パーソルキャリアは2022年9月より、当社初の海外開発拠点となる「PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM COMPANY LIMITED(パーソルキャリア テックスタジオ ベトナム)」の営業を開始しました。
前回の記事では、立ち上げ背景から組織の目指す方向まで、CTO岡本と現地法人社長(General Director)を務める菊池にたっぷり語ってもらいました。
さて今回は、その立ち上げのウラに隠された奮闘エピソードや立ち上げに込めた想いについて菊池と、日本側でともに仕事をするサービス開発部のゼネラルマネジャー鹿野に聞きました。現地でのエンジニア採用から組織作りまで、アレコレ話していただきました!
サービスを共に作る“仲間”が気持ちよく働ける環境・組織づくりを――
――今回は「PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM」の立ち上げの裏側をうかがっていきたいと思います。まずは、拠点立ち上げをどのようなプロセスで進めたのか教えてください。
菊池:まずは、外国企業がベトナムで投資プロジェクトを行うことへの認可(IRC)とそのプロジェクトを行う法人を立ち上げることへの認可(ERC)を受けて、会社を作ることが最初のプロセスでした。8月上旬に認可が下り、そこから準備を重ねて9月1日の営業開始に漕ぎ着けたという流れです。
本来の海外拠点の立ち上げでは、オフィスの確保などファシリティマネジメントが必要になりますが、今回はパーソルグループ内の海外拠点、PERSOLKELLYのホーチミンオフィス内で営業を開始しています。
――立ち上げに向けた準備としては、どのようなことに取り組まれたのでしょうか。
菊池:まずは私自身が現地で働くために、パスポートの公証を受けたりベトナム語で記載した職歴を提出したりと、さまざまな手続きが必要でした。何か私が試行錯誤して準備を、という訳ではありませんが、社内のあらゆる方々にお世話になって赴任に至りましたね。
鹿野:日本側で主に行っていたのは、ライセンスやアカウント、権限などの付与方法についての検討です。
「PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM」のメンバーは、こちらで決めたものを作ってもらう “外注” の立ち位置ではなく、一緒に新しいサービスを作っていく “仲間”なので、できる限り日本のサービス開発部メンバーと同じ環境を用意したいなと思っていました。そのために「適切なルールに則って、どこまでの権限付与がOKなのか」「どのサービスのアカウントをお渡しするか」などを考え、情報セキュリティ観点も含め調整を行ってきました。
菊池:各ステージで必要な準備の優先度を見極めて順番に対応しつつ、鹿野さんのおっしゃったアカウント関連の調整や採用周りなど、優先度の高いものは早い段階から準備を進めていった形です。
――採用や組織づくりの様子についても教えてください。まず採用活動はどのように進められていますか?
菊池:採用プロセスとしては、まず応募者のみなさんに技術面でのスキルを拝見するコーディングテスト(※)を受けていただき、通った方は1次面接へ。その後最終面接を経て、採用という流れになっています。
(※)コーディングテストは「PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM」のみ採用フローに組み込んでいます。
――面接を行う中でどのような選考基準で進められているのでしょうか。また面接の中で、企業側である「PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM」としてアピールされていることなどはありますか?
鹿野:面接では、これから一緒に自分たちのサービスを作っていくことを念頭におき、「過去の開発経験の中でどのようなことを課題と捉え、どのような工夫をしていたのか」などを主に聞いています。
また最近の開発事情や気になっている技術についても質問させてもらいながら、コーディングの技術以外の部分でコミュニケーションが取れるかも確認していますね。
菊池:こちらからは、最終的に来ていただきたい方には「会社としてこういうふうにしていきたい」「あなたにはこのように価値発揮してほしい」「こうやってお互いに成長していこう」というお話を必ずするようにしています。
何もないところからのスタートなので、思いを伝えてそこに共感していただける方と一緒にはたらきたいなと思っていますし、それを丁寧に伝えることでモチベーション高く入ってきていただけている感触です。
またベトナムではエンジニアさんたちは売り手市場が続いており、多くの方が1年程度で職場を変えられているため、「PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM」で得られる学びやチャレンジできることについても丁寧に説明するようには心がけていますね。
――オンボーディングや研修などはどのように進められているのでしょうか。
菊池:まずはチームとしての体制づくりを優先的に進めています。今はオンボーディングの一環として、ベトナム向けの採用管理システムを作るという仮想プロジェクトを立ち上げました。開発を回していく中でコミュニケーションをとることを狙いとして、6名のメンバーで取り組んでいるところです。
鹿野:このオンボーディングの取り組みについては、サービス開発部の新卒研修で行っているデザインスプリントのトレーニングをベースとしていて、今回はそちらの資料を提供して使っていただきました。
エンジニア自身がサービスを考え、デザイナー・ビジネスと連携してグループで形にしていくという過程を経験していただけますが、もちろん日本の研修をそのまま展開することが正解ではないと思っています。一旦やってみた上で、現地メンバーを中心にカスタムしていただいて「PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM」オリジナルの形で進めていければと考えています。
「はたらいて、笑おう。」を理解し、楽しみながらサービス作りができる組織へ
――ここまでの数ヶ月を振り返り、想定外のできごとや苦労されたことなどはありますか?
