サービス開発統括部のエンジニア文化とは?――GM佐合に訊いてみた

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学生起業、世界を旅しながらのリモートワークや海外企業での勤務、スタートアップやフードテック企業などで新規事業立ち上げ、そして業務委託からパーソルキャリアにジョイン。今年6月からサービス企画開発本部 サービス開発統括部 エンジニアリング部 ゼネラルマネジャーに着任した佐合にロングインタビューを敢行。多種多様なはたらきかたを経験してきた彼だからこそわかる、理想のエンジニア組織とは? そして、エンジニアの生き方とは? はたらく仲間を何よりも大切にする彼の、その人間性の原点に迫ります。

“はたらいて笑える人”が増えたら、社会がもっと良くなる

――パーソルキャリアに入社するまでの簡単な経歴を教えてください。

佐合:大学の時同じ学部の友人と起業。受託開発メインのベンチャーを7年間経営していました。学生をしながら経営のイロハを勉強して、技術、営業、経理など全て一通りやりましたね。同じくらいのタイミングでまた、リクルートの友人と教育系の会社を起業したりもしていましたね。ただ学生時代からずっと働きづめだったので、“海外を見てきたいな”と思いまして、いろんなタイミングが重なって事業を手放しました。ある程度の運用フェーズの開発なら、ネット環境とPCさえあればリモートで仕事をしながら旅ができるだろうと考えたのですね。もともとは世界一周をしようと思って日本を飛び出したのですが、アジアを回りきったあたりで飽きてしまい(笑)、日本に帰ることにしました。

 

――アントレブレナーですね!でも、失礼ながら、お話ししている限り、いかにも“The起業家”みたいなタイプには見えませんが(笑)。

佐合:昔はそんな野心を抱いていた時代もありました(笑)。あまりこだわりがないんですよ、良くも悪くも。働き方の切り口って、色々とあるじゃないですか。働く場所なのか、時間なのか、人なのか、やっている事業内容なのか…。自分の中では場所に関しては、できれば制限なく色々な場所で働きたいと思っていますね。

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そういった意味で、アジアを旅している時に、漠然と“アジアで働いてみたい”と思って、日本に戻った時に友人に、そんな話をしたんですよ。そうしたら、フィリピンでの開発の立ち上げをやっている事業部がある会社を紹介してくれて、1年半くらいフィリピンで働いていました。その次にジョインしたのが、今弊社のサービス開発統括部のエグゼクティブマネジャーである三口がCOOをしていた、シェアリングエコノミー系の民泊事業をしている会社でした。

 

――そうだったんですね! しかし、まあ、佐合さんの職場を選ばれる軸が面白いですね。かなりしなやかというか、本当にこだわりがない(笑)。

佐合:軸になっているのは、自分の興味と人ですね。ベストを選ぶというより、タイミングというものがあると思うので、その中で“やりたいな”と漠然と思っていたり、周囲に発信し続けていると、知人がつないでくれたりしました。いくつかの事象が重なった時はもう、素直に流れに身を任せた方が良いのかな、と。実は、運命志向が強いんですよね。

民泊事業をしている会社の後は、そのタイミングで興味と縁があった「IT×食」分野のスタートアップに転職。そこには社員エンジニアもいなかったので、純粋に手を動かしました。組織の状態を俯瞰した状況で見て、“今、組織にとって何が不足していて、自分がどう動くと一番効率がいいのか?”を考え、そこに自分のスキルをはめていくタイプなんですね。三口と一緒に働いていたときに、自分一人で達成することより、チームとして物事を達成していくことの面白さに気づきました。

 

――チームで仕事をすることの面白さって、佐合さんはどんなところにあると思われますか?

