もしもで考える人事データ活用のアイデアブレスト勉強会“PA FACTORY”の開催後レポート

「人事データは蓄積しているけれど、どのように活用したらいいかわからない」
「人事のデータ活用のアイデアの考え方や引き出しを増やしたい」
このような社内での人事データの活用方法で悩まれている人事の方も
最近は増えてきたのではないかと思います。


そんな人事の方向けに2024/8/28にPA FACTORY-“もしも”で人事課題を考えるアイデアトレーニング-
という名でピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会(以下PA協会)主催の元、開催したので
イベントレポートとしてまとめます。


是非関心があれば読んでみてください!

[想定読者]
・人事のデータ活用方法の引き出しを増やしたい方
・人事のデータ活用の考え方を知りたい方
・人事データ活用に興味がある方

人事同士でワイワイとアイデアを考える勉強会はできないか?

今回のイベントの発端はある日のコーヒー屋☕から始まります。
筆者とPA協会の理事の方で雑談する中、


『人事データをどう活用したらいいか困っていそうな人事の方多いんだよね』
『人事同士で交流しながら学ぶ勉強会とかもっと増やしたいよね』


という話題になりました。
たしかに、筆者自身も人事領域で組織横断的にデータ活用を推進する中で、
”意外と人事が社内や社外の人事と交流を持てていないのでは?”と感じることはよくありました。


”別に仕事をこなしていれば交流しなくてもいいのでは?”という声もありますが、
個人的には自分の領域の外の人たちとの関りが多い方が情報が集まり、良いアイデアにいたることがあるため、人事同士でワイワイと人事データの活用に関して交流できる場を作れないかなということから
今回のイベント企画は始まっています。


”もしも”の人事課題で人事データ活用のアイデアを考えてみよう

上記のような経緯から今回の”PA FACTORY”は誕生しました。
コンセプトとしては

といったように、仮想の人事課題を元に、その課題を解決できるような人事データ活用のアイデアを
考える勉強会にしています。


勉強会の流れとしては以下の4STEPです。

冒頭は司会の方からアイデアフレームワークの内容や進め方を説明し、
事前にアイデアブレストを一緒に行った登壇企業(KDDI株式会社様、NOK株式会社様、弊社)の方に
ホワイトボードツールであるMiroを使いながらまとめたアイデアを発表いただきました。




イベント当日の様子

実際にイベント当日はKDDI株式会社(登壇者:安藤様)、NOK株式会社(登壇者:守谷様)と
弊社パーソルキャリア株式会社(登壇者:木村)
より、まとめたアイデアの内容を発表いただき、
司会の方で視聴者から投稿されたフィードバックを拾いながらディスカッションを進めていきました。

第1回目はもしものテーマとして“入社後オンボーディング”を設定し、以下のシナリオの元で
各社に課題解決のアイデアを考えてもらいました。

【Mission】
自社のA事業部で中途入社者の入社後半年の早期離職が増加している。
早期離職者を減らすために入社後、1on1でのフォローアップなどの人事施策を行うことが決まっているがデータを活用した企画を考えられないかと依頼がきました。

このMissonを起点に”考えられる課題をブレスト→課題を解決できるデータ活用のアイデアをブレスト”といった流れで進めていきました。
参考程度ですが、各登壇企業からは最終的に以下のようなアイデアが生まれています。

KDDI株式会社:
チャットのやりとりデータから入社者の繋がりを可視化して、上司や組織として入社者がうまくつながりを作れない場合にフォローに入る


NOK株式会社:
スキルを可視化して、入社後のミスマッチが生じた場合は異動希望を汲み取るか、管理職でスキルを見ながらドラフトする


パーソルキャリア株式会社:
入社後のギャップを定期的なサーベイで取得して、入社後ギャップでいくつかの分類タイプに分かれるのかを分析し、タイプごとの施策を考える

イベント当日は登壇企業の方々にはオフラインで集まり登壇していただき、オンラインからも視聴者に上記のようなアイデアに対してコメントや質問を投げていただきながら
ディスカッション
を楽しみました!

実際に投稿されたフィードバックコメント(一部抜粋)
・社員のコミュニケーションデータを使う際に、悪用しない・オープンで取り扱っても大丈夫であるといった担保を組織として持てると安心して社員も情報を使っていいよ!と思ってもらえるのではと感じました。
・入社前と入社後にどれだけギャップが変わるかの予測もできたら面白そう
・スキルマップは更新頻度も大事になりますよね。通常業務で忙しいと更新がおざなりになってしまうこともありそうです。

従来のセミナー形式の勉強会と違う点としては以下のようなところです。

もしもの課題から考えるので実績は求めず、アイデアの実現性や正確性はあえて無視しています。


そのうえで、まずは自分たちがやってみたいと思えるアイデアを出す。
そして、それを人事同士で上記のようなフィードバックを投げてもらい、リアルタイムにブラッシュアップしていけるように設計しています。


アイデアブレストをするメリット

今回のイベントでは事前に登壇企業にアイデアブレストを実施いただいたのですが、
アイデアブレストを行うことで以下のようなメリットも見受けられました。

【アイデアブレストを実施したメリット】
・会話の中で普段関わりが少ない部署やメンバーが感じている課題に気づける
・他組織にある有用なデータの存在に気づける
・アイデアブレストを通して、自社にありそうな課題の整理にもつながる

アイデアブレストに慣れていない人事の思考トレーニングになるだけでなく、普段気づけていない組織内の課題やデータにも気づいたり、
人事同士で交流が生まれたりとさまざまな副次的な効果も発生していた感じでした。


もし、組織内の課題を整理したい、人事同士での交流を産みたいと考えているかたがいれば、社内で今回のようなアイデアブレスト会を試してみてもいいかもしれませんね。

PA FACTORYイベントまとめ

今回は2024年8月に実施したPA FACTORY-"もしも"で人事課題を考えるアイデアトレーニング-のイベントに関してまとめました。
PA協会と協力しながら次回以降の開催も検討していこうと思いますので、もしこの記事をご覧になった人事の方でご関心ある方は
ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会のサイト情報やSNS情報をチェックしてみてください!





長谷川智彦 Tomohiko Hasegawa


デジタルテクノロジー統括部 デジタルビジネス部 ビジネスグループ リードストラテジスト

2020年にパーソルキャリアに新卒で入社。自身でもデータ分析を行いつつ、社内でのデータ活用の企画立案やPMに従事。現在は人事領域でのデータ活用を進めるためにBI開発やデータ分析PJTを進めつつ、社内でのデータ活用リテラシー向上のための勉強会を開いている。

※2024年10月現在の情報です。