パーソルキャリアでは2020年10月からリモートワーク適用範囲が拡大され、2021年2月には「フルリモートワーク」を可能とする制度が新設されたほか、育児・介護に伴う規定も2021年1月に再整備されるなど、社員一人ひとりが自分に合うはたらき方を選択するための変革が行われています。
今回は、そうした制度を活用してミッションの実現に向け邁進する4名のエンジニアにインタビュー。現在のはたらき方から、多様なはたらき方の実現による良さや難しさ、そうした状況の中で見据える展望まで、率直な思いを聞きました。
※所属組織の名称など、本記事の情報は取材(2021/9)時点の情報です。
※一階は退職していますが、本人の同意を得て掲載を継続しています。
- 一人ひとりが望む「はたらき方」と「生き方」を両立する、新たなワークスタイルを実現
- 意識的な情報共有の取り組みで、柔軟なワークスタイルの良さを最大限に引き出す
- それぞれの働き方の中でパフォーマンスを高め、より良いキャリア構築、そしてミッション実現へ
一人ひとりが望む「はたらき方」と「生き方」を両立する、新たなワークスタイルを実現
――まずは簡単な自己紹介と、皆さんの現在のワークスタイルを教えてください。
一階:エンジニア組織のマネジャーをしています。都心から少し離れたところに妻と2人の子供と4人で暮らしており、ワークスタイルとしては出社日が月平均4日~週3日未満の【ワークスタイルB:リモートワーク勤務者】を選択しています。今はほとんど出社せず、自宅から勤務している形ですね。
佐川:私は「doda Recruiters」というサービスの開発に携わっています。家族構成は妻と子供と私の3人で、2020年12月から2021年3月末までの4ヶ月間、育休を取得していました。現在の働き方は一階さんと同様、ワークスタイルBでほとんど出社していない状態です。
遠藤:dodaのサイト開発を担当しています。2021年6月から原則出社なしの【ワークスタイルC:フルリモートワーク勤務者】を利用して、夫と二人で関西に住んでいます。
齋藤:私も遠藤さんと同じくdodaの開発をしています。妻と今年生まれたばかりの子供と3人で関東近県に住んでおり、働き方はワークスタイルBでほぼリモートワークになっています。
――ありがとうございます。育児休業やワークスタイルCは、2021年に入って規定の再整備や新設が行われたということですが、佐川さんと遠藤さんが制度の利用を決めた背景をお聞かせいただけますでしょうか。
佐川:前職では育休を取る人がほとんどいなかったので、かねてから取得を考えていた訳ではありませんでした。ただ子供ができたとわかったタイミングで、新生児の1日の過ごし方や1ヶ月のスケジュールを調べていくと、“お母さんっていつ寝ているの?”と純粋に疑問が生まれるような大変さが見えてきて。また父親が一人で育児に臨む例も調べたのですが、やはり同様に大変だったという声が多かったんです。
そうした情報に触れながら、「一人だけで育児をするのは難しい。この時期を乗り切るためには、育休を取得するしかない」と自分の中で結論づけ、一階さんに相談することにしました。
遠藤:私の場合は結婚して夫婦で関東近県に住んでいたのですが、夫の赴任先が関西圏になったことで、1年ほど離れて暮らす形になっていて。そうした中でワークスタイルC新設の話を聞いて、「ぜひやりたいです」と一階さんに相談しました。承認いただけて、今は夫の赴任先で一緒に暮らすことができています。
――制度を使って皆さんがどのような働き方をされているのか、具体的に教えてください。
遠藤:私はワークスタイルCなので、地域拠点への出社が可能な場所には住んでいるものの、原則出社することはありません。必要がある場合でも、出社は月3日以内ですね。就業時間は基本的に10時〜19時です。
一階:ワークスタイルBは所属オフィスへの出社日数が月平均4日~週3日未満と決められていますが、現在は緊急事態宣言発令中でほとんど出社していないため、ワークスタイルCに近い形ですね。
齋藤:就業時間は、フレックスタイム制で日によって異なりますが、子供が起きるタイミングで私も一緒に起きて、ミルクをあげてから8時〜9時の間に仕事を始めるようにしています。部署のコアタイム以外のタイミングで中抜けして子供を病院や散歩に連れていき、だいたい19時くらいに毎日終業する流れです。
佐川:現在のはたらき方は、一階さんや齋藤さんと同様ですね。
育休中は、仕事との関わりを持つことはほぼありませんでした。育休をとる半年ほど前からチーム内の調整や引き継ぎを始めましたが、スクラム開発を取り入れていて開発は短期のものが多いため、引き継ぎはスムーズに進められた印象です。
意識的な情報共有の取り組みで、柔軟なワークスタイルの良さを最大限に引き出す
――それぞれのご事情に合わせたはたらき方を選択することで、得られたものがあれば教えてください。
