With/Afterコロナを見据えて“最適な働き方を”――ミッション実現に必要な環境とは

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新型コロナウイルス感染症の影響を受け、人々の生活やビジネスに大きな変化がもたらされている昨今。With / After コロナの時代において「社員が安心して働き、一人ひとりのもつ価値を存分に発揮できる環境」を実現するために、パーソルキャリアは「働き方」にまつわる制度を少しずつ変化させています。

社員一人ひとりを守りながら、ミッションの実現のために最適な選択肢は何か――そんな試行錯誤のもと制度改定を推し進めた、人事本部 人事労務部ゼネラルマネジャーの藤原と執行役員 兼 テクノロジー本部 本部長の柘植に、制度改定の背景や期待と課題、さらにはこれからの組織運営に求められることまで、たっぷり語ってもらいました。 

社員のパフォーマンスを最大化できる環境づくりが、人事労務部の役割

――「働き方」にまつわる今回の制度改定について、お話を伺っていきます。まずは藤原さん、パーソルキャリアの人事労務部とはどのような役割をもつ部署か、教えてください。 

藤原:私たち人事労務部の役割は、社員のみなさんが素晴らしいパフォーマンスを発揮できるように「安心・安全・健康的な環境」を提供していくことです。

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人事労務部 ゼネラルマネジャー 藤原 広行

そのためには、まずは就業規則の整備や健康保健会社の立ち上げ、福利厚生などをはじめ、社員が困ったときに対応できるような土台づくりを行うことが業務のベースになります。しかし、そうした「守り」の要素だけでは不十分だと思っていて。みなさんのパフォーマンスを最大化するための環境づくりにまで挑戦することこそが、自分たちの本当の「価値発揮」だと考えています。

今回の制度改定も、パフォーマンスの最大化を見据えて取り組んでいる、挑戦のひとつですね。

 

――人事部というと「安心して働ける環境づくり」で守りを固めるイメージは強くありますが、それだけでなく「よりよいパフォーマンスの実現」にも両輪で取り組まれているのですね。具体的に、今回どのような制度改定が行われるのでしょうか?

藤原:今回、「リモートワーク」をキーワードに大きく2つの制度が変わります。当社では、新型コロナウイルスの感染拡大防止を背景に2020年10月よりリモートワークを拡大しており、職業紹介従事者を除き(※)、出社頻度が月平均で週3日以上の「通常勤務者」と週3日未満の「リモート勤務者」の2パターンを設けて運用してきました。今回の制度改定では、この2つに加えて出社日数が月3日以下の「フルリモート適用者」を新設します。

(※)厚生労働省の定めにより、有料職業紹介免許を有した職業紹介事業者は、緊急事態宣言下など生命にかかわる事象を除き、あっせん事業は認められた事業所で運営するため。

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また以前は、リモートワークを選択する場合、「所属しているオフィスに出社できる場所」での勤務が条件とされていましたが、今回の変更でリモートワークの適用範囲も拡大。本人が希望し、また業務上問題ないと事業責任者が判断する場合は、当社の各地域拠点への出社が可能な範囲で、地域での在宅就業も認められるようになりました。

 

――どのような背景から、リモートワーク適用範囲の大幅な拡大に舵を切ることになったのでしょうか?

藤原:リモートワークを運用する中で、今後のさらなる拡大にはさまざまな懸念がありました。例えば仕事の生産性への影響や、機微・機密情報を扱うビジネス上のセキュリティ面の課題など、挙げればキリがありません。また、職業紹介に従事する営業社員は法律上リモートワークができないため、同じ組織の中での不平等性などもリスクとして考えられます。

しかし2020年10月の拡大以降、開発環境の構築や、情報セキュリティ面での制約の整理、勤務ルールの整備など、テクノロジー本部をはじめさまざまな部署のご協力があって、急速にリモートワークができる環境が整えられたのです。またアンケートの中で、リモートワークでも生産性を落とさず、前向きに取り組んでくださっている社員の声を聞くことができたことも大きかったですね。