佐合:いくつかあると思います。まず、自分は昔から“自分の半径5メートル以内の人たちが笑っていること”に幸せを感じるタイプだったんので、チームのみんなが幸せに働けていたら、もうそれだけで自分は満足しちゃうんです。

そしてもうひとつ、これも三口と一緒に働いている時の出来事ですが、そこで初めてエンジニアリング部の部長になって、自分の役割は何か?と考えた時に、自分の性格や自分の能力を冷静に考えると、僕はメンバーをグイグイ引っ張っていくタイプではないという自覚があって。むしろみんなが働きやすい環境を整えたり、動きやすいように背中を押してあげるべきなんじゃないかと思ったのですね。チームの中での自分の役割が見つかってチームが機能し始めると、チームで仕事をすることがめちゃくちゃ楽しくなるんですよ。

その「IT×食」の会社で働いているときに、秋葉原に飲食店の無人化をオープンさせるっていうプロジェクトを手伝ってくれないか?とまたまた友人から声がかかってきたので、もう一度ベンチャーを立ち上げました。そのベンチャーでは中の無人化ソリューションのハードウェア、ソフトウェアとかを作って、実際の飲食店をオープンさせました。オープン初日はアクセスが集中してしまったとこもあり、バックヤードで寿司を巻く傍らで、サーバーの増強メンテナンスをしたりと、正反対の2足のわらじ的な感じで働いていましたね(笑)。

その後しばらく経ってからパーソルキャリアに業務委託で関わるようになりました。自分としては当時一緒に働いていたメンバーが一旦、バラバラになったけれど、また集まってきたという、そういう感覚がありましたね。昔やりきれなかったことを、今だったらできるかもしれないという気持ちが湧いてきました。正直言って、この会社の事業というよりも、あの当時、面白かったメンバーがまたここで新たに何かを始めようとしている。そこがきっかけとしては大きいですね。

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最初はそんなきっかけでしたが、もちろん、実際に経営陣と面接していく段階で、この会社のミッションに共感を覚えるようになっていきました。自分自身はこれまでずっとワークライフバランスを重要視して働いていたので3~40代になって、はたらくことが人生のクオリティに大きく影響すると思っていて、そこで“はたらいて笑おう”というメッセージが刺さったのですね。“はたらいて笑える人”が増えたら、社会がもっと良くなり、自分の周りの人も幸せになり、自分も幸せになるのではないかと、思いました。

大事にしたいのは、”相手を尊重し、意志を持って前に進めること”

――実際に入社を果たして数か月で、サービス開発統括部を任せられるわけですが、その経緯を教えていただけますか。

佐合:当初は、業務委託で入ったので、会社の組織やチームに本質的にかかわることはありませんでした。そこで、“正直立場が違うから、できないことがあるというのは少しもどかしいな”と思う事がありました。同時にそれを行うには僕自身がちゃんと組織の中に入っていないとフェアじゃない、外から好き放題いうのはおかしいという気持ちもありました。

僕が入社してから、どんどん組織内のエンジニアが増えてきました。エンジニアが急激に増えている段階で、ちゃんと色々と整えないととチームが崩壊するんじゃないかという危惧もあったし、昔の仲間たちが苦労して、困っている姿を見ていると、そこに僕の役割があるんじゃないかと、そう思えたのですね。そうなると外からではなく組織の中に入りこんで、しっかり向かうべきだろうと。ある程度、自分もエンジニアの組織づくりの経験はあったし、貢献できるのではないかと考えました。

 

――最初からエンジニアリングGMというポジションへの打診があったのですか。

佐合:ポジションにはこだわりがなくって、自分より適任者がいればその方にお任せしたいというスタンスです(笑)。ただ、会社全体を変えるような仕組み、制度を作るときに、GMというポジションで横のつながりや他部署の情報などが入ってくるので動きやすいと思い、引き受けました。

入社して半年たらずなので、未だによくわかってはいない部分も多々ありますが、GMが参加できる会議の中で、何となくわかってきたこともあります。それは大きい流れで、会社が目指す方角であったり、たどり着くためにどのような仕組みを取り入れるのか、ということです。そして、どうすれば私たちのチームが試行錯誤してやっていることを、さらに展開していけるのか?それを考えることが楽しくなってきました。大きい会社で正社員として働いた経験がないので、非常に面白いと感じています。

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 ――GMになったばかりの佐合さんはまず、どのようなことからはじめたのですか。

