職安法改正にクイックな対応を――求人票システム改修プロジェクト

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こんにちは。エージェント プロセス&システムデザイン部(通称PSD部)の志田です。

私たちの部署では、主に人材紹介事業であるエージェント事業本部のIT戦略・企画を担っています。今回はその施策の一つである、求人票制作におけるシステム改修について紹介します。

求人票作成におけるさらなるコンプライアンス推進を――

そもそも求人票を掲載するにあたり、厚生労働省が定める職業安定法(以下、職安法)に基づき、労働条件で必ず明示しないといけない項目(契約期間や就業場所、賃金などなど)があります。これは一度定められれば変わらないものではなく、都度対応しなければいけないものです。

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例えば今年4月に健康増進法の改正に伴い、「受動喫煙関する対策内容」についても求人票に明示の義務が発生するなど、法改正に伴い、求人票に必ず明示しなければならない内容も変わってきます。

近年はこういった法規制の強化もあり、求人票においての職安法違法には最大限の注意を払う必要が出てきていますし、パーソルキャリア全体として、さらなるコンプライアンス推進・情報の適正化を進めています。

 コトの発端は2019年4月に施行された高度プロフェッショナル制度の求人票対応のため、弊社の基幹システムARCSにいれなきゃいけない、というところでした。「ただ求人票を変える」だけではなく、こういった法改正にクイックに対応できるシステムにする必要があったんです。ですがあれやこれやと要件を検討しているうちに、求人票というよりも、求人作成プロセスを変更したいという声があがってきました。

現状は、弊社の法人営業が求人作成し→クライアント企業に確認→原稿審査→掲載、という流れですが、これでは手戻りが多く発生してしまいます。

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また原稿監査後の求人票修正は短期間での対応が求められ、対応が間に合わないことによる掲載漏れ・遅延、ひいては、マッチング機会、売上機会の損失につながってしまいます。 

多くの要望をいくつかのフェーズに分けて、適切に前へ 

そこで、今回の求人票システム改修については、基幹システムARCSに入力する求人項目・表示順・入力制御などを見直し、NG記載を発生させにくいフォーマットを目指し、以下のようなphaseで進めています。

  • ph1.0:法改正対応
  • ph2.1:コンプライアンス観点、原稿審査NG工数削減
  • ph2.2:入力制限の強化、候補者訴求も鑑みた求人票FMT改定
  • ph3.0:求人票流通時のステータス制御、求人票作成コスト抑制

ph1においては法改正対応のため事業継続で実施、ph2.1とph2.2についてはコンプライアンス観点も含まれるが、効果についてはこのPJTだけで達成できるものではないため、戦略案件として提出しました。また今回は各領域の有識者で体制を組み、迅速に対応が進められるようにしています。

Ph1については法改正対応に伴い、「受動喫煙対策表示」「高度プロフェッショナル制度表記」など早急に進めなければならないものから進めていきました。
この対応は、求人情報を入力する際に各制度について、チェックボックスやラジオボタン、バリデーションをかけるように機能開発を実施。開発はグループ会社であるパーソルプロセス&テクノロジーや常駐社員さんにお任せをし、私はPMとして要件の取りまとめ、スケジュールスコープ、予算周りなどを担当しました。
制度を深く理解したうえで、この条件に満たない場合に、求人登録ができないようにバリデーションをかけることや対象システムも多いため、影響範囲を鑑みながら進めることに苦労しましたが、今年7月リリースを完了しています。

ph1での対応タスク

制度を深く理解したうえで、この条件に満たない場合に、求人登録ができないようにバリデーションをかけることや対象システムも多いため、影響範囲を鑑みながら進めることに苦労しましたが、今年7月リリースを完了しています

システム部門としてできることを模索し続ける——

ph1においては無事に7月末にリリースすることができました。ph1で苦労したことはリリースの調整ですね。こちらのこの日にリリースしたい!という思いをくみ取っていただき、関係者の皆様には本当に感謝しております。ph2以降はまだ走り始めたばかりなので、ph1での経験を活かしつつしっかりと対応を進めていけたらと思います。

求人監査フローのゴールとしては、求人票の監査体制をしっかりと構築していくことにあります。監査体制を構築した上で、デジタル化できる箇所はデジタル化するなど、システム部門としてできることを模索し続けたいと思っています!

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志田 美唯子 Miyuko Shida

dodaエージェント事業部 事業推進統括部 エージェント プロセス&システムデザイン部 エージェントプロセスデザイングループ コンサルタント

※2020年9月現在の情報です。