“これまでの総合的な支援とは切り分ける”――ITエンジニアの“職を決める”新たな可能性とは。

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2021年4月、これまでサービス開発統括部およびエンジニアリング統括部を率いていた三口が、国内外のITエンジニアの可能性をさらに拡げる取り組みを推進すべく、企業様、転職希望者様起点での事業最適化を役割とする事業戦略本部の中に、新たにIT事業統括部を新設。エグゼクティブマネジャーとして着任しました。

パーソルキャリアがITエンジニアに対して提供したい価値とは――事業戦略本部長である森とIT事業統括EMの三口に話を聞きました。

コロナ禍でのマーケットの変化を機に「お客様」起点のビジネス最適化に着手

――まずは、森さんにお話を伺っていきます。今回新設されたIT事業統括部を有する、事業戦略本部の概要から教えてください。

森:事業戦略本部は、パーソルキャリア全体のマーケティング部門やプロダクト企画・開発部門などを傘下に収めた組織で、2020年10月に立ち上げられました。私たちは法人顧客や転職希望者さま起点で各事業/サービスを最適化し、それによって転職希望者さまのキャリア選択を後押しできた数、つまりは売り上げを最大化することをミッションとしています。

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――事業戦略本部の立ち上げには、どのような背景があったのでしょうか。

森:以前は、全社横断としての具体的な戦略がありませんでした。というのも、「転職希望者様に向けてこのような施策を打ち、これだけの応募を獲得して売り上げをあげて……」という事業ごとの戦略が中心となっていて、あくまで主語は「事業」でした。各事業がそれぞれの戦略を持って目の前のお客様に向き合っていく体制だったので、当然事業どうしが競い合って伸びていく構造だったんですよね。これは「それぞれの事業がその領域で提供できる価値を追求することが、お客様のためになる」という判断をしてきたということなんです

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事業戦略本部 本部長 森 宏記

長らくこの状態が続いていましたが、コロナの影響でマーケットの状況が大きく変化したこのタイミングで、企業様 / 転職希望者様を主語にしたビジネスモデルにシフトしようと、大きく舵を切り、全社の戦略を司る事業戦略本部が立ち上げられたのです。

 

――お客様を主語にしたビジネスモデルへの転換は、以前から必要なこととして社内で認識されていたのでしょうか? 

森:いずれ必要なこととして捉えられていました。ですが、先ほどお話したように、各事業それぞれが頑張り、時に競いあうことが結果として採用支援数/転職支援数の最大化につながり、顧客満足につながるフェーズだと判断していたんです。また、お客様を主語にしてビジネス同士が横の連携をしていくためには、データできちんと顧客管理ができるような仕組みづくりが必要です。そのため、思いがあっても仕組みやデータ連携におけるシステム的な課題が多く、実現が難しかったというのも実状でした。

しかし、嬉しいことにスキルのある方々が集まってきてくれて、社内にデータを扱うチームができました。それによって事業ごとに管理されていた「いつ / どこで / 誰が / どの顧客にアプローチしたか」などが部署を超えて見えるようになったんですよね。こうして基盤が整ってきたことも受け、舵を切るなら今だろうと2021年度始動を目指して計画していたのですが、コロナの影響も受けて想定より早く実現する形になりました。

 

――事業戦略本部の具体的な役割を教えてください。

森:「お客様」主語の視点に切り替えて進むにあたっては、全社の経営戦略と各事業戦略をすべてつないでいくことが必要になります。当然、それぞれを両立させられない場合には、優先度の意思決定をしていかなければいけません。しかし、どの事業も大前提お客様を大切に考えてくれていたわけです。なので、天秤にかけてその重要度やインパクトをはかって取捨選択をすることは当然やりますが、それよりも、それぞれの戦略をストーリーでつなげることがとても大事になってきます。

例えば、広告は転職希望者様にとってノイズとなり得るものだけれど、それを入れることで売り上げが立ち、売り上げが立てば転職希望者様にまた投資をして還元することができます。このように「カスタマードリブンで進めるけれど、ビジネスの観点も踏まえ、短期的だけではなく、長期的に転職希望者様に有益な価値がお返しできることを行う」などと、決定していく必要があるのです。こうした意思決定を通して、全社として一つの戦略ストーリーにしていくことが、私たち事業戦略本部の役割になっています。

 

新組織設立にかける、「世の中をあるべき姿にしたい」という変わらぬ思い

――ここからは三口さんも交え、お2人からIT事業統括部設立への思いをお聞かせください。今回、事業戦略本部の中にIT事業統括部が新設されましたが、既存の組織に取り組むのではなく、新たな組織として立ち上げた理由は何だったのでしょうか。

