決まった後に入りました。

私は矢野さんのことを野心家だと思っていて(笑)、その動きにずっと注目していました。なぜかというと、私のようなインフラエンジニアは道を作る人なので、その上を走ってもらう人が必要になります。私がやりたいことは、事業に役立つ仕組みを作ったり整備をすることなので、フロント側での課題や今後の方針に沿ったインフラを整えようとすると、フロント側のニーズが知りたかったんです。

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デジタルテクノロジー統括部 データ&テクノロジー ソリューション部 エンジニアリンググループ シニアエンジニア 前田 佳輝

そこで野心家の矢野さんがとても楽しそうに、事業部に入りこんで提案している話をきいたので、上を走ってもらおうと考えてたんです(笑) 

矢野:私たちはギブ&テイクの関係ですね。私はビジネス側の分析をする立場で、今のインフラが複雑で良くないことは重々承知していました。しかし私はインフラエンジニアではないので、道路を走り抜ける力はあっても、整備する力はありません。なので私たちの中で思惑が一致したのですね。

 

――いい関係性ですね(笑)受講するメンバーはどんな風に集めたんですか?

矢野:直接的なきっかけは、dodaプラス事業部内のDX企画のメンバーに対して育成依頼でした。私がやっている分析や基幹データを使った分析を、DX企画のマネージャーとシェアしているうちに、“現場のメンバーでもできるようになったほうがいい”という話になったのですね。そのときに、もしかしたら、他にもやりたい人がいるのではと気づいたので事業部側に発信してみると、思った以上にメンバーが集まって驚きました。

 

――集まったメンバーは、矢野さんから見てどれくらいのスキルの持ち主だったのでしょうか。

矢野:そうですね。大体、1割の人がSQLをなんとなく知っている人、触ったことがある人でしたが、それ以外は未経験でした。「SQLを教える」といって募ったわけではなく「データ分析・データ活用を一緒にやりませんか」といってメンバーを募って、その手法としてSQLを一部学ぶ必要があるという感じでしたね。

 

――前田さんはエンジニアとしてこのプロジェクトに参画されたと聞いています。前田さんから見たときに、パーソルキャリアのデータベースの活用度合いやデータベースを理解する難易度を教えてください。 

前田:データベースを理解する難易度は高いと思います。今のデータベースの状況を例えると、たくさんのおもちゃが入っている箱が様々なところにあり、例えば「動物のぬいぐるみ」と書かれている箱の中にロボットが入っていたりして、どこに何があるか分からない状態ですね。

ビジネスでシステムを使ったり、仕事をすることでデータは生まれていくと思いますが、そのデータがどのようにしてシステムを通してデータベースに入っていくかということが、把握できない構造になっているということですね。

これは非常に大きな問題で、「候補者」と言ったら候補者という言葉のイメージのままデータベースに落ちてこなければ、ビジネスで必要になったときに探せません。なので必然的にSQLの難易度も高くなり、あちらこちらから必要なものを探してくっつけていくので、芸術的なSQLが出来てしまいます。まずはビジネスを理解できる箱にして、しかるべき中身を入れるという作業をする必要があります。

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この作業には協業が必要で、ビジネスモデリングをしなければなりません。今ある構造を綺麗にするといっても、それはシステム都合なので、やることはだいたい性能アップ程度のことです。情報活用というところまでいけば、ビジネスとしてはどのように物事を考えているのかということを落とし込まなければならないので、両面から攻めていきます。上から攻めていくために、先ほども申し上げたように私はフロントとの繋がりを必要としているのです。

 

矢野:実は、元はと言えば前田さんにも分析をやってもらう予定でした。最初は少人数で、自分たちで分析を行って現場に提供してあげて、“こんなことも出来る”と思ってもらえれば、自分たちでもやろう、動いてくれるだろう、という考えのもとでスタートしたのですね。手を挙げてくれる人が想定以上に多かったので、前田さんは分析をせずに、本当にやりたかったインフラに専念してもらっています。

 

前田:データエンジニアと企画側の両方の面という意識付けをするためにも、今回の講座はとても良い機会で、必須だとも感じています。バズワードとしてAIやDXという言葉が踊っていますが、この手段をとる限りは、ビジネスの理解を持ってデータを拾えなければいけません。エンジニアの人と話をすると、どうしても手段が前面に出てきてしまいますが、特にSIer出身のエンジニアの人が多いと、そうなってしまいがちです。

私は事業会社が長くなってきたので、“何が価値を発揮するのか”という意識付けができるようになってきました。エンジニアはどうしても仕組みの話から入ってしまいますが、今後AIやDXが世の中にどのような価値を見出すのかとなると、それでは意味がないところに道を通してしまいます。なので執行役員には、ITとビジネスの二人三脚に、企画を入れた三人四脚をやっていきたいと伝えました。