遠藤:常に出社していた頃は仕事を終えて帰ってきてから家事をする習慣になっていましたが、リモートワークになったことで朝の時間や休憩時間を活用し、日中に家事ができるようになって。朝起きて洗濯を回して、干してから仕事を始めるなど新しいルーティンができています。終業後に自分の時間をゆっくり過ごせるようになり、心に余裕が生まれているなと感じますね。
一階:確かに、仕事を始める前にできることが増えますよね。私も子供を幼稚園に送ったり、妻が回してくれた洗濯物を干したり、洗い物や掃除機まで朝のうちに済ませられるようになったり……出社がメインの仕事をしている妻が帰るまでに、その日やらなければいけない家事を減らせるようになったことで、家庭に笑顔が増えたように思います。またリモートワークのおかげで私が子供を見ていられるので、妻が仕事を辞めずに済んだのも良かったです。
佐川:私は出退勤の移動時間がなくなって、セミナーなどにも参加しやすくなりました。「面白そうだからちょっと聞いてみようかな」と気軽に挑戦できるようになったのは、移動がないからこそかなと思います。
一階:同様の観点から、複業もやりやすくなりましたね。移動に使っていた時間を活かしてパーソルキャリアでの仕事とは異なる領域の経験を積むことで、技術的にも幅が広がっていく良さを感じています。
――皆さんがそれぞれに選択されたワークスタイルの良さを感じているようですが、反対に、リモートワークやフレックスタイム制の中で業務を進める難しさもあるのではと推測しています。苦労されている点や、円滑に進めるために意識されていることがあれば教えてください。
一階:まずは自分がボトルネックになってチーム全体のスピード感が落ちないように、適切に皆さんに権限委譲しながら、タスクが一極集中にならないような体制をつくることを意識しています。
あとは、特に気をつけているのはコミュニケーションの部分ですね。出社していると、現場で何気なく会話をしたり周囲の打ち合わせの状況が耳に入ってきたりしますが、リモートワークだとそういった雑談ベースの情報が得られません。そこを補完するために、「どのような人がどのようなことをやっているのか」を気軽に共有できる場を隔週で設けたり、チームのリーダー会の議事録などを公開したりと、情報のオープン化には意識的に取り組んでいます。
佐川:情報のオープン化という意味では、「チャットツールを使ったやりとりを、なるべく個別ではなく全体の場で行う」という部分は自分でも気をつけつつ、メンバーにも働きかけているところです。これはリモートワークが中心になってから余計に必要性を感じています。
齋藤:そうしてさまざまな情報にも触れられますし、定期的に開催される勉強会でナレッジ共有もしっかりと行われているので、リモートワークであっても属人化されていないのは良いなと思っています。
遠藤:リリースについても案件担当者がご家庭の事情などで急に休んでしまった場合に他のメンバーで対応できるよう、作業内容を事前に手順化し共有する取り組みを行っています。「絶対に〇〇さんがいないとできない」ということを減らそうという意識がチーム内にあると感じます。
あとは先ほど齋藤さんのお話にもあったように、皆さんの出社時間が日によって異なったり中抜けが発生したりすることは理解しているので、各チームメンバーの予定表にしっかりと目を通すことは個人的に意識しています。「この方はこの時間にいないんだな」とわかっていれば、連絡がつきやすいようにこちらでも工夫できるかな、というところですね。
佐川:そうやって配慮してくださっているのだろうという意識から、予定表の使い方は特に気をつけています。細かく予定を入力するのはもちろん、色をつけてわかりやすく「この時間帯はいません!」とアピールするのも、意識的に行っていますね。
それぞれの働き方の中でパフォーマンスを高め、より良いキャリア構築、そしてミッション実現へ
――制度を活用される中で生まれた、ご自身の働き方に対する意識の変化などがあれば教えてください。
遠藤:私自身の日々の働き方としては、周りのメンバーもリモートなのでほとんど変わらない感覚ではありますが……例えば転職をするときなどに、「やりたい仕事」から会社を選ぶのはもちろんのこと、「ライフイベントがあっても、その仕事が無理なく続けられるのか」までふまえて選択することも、同じくらい重要なのかなと思うようになりましたね。
齋藤:以前は生活の中心に仕事がありましたが、「仕事と家族との時間、どちらも大切にすること」の重要性を理解しました。その中で、仕事における時間の使い方としても、今までより効率を重視して取捨選択ができるようになったかなと思います。
佐川:効率化については私も育休明けから特に意識していて、「これは本当にやる必要があるのか」をしっかりと考えながら仕事に臨むようになりました。