森:パーソルキャリアは総合人材サービス会社なので、基本的には1つの業界や職種に特化せず広く支援することを強みにしてきました。しかしコロナの影響もあって、マーケットの様相は確実に変化してきています。この変化を受け、マーケットをもう一度見たて直し、「これまで同様の総合的な支援を行う領域」と「今後世の中でより求められていく領域」を分けて考えていこうと議論しました。

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その中で、今後さらに需要が伸びていくであろうITエンジニアの領域は、「これまでの事業の延長」ではないやり方をしていかなければいけないという判断になり、手を挙げてくれた三口さんを筆頭に新たに組織を立ち上げることになりました。

 

――今回の立ち上げにあたっての、三口さんの思いをお聞かせいただけますか?

三口:これまで新規サービスや内製化を推進する組織で活動してきましたが、やってきたこと、そしてこれからやろうとしていることのベースには、「新規サービスを生み出して、世の中をあるべき姿にしたい」という思いが共通してあります。これは、パーソルキャリアに入社した当初からずっと変わりません。

その上で、これまではサービスを作る側でモノゴトを動かそうと組織づくりをしてきましたが、今度は事業側で結果を残したいという思いがあって、今回手を挙げました。

 

――事業側で結果を残したいというのは、どうしてですか?

三口:パーソルキャリアは、創業当初から営業が主体になって創り上げてきた会社で、エンジニアが集まる組織ができたのは最近になってのことでした。そうした中で「事業側で新しいサービスを作る」となると、スタートアップ的な動きはまだできていないのが現状です。

営業の側面だと、数字の管理や改善を通して「どうしたら良くなるか」と科学的に考えて進めていく、「継続的イノベーティブ」に強みがあります。一方で、組織が硬直することを防いで、より良いサービスにしていくためには、クリエイティブに近い人も関わって「破壊的イノベーティブ」も起こしていくのが望ましいのではないかと思うんですよね。

エンジニア視点の人間が事業側に入っていくことで、その事業をジャンプさせられる新しい風を吹かせたいですし、ここでしっかりと結果を残して、新規サービスづくりを一任してもらえるような信頼を築きたいという思いがありました。

 

――これまではラボのような形で、小さな単位からテクノロジーファーストの新しい事業に挑戦していましたが、事業側で会社にインパクトを与える事業を作っていかなければならないとなると、かなりの覚悟が必要ですよね。

三口:もちろんハードルは高いですが、資金があってすでにユーザー様がいるという点で、起業して挑戦するのに比べて断然条件は整っているはずです。そういった恵まれた環境をすでに作り上げていただいているので、これまでビジネスを作るにあたって考えてきたことを糧に取り組んでいきたいと思っています。

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IT事業統括部 エグゼクティブマネジャー 三口 聡之介

――立ち上げにあたっては、お2人の考えが一致して、森さんは三口さんに信頼を置いて任せている、という形なのでしょうか。

森:ITエンジニア領域にアプローチするサービスを作っていくのであれば、エンジニアの気持ちがわかる人が作らないと絶対にいいものはできません。その点では、三口さん以上の人はいないと思っていますし、全幅の信頼を置いています。

ただ自分と考えが完全一致していなくても構わないんです。三口さんが「これならいける」と自分で想いを持ってくれていることが最も大事なことだと考えています。

三口さんも、「森さん、さっさとどいてください」と思っているんじゃないですかね(笑)。お互いそのつもりでチームを組んでいるので、そういう意味では考えが一致しているのかもしれません。

三口:ありがとうございます(笑)。「こうしたらいい」という考えは森さんもお持ちだけれど、それだけでまとまっていては森さんもきっと嬉しくないだろうなと思うんです。そこを崩しにいって「そっちに行ったか」と思わせられるようなことをやってくれ、ということだと勝手に理解しています。

最終的に「パーソルキャリアが世の中にいいサービスを提供する」というところに辿り着ければ、やり方は大きな問題ではないのだと思うし、お互いにカバーしながら上手くやっていければと思いますね。

 

先人が切り拓いてきた道の上に立ち、これからの10年を自分たちで作っていく

――IT事業統括部が担う役割と、取り組もうとしていることを具体的に教えてください。 

三口:ITエンジニアが、就職や転職、フリーランス、副業も含めて「職を決める」ということの、支援を最大化するのがIT事業統括部のミッションです。

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具体的には、以下2つの役割を担っています。

  • パーソルキャリアがすでに提供しているサービスを、企業様や職を決めたいエンジニアにとって使いやすいように改善していくこと
  • 既存のサービスだけではリーチできない領域にアプローチして、集客や新たなマッチングの手法を提供していくこと 

森:今あるものを否定する立場では決してなくて、マーケットの変化に前のめりにチャレンジしていける組織になったらいいですよね。もしかすると転職サービスではない領域になるのかもしれませんが、新しいマッチングや職探しのあり方をリードしていってもらえたらと思っています。

 

――先ほど、挑戦のための環境が整っているというお話がありましたが、そういった条件も踏まえて「勝算」があるのでしょうか?