 

――ITとビジネスと企画を融合させるという感覚ですね。

矢野:そうですね。いちばん意識をしているのは、DXがどのように成功するかということです。ベンチャーなどの小規模であれば、トップダウンで上が「DXだ」と言えばそれで動きます。しかし5000人規模のこの会社でDXを成功させるには、学問的な理論ではなく、現場の成功体験からどんどん波及していくと考えています。この規模になると、上からの距離が遠すぎるので、下に降りてくる間に解釈が薄まって、上の人は「DX」と言ってても、結局下の人たちの業務は変わりません。

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そういう大きな組織でDXをやるためには、現場の成功体験から波及していく、ある事業部の小さなチームから少しずつデータ活用やDXで成果を出していって、その成功体験がその事業部に広がり、そこから隣の事業部に広がっていくということが重要だと思っています。なので草の根で広げていき、現場で成果を出すことが大切ですし、一見すると時間がかかりそうですが、一番効果がありそうなものにトライしています。

 

――講座メンバーは、実際にビジネスに寄与している段階まできていますか。

矢野:少しずつですが、寄与し始めていると思います。例えばスカウトメール。これまでは「どのようなスカウトメールが求職者に対して効果的か」という事をあまり科学されておらず、主観で判断されていることが多かったのですが、これでは再現性がありません。

今回の講座を通じて、実際にスカウトをしているメンバーに、スカウトをいつ誰に打って、誰が反応したのかというデータベースの情報を見せると、それならば、どのような人が誰にスカウトを打っていて、誰が反応したのかを集計したい、という答えが返ってくるところまで来ました。これはメンバーの中で「正しい問い」までを考えられるようになった、ということですね。

データ分析を活用すれば、自分たちの成果が上がるかもしれない、というイメージングができている人とできていない人がいます。先はまだまだ長いですが、少しずつビジネス貢献できる人を増やしていきたいですね。

 

組織で動くことが社会に対して最大価値を生む

――コツコツと、草の根活動をしている中でも見えている世界観みたいなものはありますか。

前田:矢野さんが前を走り、私が守備をするというのを、小さなユニットで「組織を動かす役割」としてのポジショニングがあると思います。それが階層に連なっていき、草の根と会社の目標がどこかで合わなければなりません。草の根活動では、現場にきっかけを提供し、現場の動きが会社としての「世の中に価値を発揮していきたい」という大きな流れの一部になるように、出会わなければいけない、ということですね。出会えればより横に動いていき、いずれは縦に伸びていき、役割としての横と、組織の階層としての縦ができていくのではないでしょうか。

 

矢野:データ分析をして価値発揮をしていくと、マネジャーや他のメンバーも「なんで出来るの?どうやるの?」と感じ始めます。最初は直接的な発信から得る賛同者ですが、賛同者がネットワーク的に増えていけば、それこそがボトムアップで目指しているDXに近づける状態です。それが1件でも2件でも起これば勝ちだと思っています。それが目標ですね。

まさに文化が作られるということですかね。誰か1人から発信されて「あの人が出来るなら私もやりたい」といった流れが出来ると、どんどんその人に仕事が集まってくると思います。仕事が集まると1人では対応が出来ないから、他の人にも同じことが出来るようになってもらいます。それが文化の醸成です。

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 ――波及させていくことで大きな価値貢献につなげるということですね。

前田:はい。あとは組織力ですね。ある人が抜けて新しい人が入ってきたときに、より良いことができるような組織でなければならないと考えていて、ある人が抜けたことで機能が失われたり、ナレッジが失われてしまったりするのは非常にもったいないです。ポテンシャルがあるのに空転している状態ですね。しかし文化が醸成されていれば、ある人が抜けて新しい人が入ってきても、その続きができます。

 

矢野:また、壁に当たるとは思いますよ。データ分析はやり始めると絶対に限界が来ます。分析する数ではなくて処理をする量の限界です。となるとAIの出番です。そこで初めて手動で処理をするにはハードルが高いので、それならばDT部に依頼をすればAIや機械学習で解決してくれるかもとなり、こちらに仕事がはいってきます。今は土壌がないので「AIを使えば良いのでは」という考え方が生まれません。

 

