「自分×はたらく」サービスデザイナーが体現する、キャリアオーナーシップとは――

f:id:MGHY:20220414181651p:plain

「人々に “はたらく” を自分のものにする力を」をミッションとして掲げるパーソルキャリアでは、社員一人ひとりが望む “はたらき方” と “生き方” が融合する「あたらしいはたらく」を創造するべく、フルリモートワーク制度の導入によって多様なはたらき方の選択肢を提供しています。

今回は、この制度を活用し、エンジニアリング統括部 UXデザイン部で「自分らしく“はたらく”」を体現している石部、氏家、櫻井の3名にインタビュー。これまでのキャリアから現在のはたらき方、そして「キャリアオーナーシップを持つ」ことの意義や苦労まで、話を聞きました。

 

自分の判断軸を持って「自分らしく“はたらく”」を考える

 

――本日は「自分らしく“はたらく”」をテーマにお話をうかがっていければと思います。まずは皆さんがこれまでどのようにご自身のはたらき方を選択してこられたのか、キャリアについてお聞かせください。

 

石部:私はもともと東京に住んで、制作会社でWebディレクターなどの仕事をしていたのですが、ある時一人旅で香川県 男木島を訪れたことが人生の転機に。「ここに住みたい!」「ここでなら、興味がある“食”というテーマに楽しく取り組めそう」と強い印象を受けたことをきっかけに、単身での移住を決めました。

まずは地域に馴染みながら自分にできることを模索したいと考え、男木島の地域おこし協力隊募集時期を待って2016年に引っ越し、3年間地域おこし協力隊として味噌づくりなどの活動をしていました。

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第1グループ リードディレクター 石部 香織の写真

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第1グループ リードディレクター 石部 香織

2019年の任期終了後は、地元企業のプロジェクトに参加したりライティングのお仕事をしたりと、フリーランスで “食” というテーマに関わりながら過ごしていて。そんな時に知り合いからお声がけいただいたことをきっかけに、パーソルキャリアにジョインすることになりました。


櫻井:私はメーカーの知的財産部からキャリアをスタートさせました。当時は、会社の知的資産を活かしてR&D部門とともに新規事業を生み出すという業務を担当していたのですが、事業の起点が技術となるとアイデアの範囲が狭まったり、ユーザーのニーズと乖離してしまったりする点に課題を感じていて。そこからデザイン思考、UXデザインなどに興味を持つようになりました。

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第2グループ ディレクター 櫻井 乃梨子の写真

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第2グループ ディレクター 櫻井 乃梨子

ただ、結婚・出産などのライフイベントが重なり、思うようにキャリアチェンジを果たせず。また家族の海外駐在への帯同によって、一度キャリアが途切れてしまったんですよね。

その後帰国してから思い切ってキャリアチェンジしてみようと、UXデザイナーとしてデザイン会社にジョインしたものの、育休を取得していたタイミングで組織改変があり復帰できなくなってしまって。そこからフリーランスとしてやっていこう、と考えていたタイミングでお声がけいただいてパーソルキャリアにジョインした、という流れでしたね。

 

氏家:私は大学卒業後に、サークルの先輩の紹介を受けて制作会社で働くことになり、UXデザインやオープンイノベーションなどの領域でクリエイティブディレクターやプロジェクトマネジャーなどの役職を5年ほど担っていました。

当時は楽しく働いていたのですが、なんだかものすごく忙しいなと。「このままで人生大丈夫だろうか」と、ある時 “やりたいことリスト” をつくって100個ほど書き出してみたのですが……それを翌年、翌々年と見直してみても、消化できているものは数個ほどしかなかったんですよね。そのことが自身のはたらき方を見直す大きなきっかけになりました。

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第1グループ リードディレクター 氏家 浩史の写真

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第1グループ リードディレクター 氏家 浩史

リストに書き出したことの多くはプライベートなこと、大好きなアメリカの映画や音楽、写真の景色や舞台を見にいきたいという思いが強くあり、「これを見ずに人生を終えられない」と仕事を辞めて。1年ほど学校に通って語学を学びながらも、長期休みには当時の貯金をすべてドルに替えてアメリカに渡り、車中泊で大陸横断を何度も経験しました。

その後一度日本に戻り、知り合いの紹介でデザイン会社で3年半ほど働いた後、もう一度自分を見直そうと転職して今に至ります。

 

――キャリアや人生の転機となる局面で、皆さんそれぞれが非常に大きな決断を積み重ねてこられたのが印象的です。そういった決断ができたきっかけとは何だったと振り返られますか?