環境が整い、懸念が少しずつ払拭されていったことが、今回の決断のきっかけになりました。

 

――フルリモート勤務の適用のみならず、勤務地の制限を緩和されたことは非常に画期的ですよね。今回の変更点における、人事労務部としてのお考えや狙いを教えてください。

藤原:根底にあるのは、「当社が掲げるミッションやバリューの実現のために、会社としてどのような環境を提供できるか」という視点です。働き方や働く場所の選択肢が増えることが、ミッションの実現に対してポジティブに働くのであれば、その選択肢を提供していくことが会社にとってプラスになるだろう、と考えました。

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また、新型コロナウイルスに限った話ではなく、介護やパートナーの転勤などご家庭の事情で地域勤務が必要になった社員が部署異動や退職をしてしまうケースなど、働く場所という観点での課題は他にも存在します。

こうしたケースにも言えることは同じで、地域を選ばずにリモートワークができる環境を作り、一人ひとりの社員に合った働き方で会社に貢献していただくことができれば、社員と会社の両方にとってメリットになるはずです。解決策を模索し続けてきた課題であっただけに、「せっかくリモートワーク環境が整ったこの機会を、逃してはいけない」という思いでした。

 

――5,000人規模の当社において、全社員一律で横串的に制度を導入するのではなく、一人ひとりの業務特性や状況に合わせて細やかな制度づくりを行った点も印象的でした。

藤原:やはり私たちの役割は、社員のみなさんのパフォーマンスを最大化することですから、それを疎外する要素をきちんと把握して、問題の未然防止や意識の向上にも「攻め」の姿勢で取り組んでいきたいと思っています。今回も、そしてこれからも、一律対応ではなく「みなさん一人ひとりの可能性を、最大限に引き出せる環境とは何か」を考えられる組織でありたいですね。

 

ものごとが大きく変化している時こそ、新しい発見のチャンス

――ここからは、制度改定の裏側について、柘植さんも交えて伺っていきます。今回の制度改定にあたり、人事労務とテクノロジー本部では、どのように連携されていたのでしょうか?

柘植:エンジニアは職種柄リモートワークとの相性が良いので、テクノロジー本部で先行してリモートワークを試すことを許可いただいていました。システム環境の構築などを進めながら、リモートワークの様子や課題を全社にフィードバックする、という形で連携していきましたね。

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執行役員 兼 テクノロジー本部長 柘植 悠太

藤原:また制度を組み立てるにあたって、情報交換もさせていただいています。

「このような条件でリモートワークを拡大したい」という案を出して、安全面や経営面でその方法が望ましいのか、といった視点で意見をいただいたり、テクノロジー本部内のアンケートを共有いただいてエンジニアの声を取り入れたりしてきました。

 

――人事部門と技術部門が連携して試行〜全体への波及を行われたことで、スピーディで無駄のない運用拡大が実現できたのですね。

柘植:そうですね。実務面での課題の克服には、テクノロジー本部が主体となってチャレンジできますが、制度やマネジメント、リスクヘッジなど会社としての基盤になる部分は、会社と一体になって動く必要があります。今回、社員がリモートワークに集中できる環境を、システム環境・制度の両面で整えることができたのは、人事労務部との協力連携があってのことだと思っています。

 

――制度面、実務面で改定を推し進められたそれぞれの立場から、今回の制度改定による、期待と課題を教えてください。

藤原:まずはやはり、社員のみなさんには、自身のパフォーマンスを最大化できる働き方を選択して、ミッション実現を目指していただきたいと思っています。

感染防止やご家庭の事情を含めた心配ごとを払拭できる働き方を選ぶために、今回の制度改定を活かして欲しいのはもちろんのことですが、「リモートワークが最適解」ではなく、ミッション実現にポジティブに働かないのであれば出社をすることも選択肢のひとつです。「自分の価値発揮を最大化できる方法は何か」という視点で考えてみていただきたいですね。