あとは、自身のライフスタイルの変化から当社のサービスに還元できるものがあるのかなと考えていて。例えば、中抜けで病院に行った分夜に作業をすることもある、となるとサービス時間が制限されていないシステムの方が良いのかなと思うんですよね。これはあくまで一例ですが、私が感じるワークスタイルの変化は、おそらく他の企業様やユーザー様も感じていることだと思うので、世の中の動きをサービスの提供の仕方にも反映させていけたら良いのかなと思います。
――ありがとうございます。それでは最後に、皆さんが今後チャレンジしていきたいことを教えてください。
遠藤:もうすぐ入社して1年になり、少しずつ慣れてきたものの、まだ自分が理解しているのは一部分なんだろうなというのも実感しています。今後も一つずつ分かることを増やして、チームの開発の力になっていきたいと思います。今日の皆さんのお話を聞いて「通勤時間がなくなった分……」というお言葉にハッとさせられたので、勉強の時間もとっていきたいなと、刺激をもらった気持ちですね。
また今後私自身にライフイベントがあった時にも、制度を調べて活用しながら、この仕事を続けられたら良いなと思います。
齋藤:「パーソルキャリアの技術レベルを、業界トップレベルにまで高めたい」という今の上司の言葉に共感して入社を決めたので、改善の活動を重ねてサービスをより良くしていきたいという思いがあります。その中で、ワークスタイルの変化によってそれぞれに時間の制約があるからこそ、やはり開発の生産性を上げることが重要だと思うので、モダンな環境をつくって開発効率を高めることに貢献していきたいなと思います。
佐川:男性で育休を取る人はまだまだ少ないので、自身の経験を活かして周りの方を後押ししていきたいと思っています。
もちろん取るかどうかは自由ですが……私は育休を取ったことで、「育児が本当に大変だ」ということをより実感しましたし、「復帰後も仕事一本ではなく、できる限り子供との時間を取りたい」という思いが強くなったように感じています。本当に取ってよかったなと思うので、その経験を周りの方に伝えて。それがきっかけで取得に踏み出せる方がいたらとても嬉しいですね。特に「入社したばかりで育休を取るのはよくない」という意識もあると思いますが、私はエンジニアになって1年経たないタイミングで育休を取得したので、同じような境遇の方を応援していけたらと思います。
一階:はたらき方の多様化の流れをふまえ、「今のプロジェクトでは働き続けるのが難しい」となった時に気軽に他のプロジェクトに動けるような、組織としての流動性を高めていきたいと思っています。そうした状況の中でも、一人ひとりが目的意識を持って一番良いパフォーマンスを発揮できるよう、はたらき方の整備やナレッジマネジメントも推進しているところなので、引き続き取り組んでいきたいですね。
――素敵なお話をありがとうございました!
(取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈)
一階 武史 Takeshi Ikkai
プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 ゼネラルマネジャー
2000年にSIerでエンジニアとしてキャリアをスタート。大規模基幹システムのPLやPMを経験後、事業会社に転職。事業会社ではエンジニア・企画/開発・ラインマネジメントなど、幅広い経験を積む。2020年1月にパーソルキャリアに入社し、doda/iXといったtoCサービスを開発するエンジニア部門のマネジャーを担当中。現在は退職。
佐川 真吾 Shingo Sagawa
ダイレクトソーシング事業開発本部 プロダクト開発部 doda Recruitersエンジニアリンググループ エンジニア
SIerでPL/PMを中心とした業務を経験し、2019年2月にパーソルキャリアに入社。開発ディレクションを中心とした業務を行ってきたが、開発エンジニアリングの部門に異動。現在はdoda Recruitersの開発チームに所属。
齋藤 悠太 Yuta Saito
プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ リードエンジニア
SIerや事業会社業務での開発を経験し、2020年9月にパーソルキャリアに入社。現在はdodaサイト開発に携わっている。好きな技術領域はJava、Spring、AWS。
遠藤 あずさ Azusa Endo
プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ エンジニア
新卒で事務職に従事したのちエンジニアへ転身。社内システム開発の経験を積み、2020年10月にパーソルキャリアに入社。現在はdodaサイト開発に携わっている。
※2021年10月現在の情報です。