 

石部:あまり大きな決断をしたという意識はないんです。行きたくて仕方がないような気持ちになっていて、待ちに待った地域おこし協力隊の募集がかかったので「よし!」という感覚ですね。

もちろん引っ越すにあたっての家のこと、パーソルキャリアにジョインするにあたっての複業可否など、考えるべきことは都度ありましたが、一つひとつすり合わせてクリアしていけたので、大丈夫だと思えたかなとは思います。

 

櫻井:私の場合は石部さんのように滑らかにものごとが進んだ訳ではありませんでしたが……外的要因の変化があまりに大きく、物理的に “できないこと” が増えて自分の選択肢がなくなってしまったこともあり、その反動で「やりたいことを実現できる選択肢があるなら、何でも飛びつく」と振り切れてしまった部分があったかもしれませんね。

 

――氏家さんはいかがですか?一度仕事を辞めるというのはかなり大きな決断だったのではと思いますが……。

 

氏家:当時の貯金の中で、慎ましく暮らせばリストの大部分は消化できるだろう、と冷静に考えた部分はありますね。ただ基本的に私の中での判断軸は、“楽しいか楽しくないか” と “自分がその選択に誇りを持てるかどうか” の二つだけなんです。

大学生の頃に一度未だに石貨の文化が残っているヤップ島という島を訪れたことがあるのですが、ホームステイ先のお母さんが海洋調査に出て働いている時に、お父さんはずっと寝ているんです。働かないのかと尋ねると「今はお母さんが働く時で、自分は家族のこの生き方を誇りに思っているから変える必要はない」と。この時の経験は、私の考え方に大きな影響を与えています。

要するに、今の生活やあり方に誇りを持てているなら何をしていても関係ないし、逆に言えば、何かしていても誇りを持てないのならやる意味がないということなのかなと思うんですよね。だからこそ私は、仕事でもプライベートでも楽しくないことはやらない、楽しくないことをやらなければいけない時は楽しくやれるように工夫する、そして楽しくてやっている意味を見出せる方を選ぶ。常にそういった選択をしてきたかなと思います。

自分が「この仕事に誇りを見い出せない」「楽しくないな」と少しでも考えたら、自分がどう頑張っても「仕事に誇りを見いだせない」「楽しくない」と思うことが続いたら、環境を変えたほうがいいのかなと個人的には思っています。

 

「キャリアオーナーシップを持つ」ことを体現するとともに、人々がそれを実現できる社会を目指したい

 

――さまざまな経験をしてこられた皆さんが、パーソルキャリアへのジョインを決められた理由を教えてください。

 

氏家:釣りが大好きなので、コロナ禍でリモートワークが普及したこのチャンスを活かして水辺で生活を送りたいと考えていたのですが、前職ではフル出社がルールとなり実現できないとわかったんです。そこから今後のキャリアを見直そうと、場所に囚われずにはたらける企業を探し始めました。

自分が誇りを持ってはたらけるよう、生活の根幹となる “衣食住” にまつわる事業をやっている企業を探す中、声をかけてくださったのがパーソルキャリアに在籍する知り合いでした。

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第1グループ リードディレクター 氏家 浩史の写真

ジョインすることを決めたのは「キャリアオーナーシップ」というキーワードで互いに共感できたことがきっかけです。パーソルキャリアでは「人々に“はたらく”を自分のものにする力を」を掲げて、一人ひとりが自分らしい “はたらく” を選択できるような社会を目指していますが、それは楽しいこと・誇りを持てることを自分で選択していきたい、という私の思いに近いものだと思えたんですよね。

まずはこの環境で「リモートワークで釣りをしながらはたらく」ことを実践してみて、新しいはたらき方が本当に幸せにつながるのか、自分に合うのかを見極めて。自分がこの時代の流れに乗れると判断できたら、その質感をサービスに活かしていきたいなと、ジョインすることを決めました。

 

――櫻井さんは、フリーランスとしてやっていこうと新しいお仕事を探されていたタイミングだったんですよね。

 

