この記事は techtekt アドベントカレンダー2023 の13日目の記事です🎁
はじめに
みなさん、はじめまして! エンジニアリング統括部 サービス共通基盤グループでインフラセキュリティの分野をエンジニアをしてます、戸田です🦙
いきなりですが皆さんは「税金で買った本」というマンガをご存知でしょうか?
概要を紹介しますと、とあるきっかけで図書館に通うようになったヤンキー主人公が図書館の仕事に興味を持ち、アルバイトを通じてさまざまな学びを得ていくお仕事マンガです。
作者の体験から来る図書館の裏事情が興味深く楽しくいつも拝見させてもらっていますが、とあるお話しの中で「これはエンジニアの情報発信に通ずるところがあるなぁ」と思わされるところがあったので、エピソードを交えて情報発信との向き合い方について語っていこうと思います。
エピソード紹介
図書館司書のお仕事の中には、レファレンスと呼ばれる利用者の問い合わせに応じたり図書の紹介をする業務があるそうです。
利用者に図書についていろいろと教えることがレファレンスの一環ではありますが、その対応が果たして「100%善意」なのか。教えたがりな利用客との対応からレファレンスで「教えたがり欲」が出ていたこと振り返り自戒する、、、そんなエピソードです。
「善意」と「教えたい欲」
人に何かを教えて感謝されることにやりがいを感じる人は少なくないのではないでしょうか。
エンジニアという職業は業界的にインプットとアウトプット求められることが多いかと思います。
そのアウトプットが誰かのためになると嬉しいですよね。
しかし、その振る舞いに「善意」はあるものの「教えたい欲」を含めてしまう人も多いのではないでしょうか。ええそうです、私もその1人です。
エピソードでも教えたがりの振る舞いを改めるシーンがありますが、「教えたい欲」を出してしまうことはよくないことなのでしょうか。次項で「教えたい欲」を出してしまった場合の影響について深掘りしていきます。
それは「誰」に向けた情報発信?
3つのケースに分けて情報発信で「教えたい欲」を出してしまった場合の影響を考えてみます。
①「1:不特定多数」のケース
受け手の属性とボリュームが不明なケースです。社外ブログやSNS での発信がこちらにあたるでしょう。
このケースでは受け手側に情報をキャッチアップするかの選択権があります。そのため不特定多数に「教えたい欲」を出したとて、受け手はその思いも含めて受け取りを選択できます。
送り手が「教えたい欲」を出しても受け手にその思いが伝わることは少なく、影響も軽微であると考えられるでしょう。
もちろん、ニーズを捉えていない「教えたい欲」は受け手に届かずネットの海に沈んでいくのですが。
②「1:特定可能な多数」のケース
受け手の属性とボリュームがある程度分かるケースです。社内ブログや部署内での発信がこちらにあたるでしょう。
私見ですが、このあたりから「教えたい欲」の出し方を気をつけた方が良いと思っています。
なぜなら「1:特定可能な多数」のケースと比較して送り手と受け手の顔が特定しやすく、送り手の影響力や環境によって情報を受けざるを得ない可能性があるからです。
受け手側のニーズに沿った情報発信ができればWinWin ですが、外れた場合は送り手側の「善意」と「教えたい欲」の押し付けになってしまいます。ありがた迷惑はさけたいですよね。
このようなケースにおいては受け手の「ニーズ」と送り手の「教えたい欲」のバランスをとった情報発信をより意識していく必要がありそうです。
③「1:特定可能な1」のケース
送り手と受け手が明らかであるケースです。1 on 1 やコーチングなどのやり取りがこちらにあたるでしょう。
このケースは非常にシビアで、送り手と受け手が1:1 の関係であるため受け手は情報を確実に受け取ることになります。そのため送り手の「教えたい欲」がもたらす影響が大きいと考えられます。
より受け手のニーズに寄り添った情報発信が求められるため、送り手の「教えたい欲」は心の内にグッと押し込んでおいた方が良いでしょう。
「教えたい欲」との向き合い方
3つのケースから「教えたい欲」がもたらす影響の大きさを比較してみました。
これらの結果より 「教えたい欲」は悪ではないが、情報発信の受け手に応じて出し方を調整する必要がある と考えています。
つまるところ受け手の「ニーズ」と送り手の「教えたい欲」のバランスが取れていればよいわけで、その結果「善意の情報発信」になるのではと信じています。
自身の情報発信にどの程度「教えたい欲」が含まれているか、また上手く使いこなせているか改めて向き合ってみるのはいかがでしょうか。
最後に
マンガ「税金で買った本」から情報発信について振り返ってみました。 私自身も「教えたい欲」が出すぎているので、バランスよく情報を発信していきたいですね。 それではまたどこかで。
戸田 尚希 Naoki Toda
エンジニアリング統括部 サービス共通基盤グループ所属 インフラ/クラウドエンジニア
現在CCoE の立ち上げに挑戦中。
※2023年12月現在の情報です。