佐合:まず始めたのが、新しく入ってきたエンジニアたちが働きやすくなるよう、“サービス開発統括部 エンジニアリング部の文化は〇〇だから、こういうことをしている”という、明文化されていないものを明文化することですね。例えば、今まで人に紐づいて明確になっていなかった採用基準も、“こういうことに気を付けて採用しています”という定性的な部分をきちんと文章化して、皆さんが見える場所に提示しています。

 

――エンジニアリング部の文化って具体的にはどのようなものなんでしょうか。
佐合:僕が大事にしたいのは「エンジニアが相手を深く理解して尊重をしながら、自分の意志を持って前に進めること」です。自分がこうしたい、と考えを発信することも重要なんですけど、相手の考えも尊重することが重要だと思っています。そのためには相手を深く理解することも大切ですよね。その文化を根底に据えて、明文化してオープンにすることを意識しています。

 

――それを文章にして共有することで、組織の中に何が生まれるのでしょうか。

佐合:まず、明文化することで、自分が腹落ちするのはもちろん、他の人からフィードバックが得やすくなる思います。「こうしたほうが良い」「こうしているよ」と、良いものを作っていくために考えていることややりたいことを、どんどんテキスト化し、共有します。考え方を明文化して、フィードバックしたほうが集合知として良いものが生まれてくるはずです。

今、私たちはどんどん、新しいサービスを作っていこうとしているのですから、過去のサービスで“ここがダメだったよね”というナレッジは共有すべきだと思います。共通する部分があれば一緒に整えてしまおうとか、そういう考えです。そのためにみんなの考え方を明文化して、文化レベルにまで浸透させることが重要だと感じています。

 

さらに、チームメンバーがいきいきと働くことをサポートをするのも私の仕事です。働いているメンバーが目標設定をする時には、将来どんなエンジニアになっていたいか?、キャリアビジョンを聞いたうえで、“今、会社が向かっている方向はこうだから、その中で、こういう動きをすると半年、一年後にやりたいことが実現できるのではないか”という話をします。もし、そのビジョンに乗っからないのであれば、自分のキャリアにあった部署へチャレンジするという考えもあります。

どうしてもキャリアと会社の方向性が合わないようであれば、居続けることにこだわらなくてもいい、という話もします。無理に会社の方針に合わせて働くのもちょっと違うと思うし、またどこか別のタイミングで一緒に働ければよいと本気で思っているので、エンジニア個人とチームが依存しないような仕組みが理想ですね。明文化して共有する理由は他にもあって。自分は、同じことを2回やりたくないわけですよ、無駄が嫌いなので。「書いてあるから読んでおいて」って(笑)、そういう意図もありますね。

 

彼らが本当に働きやすい環境を整えて笑顔になっていればいい 

――現在、エンジニアリング部のKPTをおしえてください。

佐合:とにかく、チーム作りに注力することです。できればいろんなバックグラウンドを持った多様な人材を登用していきたいですね。例えば、外国籍のエンジニアとか、バリバリの経験者はもちろん、未経験者でも良い。新しいサービスを作るうえでは、いろんな意見があってしかるべきなのと、以前にも増して将来が予測不可能な世界になってきていると思うので、当然個人もですがチームも変化に強くなるために、とにかく多様な人材がいたほうが良いと思います。一方で、多様な人材や価値観が集まるチーム作りって、すごく難しくなるでしょうね。

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でも、ひとつ言えることは、チームを作る時って、どうしても人のマネジメントに寄りがちですが、私はどちらかというと、ルールや仕組みづくりに徹するべきだと思うのですね。彼らがほんとに働きやすい環境を整えて笑顔になっていればいい。明文化するとか、それぞれのエンジニアがどう働きたいかということを尊重するのです。僕自身、あれこれマネジメントされたくないタイプなので(笑)、そういう考えが根本にあります。

――なるほど。ごちゃごちゃ言われると、力が発揮できないって感じでしょうか(笑)。

佐合:そうですね。ただ、だからと言って文句だけを言う人にはなってほしくないと思っています。物事を前向きにしたいがために出る文句や不満は理解しますが、現状に対する代替案の無い不満とか、周りのモチベーションを下げるような後ろ向きな不満、これは正直嫌ですね。