三口:会社に所属する身として適切ではないかもしれませんが、自分が手がけるサービスがNo.1にならなくてもいいと思っているんです。大切なのは、世の中が良くなっていくこと。手がけたサービスが世の中に対して何らかの影響を与えて、市場を活性化することで、目指そうとしている世界観が訪れればそれでいいと思っています。それがたまたま私たちのサービスだったらよりいいな、という感覚です。

森:社会を変えたいと思っている人たちは、自分たちだけで何かができるなんて思っていないですからね。

今のITエンジニアの領域には「jobに対して圧倒的に人が足りない」「学び続けなければいけない」という二つの特徴がありますが、10年後くらいにはどの領域もこれに似た形になると見立てています。このエンジニア領域で、先にやり方を作っておくことで、10年後、20年後の世の中全体を変えることにつながると考えているので、まずはエンジニア領域でしっかりと価値提供をして結果を残したいところです。

 

――森さんから、三口さん率いるIT事業統括部に期待されることを教えてください。

森:今の各事業があるのは、10年前にまだ人材紹介しか事業の柱がなかったころに、先人たちがチャレンジして新しいものを生み出してくれたからです。それが新たな柱になってきた今、今度は私たちが次の10年を作っていかなければいけないと思っています。

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そのためにもまずは、既存のやり方を壊していくくらいの気持ちで、新しいマッチングのあり方や選ばれるサービスをエンジニア領域で作っていって欲しいと思います。

もう一つは、既存事業にも影響を与えて全社を変えていくということ。「doda」や「iX」の最前線にいるメンバーもいずれこの動きに参画する形になり、パーソルキャリア全体を大きく変えていくプロジェクトになるはずです。その先頭に三口さんが立っているということを意識して、うまく全体をリードしてもらえると嬉しいですね。

 

――それでは最後に、三口さんから今後の展望をお聞かせいただけますか。

三口:既存のサービスを良くしていくのはもちろんですが、「新しいサービスを作っていく」というところが、新しい壁として自分に求められていくのかなと思っています。

その中で一番大切だと思うのは、やはりスピードです。目まぐるしく変わる多種多様なニーズに追従して正解を探っていくためには、フィードバックのループを回すことがとても大切で、そこにはスピード感が欠かせません。

そこで今回の組織では、BTCモデルをベースに、権限委譲が進む形を作っていこうと考えています。ビジネスの部分は私が見て、テクノロジーとクリエイティブの領域には、互いのバックボーンを良く理解している2名の仲間に、無理を言ってテクノロジー本部から参画してもらうことになりました。

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これから経験する困難も、この3人でなら乗り越えられるだろうと思えるこのメンバーで、まずは組織の核になるカルチャーを生んで、いずれ参画してくれる仲間たちと一緒に「エンジニアの・エンジニアによる・エンジニアのための」という価値観が反映された組織を、そして新しいサービスを作っていきたいなと思います。

――市場の変化が大きいからこそ、これまでの意思を受け継ぎ、次の10年を創っていく構想にワクワクしました。新たな価値やサービスが世の中に出ていくことを期待しています!ステキなお話をありがとうございました!

(取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈)

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森 宏記 Koki Mori

事業戦略本部 本部長

2007年に新卒でパーソルキャリアに入社。転職メディア事業部にて営業を経験後、事業企画へ異動し、人材紹介事業をはじめ、複数事業を牽引。その後、CHQ組織(全社管理部門)の立ち上げを行い、経営戦略本部長として、パーソルキャリアの経営/事業戦略を担う。現在は事業戦略本部 本部長として、既存事業のマーケティング、プロダクト企画開発、事業企画を管掌する。

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三口聡之介 Sonosuke Mikuchi

IT事業統括部 エグゼクティブマネジャー

京都大学在学中に、株式会社ガイアックスの設立に参画。その後、KLab株式会社で携帯アプリケーションの開発に従事したのち、楽天株式会社に入社し、プロデューサーとしてMyRakutenなどを担当した。2013年から株式会社百戦錬磨に参画、取締役に就任。2013年にとまれる株式会社を設立、代表取締役社長に就任した。その後、ベンチャー企業複数社を経て2018年2月からパーソルキャリア株式会社に入社。内製開発を推進するエンジニアリング統括部のエグゼクティブマネジャーなどを歴任し、現在に至る。

※2021年5月現在の情報です。

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