キャリアや知見が部署内で閉じてしまわないための仕組みとして、2020年10月から始められた “エンジニア循環施策”。第3弾となる今回は、エンジニアリング統括部 P&M開発部 dodaエンジニアリンググループの東辻が、新規サービス“HR Spanner”の開発を担うサービス開発部へ調査旅行に出かけます。
旅行者とその上長の思いを追ってきた第1弾、第2弾の記事とは少し視点を変えて、第3弾では現場のリアルな様子と思いをお届けします。前編の今回は、旅行者の東辻と受け入れ側の早坂、送り出す側の飯田の3名に、調査旅行目前の今の思いを聞きました。
異なるやり方に触れて、組織や自分自身に変化をもたらしたい
――まずは東辻さんに伺います。今回、調査旅行に行こうと思った理由を教えてください。
東辻:2020年からdodaの開発チームでスクラム開発を取り入れているのですが、チームにはこれまでウォーターフォールをメインでやっていたメンバーが多く、経験不足もあって上手く回せていないなと感じる部分が多くありました。同じくスクラム開発をされているサービス開発部の運用を見て、チームの開発に活かせるものを得られたら、というのが一つの理由です。
また、私自身ずっとJavaをやってきたことや、入社してから3年ほど同じプロダクト、領域を担当してきたこともあり、純粋に他の領域や言語に触れて刺激がもらえたらいいなという思いもあります。
――サービス開発部でなら良いスクラム開発の運用が学べる、という印象を以前からお持ちだったのでしょうか?
東辻:サービス開発部のスクラム開発が成功しているのか、というのは正直わかってはいません。ただ、私たちのグループはSIer出身メンバーが多いのに対し、サービス開発部にはWeb系の開発をやられてきた方が多いイメージがあるので、SIer出身メンバーとは違うやり方をされていると思うので、それを見てみたいという感覚が強いと思います。
――開発手法の面でも、ご自身のモチベーションとしても、風穴をあけたいという感覚なのですね。旅行するにあたり、反対に東辻さんから何か与えたいものや共有したいことはありますか?
東辻:正直、、、そこまではあまり考えていなかったです(笑)。やり方を盗ませてもらいたいという思いでいますし、またこの施策で誰かが私たちのところにも旅行にくると思うので、来てもらった時に恩返しができればと思っています。
――この施策の一つの醍醐味として文化の交流があると思いますが、その側面での期待や達成したいことがあれば教えてください。
東辻:サービス開発部の中で私や飯田さんと同じくらいの社歴の方とは、かつて同じ組織に属していた時期もあったのですが、まだお互いのことを理解しきれていないのが現状です。
今後、エンジニア同士で意見交換ができる場を作れたらお互いにプラスがあって楽しいかなと思いますし、またdodaと他のサービスでデータのやりとりをする場面もあるので、そういった時にコミュニケーションが円滑にとれるように、もっと仲良くなれたらいいなと思っています。
2週間という短い時間を「あっという間に終わってしまった」にしないために
――続いて、受け入れ側の早坂さんから、現場でどのような準備をされているのかお聞かせください。
早坂:実際に開発に入ってもらうので、古いドキュメントを整理したりアカウントを準備したりと、環境を整えています。また開発が2週間単位のスプリントになるので、前半のうちにジョインしてもらえるよう上長とも調整しました。
2週間という短い期間なので、何もできずにあっという間に終わってしまった、ということにならないように意識して準備しています。
――東辻さんが抜けられる穴は大きいのではと思いますが…送り出す側の飯田さんは、そこをカバーするために準備されていることはありますか?
飯田:年明けくらいから「調査旅行でメンバーが抜けるので、受け身を取らなければいけない」と聞いていたので、心づもりはしていました。今、dodaの開発は基本的にスクラムで進めているので、調査旅行の期間に重なる案件を渡さないように調整して、出入りのタイミングの繋ぎだけきちんとできていれば、そこまで大きな混乱はないと思うので、その点でのチーム内の共有は意識しようというところです。
――周囲でも着々と準備が進んでいますね。東辻さんは、プロジェクトメンバーや企画側の方と関わることもあると思いますが、これまでに出発前の準備として必要な調整などはありましたか。
東辻:企画側やPMの方々には、ご迷惑をおかけしないよう2週間不在にすることは事前にお伝えしています。
関係者も、必要な調整や事前準備も多いので難しいとは思いますが、企画側やプロジェクトメンバーとの調整や事前共有のためにも調査旅行の実施日程の決定は、余裕をもったスケジューリングが必要だなと感じています。
万が一直前の共有になってしまい、「もう少し早く言って欲しかった」と言わせてしまうようなことは避けたいですしね。
自分たちの開発手法は、まだ変化の途上――新しいやり方を知りにいきたい
――調査旅行スタート直前の、皆さんの思いをそれぞれお聞かせいただきたいと思います。受け入れ側の早坂さんからお願いします。
早坂:「旅行者」「お客さん」という感じで受け入れてしまうと、私たちのチーム文化や普段の開発状況を見てもらえないと思うので、あくまで新しいエンジニアメンバーが増えるという気持ちで。自然体で受け入れができたらと思っています。
――送り出す側の飯田さんはいかがですか。
飯田:東辻さんの抜ける穴、という考え方もありますが、逆にこういう時に誰か一人抜けても回せる組織であるべきだと思うので、遠慮なく行ってきてもらいたいです。人に依存しないでスクラムが回せるという理想的な状態を作れるよう、頑張りたいと思いますね。本人がやりたいことをやって、楽しく仕事ができればそれでいいと思っているので、最後は年長者の私がしんがりを務められればと、そんな思いです。
――皆さんのサポートが心強いですね。それでは最後に、東辻さんから出発前の思いをお聞かせください。
東辻:dodaはもともとウォーターフォールで開発をしてきて、まだまだスクラム開発に変わったばかりの段階です。これまで大切にしてきたポイントが変わることもあると思うので、固定観念にとらわれずにまずは新しいやり方に触れて知るということを大切に、2週間頑張ってきたいと思います。
――次回後編では、現場の様子と旅行を終えた皆さんの思いを聞けるのを楽しみにしています。ありがとうございました!行ってらっしゃい!
(取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈)
東辻 良幸 Yoshiyuki Higashitsuji
エンジニアリング統括部 P&M開発部 dodaエンジニアリンググループ リードエンジニア
前職では官公庁向けのwebアプリケーションに従事し、2018年3月にパーソルキャリアへ入社。一貫してdodaの内製開発に携わる。元ゲーマー。現在は父親として日々奮闘し、時々ゲームを嗜むゲーマーとしての側面も持つ。
飯田 勝巳 Masami Iida
エンジニアリング統括部 P&M開発部 dodaエンジニアリンググループ リードエンジニア
2008年にパッケージベンダーでエンジニアとしてのキャリアをスタート。2012年にSIerに転職。ECサイト構築や人材サービス企業で採用管理システム(ATS)開発にPL・アーキテクトとして携わる。2017年12月にパーソルキャリアに入社し、その後一貫してdoda内製開発に携わる。
早坂 悠 Haruka Hayasaka
エンジニアリング統括部 サービス開発部 第3グループ リードエンジニア
2013年にWebエンジニアに転職。Ruby on Rails, React.jsを利用したサービス開発をフロントエンド中心に経験し、2018年7月にパーソルキャリアに入社。現在は「HR Spanner」など、Nuxt.js, Firebaseなどを利用したサービス開発に携わっている。
※2021年5月現在の情報です。