櫻井:そうですね。UXデザイナーとしての仕事を探す中、「経験が少ししかない・クライアントワークではなくインハウス希望・子どもが3人いてフルリモート必須……そんな条件が叶うところなんてないよな……」と思っていたのに、「あった!!」と。当時はそんな印象でした。

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第2グループ ディレクター 櫻井 乃梨子の写真

面談で「はたらいて、笑おう」というグループビジョンや「キャリアオーナーシップ」というワードをお聞きしたのですが、その大切さは自分の経験から痛いほどわかっていたので。UXデザイナーとしての経験を積みながらそれを実現するためのサービスをつくれる機会があるなら、行くしかないという思いでジョインすることを決めました。

 

――石部さんはすでにライターとしての活動や地元でのプロジェクトも行われていたと思いますが、なぜパーソルキャリアに入ろうと決断されたのでしょうか。


石部:お声がけいただいたのは、当時まだ道半ばだった味噌づくりをやり切ろうと島に残ることを決め、フリーランスとして活動し始めて1年ほど経った頃だったのですが……。自分に「これが得意」と言えるような強みやスキルがないために、企業様とのやりとりの中でもどかしさを感じていたタイミングだったんですよね。

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第1グループ リードディレクター 石部 香織の写真

パーソルキャリアについて聞いてみると、「リモートが前提なので、場所がどこであっても皆さんと平等にはたらける」「グレードが設けられていて、一人ひとりがスキルや習熟度に自覚的」とのお話でしたそういった環境で自分ができることに自覚的になっていけば、地元の企業様とお仕事をする際にももっと価値の高い関わり方ができるかもしれない、と思ったことをきっかけにジョインを決めました。

 

――パーソルキャリアにジョインされて、具体的にどのようなお仕事に、どのように携わられていますか?

 

氏家:現在は大好きな “川や湖での釣り” のメッカとされる北海道に住んでいて、平日は仕事をして土日は釣りと温泉を楽しむ生活を送っています。パーソルキャリアで主に携わっているのは、キャリアマネジメントサービスの開発ですね。

 

櫻井:私は子育てをしながら、複業を行う人と企業を結ぶプラットフォームの開発に携わっています。

 

石部:私は今も男木島に暮らして味噌づくりを続けながら、パーソルキャリアでは氏家さんと同じキャリアマネジメントサービスと、ITエンジニア専門エージェントのサービスデザインに携わっています。

 

「キャリアオーナーシップを持つ」ことで得られたものとは?

 

――ここからは「キャリアオーナーシップを持つ」ということについて、皆さんのお考えや実感値をうかがっていきたいと思います。キャリアオーナーシップを持ってはたらく中で生まれたいい影響や、反対に大変なことなどがあれば、ざっくばらんにお聞かせください。

 

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第1グループ リードディレクター 氏家 浩史の写真

氏家:いい影響は、まずはシンプルに健康になったこと。それから、もちろん仕事に活かせる部分もあります。

サービスデザイナーとしての仕事は特定の業務に閉じられたものではなく、サービスの0→1、1→10、とさまざまなフェーズがあり、その中で良いものをつくるためにさまざまなスキルやツールがあります。単にスプリントだけ回せばいい、という話ではないんですよね。だからこそ、自分がキャリアオーナーシップを持ってはたらいていくこと、生きていくことによって視点や経験、スキルが培われれば、その分仕事にフィードバックできることやプロジェクトに対して貢献できる価値が増えていくのだと思っています。

 

石部:仕事に生きる部分は少なからずありますよね。やはりキャリアオーナーシップを自分が意識していないと、サービス開発においてユーザーの気持ちがわからないというか。自分が当事者でなければ、その視点でものごとを考えられないなと今強く実感しています。

 

櫻井:「キャリアオーナーシップを持ってはたらく人を増やす」こと、そのためのサービスをつくっていくことがパーソルキャリアの目標なら、やはり私たち自身が自分と常に向き合ってキャリアオーナーシップを持ちながらサービスをつくっていくことが大事なのでしょうね。

 

石部:そういう意味でも、パーソルキャリアという、自覚的に自分自身のキャリアを見つめ直している人たちがいる環境ではたらけるのはいいことだなと思いますね。

 

――大変なこと、「自分らしい“はたらく”」を成り立たせるために意識していることはありますか?