柘植:またリモートワークを選択することで、今まで移動にあてていた時間の使い方や、ご家族をはじめ周囲の人との距離感が変わると思います。これを機に新しい趣味を見つけたり、スキルを伸ばす学習の機会にあてたり、複業で経験の幅を広げたり、またご家族との時間を増やしたり……いろいろな選択肢があるはずです。

強要することはありませんが、せっかくの機会ですから、そうした新しい「時間」と「人との距離」をどう受け止めて、仕事や生活、人生の充実に活かしていくのか、前向きに考えてみてもらえるといいなと思います。

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他に、対社員というところから少し視点を広げてみても、今回勤務地の制限が緩和されたことは非常に大きな価値があることだと思っています。まずは、地域拠点に出社可能な範囲で全国からエンジニアを採用できるので、組織拡張や採用強化の意味で私たち自身にもプラスの影響がありますよね。加えて、地域で働くエンジニアたちにとっても、働き方の選択肢が大きく広がり、スキルアップの機会になります。

当社の、ひいては日本のエンジニアリング力やデジタルの力が、一層高まっていくことを期待したいですね。

 

――仕事や人生などさまざまな観点で選択肢が広がることが、人々の「はたらく」に与える影響に、大きな期待があるのですね。対して、今回の制度改定によって見えた課題としては、どのようなことが挙げられますか?

藤原:大きな点としては、リモートワークの拡大が「全社員に適用できない」こと。フルリモート勤務ができない職業紹介従事者のケアについては、今後の運用や拡大を進めていく中で特に工夫していく必要があります。

また開発環境については引き続き課題がありますし、手続きに伴う書類のやりとりなども全てがデジタル化されている訳ではないため、やりづらさも少なからずありますね。

本当の意味で「全社員が希望通りの選択をすることができる」環境にするために、まだまだ解決すべきことがありますし、挑戦は続くと思っています。ものごとが大きく動いている時こそ、いいチャンスですから。課題解決に向けて前進していきたいです。

 

前提が大きく変わったことを味方につけ、新しい組織運営の形へ

――今回の制度改定を踏まえ、これからの組織運営はどのように変わっていくのでしょうか。

藤原:これからは「新たな環境変化へのフォロー」と「さらなる変化へのチャレンジ」の両軸での組織運営が大切になると思っています。

ミッション実現のためにまずは新しく環境が変わったことで生まれた課題や困難を整理、整備し、さらに働き方の選択肢を拡大していくために、ハードルになっているものが何かを知り、解消していく必要があります。

柘植:そうしたこれからの組織運営の中で重要なのは、「会社と社員一人ひとりとの信頼関係」をいかに築くか、ではないでしょうか。

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会社は、社員が安心して働き、一人ひとりが持っている価値を最大限に発揮できる環境を提供することで、「社員を守る」という責任を果たす。それに対して社員一人ひとりが、与えられた働き方の選択肢からミッション実現のために一番良いものを選び、素晴らしいパフォーマンスで応える。

この車の両輪のような関係が、激しい環境変化の中での組織運営を支えていくはずです。

 

――社員が自身で選択した場所で、ただ自由に振る舞うのではなく「会社の思いに応える」ことで初めて、制度や環境が活きてくるのですね。会社の責任として社員を守るという観点からは、今後の組織運営においてどのような点が重要なポイントになると考えられていますか?