菊池:もちろん想定外の問題もさまざま起きましたが、鹿野さんやCTOの岡本さん、人事部の方々と連携させていただき、みなさんが動いてくださったおかげで進められてきました。
鹿野:周りの方がパーソルグループとして助けてくださって、密に情報連携してくださったことが大きかったですよね。パーソルグループとしての力を感じるなと。
菊池:そうですね。バリューの一つとして “自分ゴト化” を掲げていますが、本当にその通りだなと思います。「これは私の管轄ではないので」と見過ごすような方は誰一人としていないんですよね。自分のこととして動いてくださる方ばかりで、いい会社だなと改めて思えました。
――さまざまな苦労を乗り越えられる中で大切にされていること、そして「PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM」に入社するメンバーに大切にしてほしいスタンスや価値観があれば教えてください。
菊池:基本的にはパーソルグループのビジョンである「はたらいて、笑おう。(Work, and Smile)」と、外向き(Focus on society and customers)・自分ゴト化(Think of it as your own thing.)・成長マインド(Growth mindset)というパーソルキャリアの3つのバリュー、これらをしっかりと説明して「そうあってほしい」と伝えています。
「PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM」独自の文化を醸成していくのはまだ先かなと思っていて、まずはパーソルグループとして、そしてパーソルキャリアとして掲げるあるべき姿から土台作りをしていきたいですね。
鹿野:そうですね。まずはビジョンを自分で理解して、しっかりと作業や業務に落とし込んでいってほしいです。言われたものを作っていくだけでは楽しくないので、「自分たちのサービスを自分たちで作るんだ」ということを理解して、楽しみながらサービス開発を行ってもらいたいなと思います。
――ありがとうございます。それでは最後に、改めて今後チャレンジしたいことをお聞かせください。
鹿野:「PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM」のメンバーは一緒に新しいサービスを作っていく “仲間”です。だからこそメンバー1人1人がチャレンジを続けてほしいと思っています。最初は僕たちサービス開発部との連携が中心ですが、すぐにパーソルキャリアの様々なプロジェクトに関わることになり、より大きな成果を残せるようになると思います。将来的には海外向けのサービスを自分たちで企画・デザイン・開発と一貫して作り上げられるような体制にしていきたいですね。
菊池:パーソルキャリア初の海外拠点として、最初からフルアクセルで組織づくりをしていくつもりです。そしてパーソルキャリアのみならずパーソルグループ全体に貢献できるような組織となるように頑張ります。パーソルキャリアという会社だからできること、実現可能なことがきっとあるはずですので、当初決めた方針・目的・ゴールといったものをぶらさず、果敢にチャレンジしています!
――ありがとうございました!
(取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈)
菊池 俊勝 Toshikatsu Kikuchi
PERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAM COMPANY LIMITED General Director
新卒でシティバンク銀行に就職し、営業を経験したあと、マネジャーとして店舗開発やコンビニエンスストアでのATM利用提携プロジェクトなどを推進。コナミデジタルエンタテインメントでは、サッカー漫画IPのゲームアプリ開発ディレクションを努め、Konami Digital Entertainment, Inc. (米国)へ転籍。米国ではシニアプロダクションマネジャーとしてPS3などの家庭用ゲーム機向けタイトル制作及びマネジメントに従事。帰国後、デジタルコンテンツ事業を展開する会社のゲーム子会社取締役副社長などを務める。パーソルキャリアでは、ゼネラルマネジャーとしてテクノロジー本部の組織開発を牽引し、企画部マネジャーも兼務。2022年9月よりパーソルキャリア初の海外開発拠点であるPERSOL CAREER TECH STUDIO VIETNAMの現地法人社長に就任し、現在に至る。
鹿野 徹也 Tetsuya Shikano
エンジニアリング統括部 サービス開発部 ゼネラルマネジャー
SIerにて金融系プロジェクトの要件定義〜開発〜マネジメントを経験。その後、地元へUターンし、ソフトウェアハウスにてIBM、FUJITSU、NEC等のリホスト業務(ランタイム作成、言語変換)に従事。地方と東京の「はたらく」違い・差を実感し、より自分らしく「はたらく」ためWebアプリケーションエンジニアへ転身。アプリ連携、サーバレス開発、AGILE(SCRUM)開発リードと各種Webサービス開発で経験を重ね、2018年にパーソルキャリアへ入社。昨今はGV提唱のDesignSprintを利用したサービス企画に加え、マネジャーとしてエンジニアの「はたらく」をサポート、より良いチーム開発の実現に向けて挑戦中。
※2022年12月現在の情報です。