 

氏家:意識していることは正直ないですね。サービスデザイングループはリモート環境が整っているので、メンバーとコミュニケーションを取れる時間もたくさんあり、物理的な距離が離れていることの弊害や孤独感を感じることなくはたらけています。


櫻井:グループ全体の価値観として、「はたらいて、笑おう」が定着しているとまでは言わなくても、「はたらいて不幸になるのはナシだよね」という思いは共通しているように思っています。言葉にせずとも、「無理することは美しくない」「深夜残業や徹夜の作業は当たり前にあっていいものじゃない」という環境であること、それがオンラインでの業務でも成り立っていることはすごいなと思いますね。

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第2グループ ディレクター 櫻井 乃梨子の写真

 

――ありがとうございます。それでは最後に、みなさんがどのようなキャリアを描いていらっしゃるのか、今後の展望や挑戦したいことについてお聞かせください。

 

石部:まずは味噌づくりをきちんと形にすること、そしてそれと両立しながらパーソルキャリアで一人前に仕事ができるようになることを目標に頑張りたいと思っています。その先で、いつか味噌づくりの経験とパーソルキャリアのお仕事をかけ合わせて、何か新しいことができたらいいなと思います。

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第1グループ リードディレクター 石部 香織の写真

櫻井:個人的には、「コミュニティづくり」や「地域・まちづくり」といったテーマにも関わっていきたいという思いがあります。

また現在は複業にまつわるサービスに携わっていますが、外的要因などの制限に囚われずに柔軟なはたらき方を実現できるような、新たなサービスづくりにも挑戦していきたいなと思っています。自分の経験を振り返ってみても、外的要因が変化する時こそ「自分に何ができて、何がしたいのか」をしっかり軸として持っていないと、振り回されてしまうと思います。外的要因と内なる軸とのバランスを取って、楽しく仕事をしていける女性が増えるといいなと思いますね。

 

氏家:明確なプランはありませんが、キャリアオーナーシップを持つという意味では、櫻井さんのおっしゃる通り「柔軟なはたらき方」に意識して取り組んだ方がいいだろうと考えています。

現在個人的にお仕事のご相談をいただくこともあるので、複業にも挑戦しつつ。複業を成り立たせるためには、本業を必ず定時で終わらせたり本業が忙しい時にはどこかでバランスをとったりといった工夫が必要になると思うので、「新しいはたらき方って、どのようなものだろうか」と自分で考えながら体現していけたらいいなと思います。

 

――素敵なお話をありがとうございました!

 

(取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈)

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第1グループ リードディレクター 石部 香織の写真



石部 香織 Kaori Ishibe

エンジニアリング統括部  UXデザイン部 サービスデザイン第1グループ リードディレクター

制作会社でのディレクション業務などを経て、2016年に香川県の男木島に移住。地域おこし協力隊やフリーランスとして活動後、パーソルキャリアに入社。「人」を軸にしたサービスデザインに島から携わりつつ、個人事業の麦味噌づくりを継続中。

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第1グループ リードディレクター 石部 香織の写真



氏家 浩史 Hiroshi Ujiie

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第1グループ リードディレクター

2022年1月にパーソルキャリアに入社。前職では制作会社のPM、クリエイティブ・ディレクター、UXデザイナーとして勤務。主に大規模案件やサービス開発にPJ初期から携わる。UXリサーチ、要件定義、情報設計やコンセプトワークなどをメインに担当。パーソルキャリアではサービスデザイナーとして様々な部署と協業しながらよりよいサービス開発に邁進する。大好きなのものは釣りと映画。

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第2グループ ディレクター 櫻井 乃梨子の写真



櫻井 乃梨子 Noriko Sakurai

エンジニアリング統括部 UXデザイン部 サービスデザイン第2グループ ディレクター

2021年9月パーソルキャリア入社。新卒ではメーカー知財に入るが、人間中心のプロダクト開発がしたく、育休、海外駐在でキャリアが途切れながらもデザインベンチャーにてUXデザイナーへキャリアチェンジ。フリーランスなどを経て現職。家族や子育てなどのライフイベントの中でもキャリアオーナーシップが持てる人を増やすサービス創出したい3児の母。

※2022年4月現在の情報です。