藤原:人事労務部として重要視しているのは、コミュニケーションの図り方です。

リモートワークをすることで、生活と仕事との境界が曖昧になり、心身に不調をきたしてしまう方も少なからずいます。人との会話や外での運動の機会が減り、健康管理やモチベーションの維持が難しくなる。そうした悩みや不安を一人で抱えていつの間にか体調を崩してしまう、ということを防ぐには、いかに日頃のコミュニケーションを増やしていけるかが大切になると思います。

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現在も産業医と看護師の体制でフォローをしたり、健康面や精神面のコントロールのための情報発信をしたりしていますが、それだけではなく「みんながお互いを尊重して気にかけながら、いかにコミュニケーションをとってサポートしあえるか」という視点をもって進めていきたいと考えています。

 

柘植:あとは、コミュニケーションと紐づいて変化が求められるのは、マネジメントでしょうか。

なかなかお互いの普段の様子やその変化を掴みにくい中、どうやって離れているメンバーを上手くまとめ、一つの目標に向かって進めていくのか。新卒で入社した社員や転職してきたばかりの社員など、生活環境やライフステージが一気に変わってしまった人たちを、顔が見えないからこそどうケアするのか。

そこは「従来の考え方の延長」ではなく、前提を変えた新しい取り組みや考え方が必要になると思います。

 

藤原:そうですね。新卒で入社した社員は特に、対面で教えてもらえない状況下で業務の習熟が求められることや、同期と顔を合わせられない中で組織にコミットしていかなければいけないことなど、多くの不安を感じるはずですから、そのサポートは欠かせません。また普段仕事をしている姿が見えづらい中で、評価の運営や透明性をどうしていくのか、など……考えなければいけないことは幅広く、たくさんあります。

有機的なコミュニケーションをいかに生み出すか、そしてそれをマネジメントがどう支え導くか。ここを With / After コロナ時代を見据えた組織運営の鍵として、意識していきたいですね。

 

――社員のパフォーマンス最大化やミッションの実現のために、制度だけでなく組織やマネジメントのあり方もこれからまた大きく変容していくのでしょう。それでは最後に、今後のさらなる環境変化や挑戦に向けてのお気持ちをお聞かせください。

藤原:今回の制度改定によって働き方の選択肢が増え、組織運営の形にも変化が生まれることで、私たち人事労務部が考えなければいけない範囲も広がっていきます。あらゆる状況において、リモートワーク下での影響やリスクを考える新しい視点が求められる中、課題の解決に向けて挑戦を続けることは、もちろん大変でもありますが、「逆に新しい発見ができるかもしれない」とワクワクする気持ちが強いです。

これからもテクノロジー本部をはじめさまざまな部署の方々と連携させていただき、現場で起きていることを知って柔軟に形を変えながら、ミッションの達成や社内の活性化を目指していきたいですね。

 柘植:組織運営の可能性が広がった分難しさもありますが、改めて大きく前提が変わったことを味方につけて、これを機に新しい組織運営のスタイルに挑戦していきたいと思います!

 

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――環境変化を柔軟に受け入れ、ミッション実現のために敢然を進めるお二人からも”はたらく”の変化を知ることができました。素敵なお話をありがとうございました!

(取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈)

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柘植 悠太 Yuta Tsuge

パーソルキャリア株式会社 執行役員

同志社大学工学部を卒業後、2006年に新卒入社。人材紹介事業の法人営業を経験後、全社の企画部門にて事業戦略立案・運用を推進。法人/個人のデータ資産経営を推進する部署の立ち上げ、転職後の個人サポートを強化する「dodaキャリアライフサポート」など複数の新規サービスの立ち上げを担う。現在、2019年4月に新設された「サービス企画開発本部」と同年10月に新設された「テクノロジー本部」の責任者を兼務している。

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藤原 広行 Hiroyuki Fujiwara

人事本部 人事労務部 ゼネラルマネジャー

大学卒業後、トステム株式会社(現LIXIL株式会社)に入社。入社時から人事として工場人事総務や本社人事を経験後、楽天株式会社に入社。給与・人事情報・労働環境改善をはじめ、各種制度導入やM&AやIPO時などにおける人事領域を担当。2018年7月からパーソルキャリア株式会社に入社。現在は人事労務部ゼネラルマネジャーを務め、健保設立などの労務施策を進めている。

※2021年2月現在の情報です。

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