もちろん、今のチームにそういう人はいないですし、これからもそういう方はこの組織には合わないと思います。こうすれば良くなるとか建設的な意見を出しながら、一緒に動いたり、仕組みを変えたりして、より良くしていきたいですね。

 

――逆に、エンジニアが働きやすい文化というのはいろんな側面があると思いますが、佐合さんが考える、働きやすい文化、これはずばりどういったものでしょう。 

佐合:不満があり過ぎても困りますが、不満がなくなるのも怖いので、なかなか難しいですね。この会社も環境的には悪いほうではないと思いますが、大きい会社であるがゆえに多少、ツールやセキュリティに制限がありますね。そういった部分である程度、許容できるところは許容するし、“このままでは新しいサービスはできない”という部分があったら壊しに行く、そういう感じですね。

 

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しかし、環境というものは会社が上から用意するだけのものではなく、働いている側からもちゃんと発信して変えていくような、その両方からの情報交換、すなわちコミュニケーションの中で、初めて環境が整っていくと思います。

 

――佐合さんが考える文化や風土づくりというのは、地道に一人一人のエンジニアと向き合って、話をしたり、明文化したり、そういうことを一つひとつ、確実にやることが大事だってことですね。

佐合:バックグラウンドが異なる人が多いので、その中でも「サービス企画開発本部のエンジニアリング部はこんな世界を目指していきたい」ということを、僕一人でなく、みんなが同じように思って、一緒につくっていける組織にしたいと思いますね。それは泥臭いですが、今の段階だと一人一人コミュニケーションを取ってやっていくしかないと思っています。

 

――佐合さんは、このチームがエンジニアの人たちにとってどういう場所であってほしいと思うのですか。

 佐合:正社員にこだわらなくてもいいような気がします。どんどん外に出ていってもらって、違うプロジェクトが始まった時にまた戻ってきてくれるような、そんなつながりが維持出来たらいいですよね。言うなれば、コミュニティみたいな感覚でしょうか。せっかくここで時間を共有して一緒に働いたのですから、そこで終わりではなく、今後も続いていくであろうエンジニア人生の中でまた、一緒に仕事をしたいなと、そんな風に思える人と働きたいですよね。それが僕の考える、組織に依存しないエンジニアの働き方ですね。

 

――今後、佐合さんがチャレンジしたいことを教えてください。

佐合:短期的には、この会社を変えていくことは面白いと思います。経営陣がテクノロジーに寄せていくという話をしていて、その中で現在、私たちサービス開発統括部自体が、特殊な動きをしながら進めています。大手ならではのガチガチな部分はありながらも、最低限のセキュリティなどを担保しつつ、変えるべきルールがあれば変えていこうという機運が満ちている中、新しいテクノロジーの力を注入していくのは、非常に面白い体験になるのではないかと思っています。

 今、大きく世界のはたらき方が変わっている中で、 人々に「はたらく」を自分のものにする力を というミッションに沿った形での新規サービス”を作っている中で、事業を生み出す0から事業を拡大させる100までのポイントで関われていたら、ものすごい達成感というか、満足感は得られるのかとは思います。もちろん、それをチームとして推進していって、その一部に関わったというだけでも嬉しく感じられるのではないでしょうか。それ以降の未来は、正直、あまり考えていません。どんな変化があっても、ちゃんと自分のやるべきことは確保できると思っているので。

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――エンジニアリング部の文化を知ることができました!ありがとうございました。

(取材・文=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/撮影=古宮こうき)

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佐合 和也 Kazuya Sago

サービス企画開発本部 サービス開発統括部 エンジニアリング部 ゼネラルマネジャー

大学在学中にシステム開発の会社を起業し、その後世界を旅しながらリモートで働き、海外での勤務を経てシェアリングエコノミー系スタートアップ、フードテック企業などで新規事業立ち上げ・チームビルディングやアプリにおける開発・設計に従事。直近では飲食店無人化プロジェクトを立ち上げ、それと並行して2020年よりパーソルキャリアに参画。複数の新規プロジェクトを支援する傍ら、エンジニア組織の立ち上げやマネジメントに奮闘中。趣味は旅行とロードバイクと料理。

※2020年8月現在の情報です。

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