――お二人がやろうとしていることが文化として定着したら、データの取り方の意識も変わり、データベースも充実していく可能性がありますかね。

前田:そうなる可能性はあると思います。

矢野:そうですね。分析したいから取得するという意図と、サービスを成立させるために必要なデータという2つのルートがあります。新しいことを考えるときは分析ありきで、データの充実度によって、より高品質なサービスが提供できます。一方で取得している限られたデータをもとに高品質なサービスを提供しようと思っても限界があると思っています。そういった意味でも、文化を作ることで、最終的にはデータのレベルや充実度が上がり、サービスの質も改善される可能性がありますね。

 

――DTにいて新規サービスができる環境にもありますが、敢えて草の根活動をするマインドはどこから来ているのでしょうか

矢野:自分たちがやりたいことが出来るからですね。今はデータの制限などがあり、やりたくても出来ないことがたくさんあります。膨大なデータベースに大量の情報が入っているのに、実際には少ししか使われていません。AIはデータが無ければ回せないので、私たちにはデータしか武器がないのですよね。

しかし土壌が整っていないので、たくさん情報があるなかで使えるのが一部分となったときに、私たちの戦闘力は限られてしまい、それを超えられることはありません。しかし土壌ができてくると、細かいデータや質のよいデータが揃ってくるので私たちの武器が増える。そうするとメンバーが増えたときにその武器を分配して、みんなで戦うことができます。

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前田:私の感覚だと、データベースはビジネスやシステム、インフラなど、いろいろな所と繋がっているので、様々な知見を持った人と協業してやりたいというときに都合がいいのですよ。この組織は大人しい人が多いので、なかなか正式なアサインとしてはそのような仕事のタスクが起きません。なので裏ミッションとして、道を知っていそうな人がいると矢野さんに伝えていますね(笑)

 

――武器を増やした先には何が待っているのでしょうか。

矢野:野心家と言われるかもしれませんが(笑)DTがパーソルキャリアの中心で事業貢献していきたいと考えてるんです。コアな部分である木の幹は、データ活用やテクノロジー活用をしている我々であると言いたいです。

周りを巻き込んで、パーソルキャリアで我々がデータやテクノロジー活用を通じて、ビジネスを強化をしていく、例えるなら心臓のポンプのように血液を送るような役割にしたいですね。最初の話に戻りますが、いちばん成果が出るのは5000人が力を発揮したときです。なので個人で外れて走っていても、絶対に組織には敵いません。大企業なので、組織をうまく動かして成果を出すことにコミットしたいです。

 

前田:私は大学院生のときに、教授から「理学部と工学部の違い」を問われたことがあります。工学は製品にしなければならなくて、理学はアカデミックです。教授は有名な方で、壊れないプリンタートナーの素材を作りましたが、アメリカのIBMの人から「壊れなければビジネスにならない」と言われたそうです。結局のところ壊れるというところにビジネスをする意味があることから、我々は世の中に価値を出していかなければならないので、壁打ちだけをやればいい組織ではないはずです。

我々はHRの領域で価値を問わなければならないので、そこに繋がらないものは自己満足になってしまいます。そこは自己反省で、常に「これはどのビジネスに繋がるのか」ということをエンジニアも考えなければなりませんね。

 

矢野:局、ミッションは社会に紐づいていますよね。それを解決したり、社会に対していちばん利益を出すためにも、自分たちの領域だけをやればいいということではありません。組織で動くことで、社会に対して最大価値を生むことが、ミッション・ビジョンの実現に近づけると思います。

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――データやテクノロジーの活用がミッション実現につながり、社会貢献につながるわけですね。ステキなお話をありがとうございました!

(取材・文=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/撮影=古宮こうき)

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矢野 正途 Masato Yano

デジタルテクノロジー統括部 データ&テクノロジー ビジネス部 ビジネスグループ リードストラテジスト

ITストレージのエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、アメリカ留学、経営コンサルファーム、事業会社を経て2019年8月にパーソルキャリア入社。経営コンサル時代はPOSデータ解析を通して主に大手ファストフードチェーン(日本・韓国市場)のマーケティング・価格戦略を支援。前職では英語&STEM(理系)教育の新規事業を推進。現在は今までに培ったIT知識とデータ分析スキル、業務推進力を武器に部署横断で既存事業グロースと新規ビジネス推進を担当。
現在は退職。

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前田 佳輝 Yoshiteru Maeda

デジタルテクノロジー統括部 データ&テクノロジー ソリューション部 エンジニアリンググループ シニアエンジニア

1999年に鉄鋼系会社のIT部門に入社。アプリSEとしてキャリアをスタートした後、データベースエンジニアに転向。その後、製造業、IT、金融、HRと、様々な業界でデータベースエンジニアとして勤務。2019年10月にパーソルキャリアへ入社し、基幹システムARCSデータベースの性能改善やデータ基盤の在り方から見直しを図っている。
現在は退職。

※2020年9月現在の情報です。