エンジニア循環施策 第2弾 doda開発エンジニアが新規サービスを体験してみた-おかえり 編-

alt

dodaサイトとdoda関連サービスを担当する第3開発部から、新規サービスを担う第2開発部への2週間の調査旅行が無事終了しました。前回の記事では、スクラム開発の運用などを学びたいと考え、主体的に調査旅行に行くことを決めた第3開発部の古沢。2週間という短い時間の中で得られたものから、今後の展望まで、率直な想いを聞きました。

※一階は退職していますが、本人の同意を得て掲載を継続しています。

 

リファインメント前のMTG、細分化されているIssue――選択肢が広がった2週間

――古沢さん、お帰りなさい!早速ですが、旅行先の第2開発部でどのような経験をされたのか教えてください。

古沢:今回の調査旅行では、dodaからの転職者のアフターフォローを行う「CAREER POCKET」のスクラムチームにジョインさせていただきました。

alt

ちょうど1スプリント分のスクラムに参加し、環境構築から始めてAPIのログ出力改善のIssueを担当しました。実装〜テスト、ステージングリリースまでの一連の流れを体験させていただき、最後にリリースを引き継いで終了という形で、「CAREER POCKET」のスプリントレビューまでの流れを一通り知ることができました。

 

――環境構築からIssue対応まで、本格的に手を動かされたのですね!

古沢:他にも、スクラム関係のミーティングや第2開発部で実施されているイベント、プロジェクト共有会などにも参加させていただいて。最終日には、スプリントレビューというイベントで、企画の方々に対して実際に対応したIssueをご説明する経験もできました。業務を一通り経験できたらいいなと思って出発していたので、実際にやり切れてよかったなと感じています。

 

鹿野:スケジュール調整などはある程度受け入れ側で行いましたが、ここまで全て達成できたのは、古沢さんが自走できたというところが大きかったと思いますよ。

 

――しっかりと目的意識をもって参加したからこそ、充実した時間になったのですね。調査旅行を通して学んだことや感じたことについて、教えてください。

古沢:まずは一番の目的だったスクラム開発の学びから話しますね。細かな部分ですが、スクラムのリファインメントを行う前に、エンジニアだけで集まって内容を確認する場を設けられているのが良いなと思いました。

 

事前確認なしでリファインメントに臨むと、考えがまとまらず議論が長引いてしまう傾向にあります。今回、エンジニアの観点から「リファインメントで確認すべきポイント」をあらかじめすり合わせられていたことで、効率的に進められたなと実感できたので、ぜひ第3開発部でも取り入れたいですね。

また、私たち第3開発部のスクラム開発との違いとして見えたのは、「Issueの切り方」です。私たちの担当するdodaでは、どうしても一案件の規模が大きくなりがちで、複数のスプリントにまたがってしまうことも多いんですよね。一方「CAREER POCKET」では、今回私が短期間ジョインさせていただいても完了できたように、Issueが適切な単位で細分化されているなと感じました。

 

――それぞれの扱うサービスによって最適な方法があるのだと思いますが、Issueが細かく切られていることで、どのようなプラスの点があるのでしょうか。

古沢:細かく切られていると、一つひとつの案件を早くリリースできるので、実際にユーザーに使ってもらって反応を見て、そして改善を繰り返していく……という本来のスクラム開発のあり方やメリットが活かされると思います。もちろん、ユーザーの反応を素早く知れるという点で、開発している私たちにとっても楽しいんですよね。 

ただdodaの性質上、歴史あるサービスなのでDBが綺麗に整えられている訳ではないですし、基幹システムであるARCS側との調整も必要になるので、必ずしも同じように短く切ることが適切とは言えないかもしれませんが、プラスになる範囲でIssueの切り方を変えていけたらなと感じました。

 

鹿野:第2開発部では、本人たちの希望やモチベーションもふまえてプロジェクト間の異動なども行っているので、異動後のキャッチアップがしやすいようにという意味もあって、細かくIssueを切っています。今回、初めての領域でありながら、古沢さんがタスクを完了させてリリースまでもっていけたのは、この仕組みが功を奏したかなと思います。

alt

ただ細かく切ればその分コストがかかりますし、チームによって適切なやり方も違ってきますから。古沢さんのおっしゃるように、チームに合う範囲でエッセンスを取り入れていただけたら良いのかもしれませんね。

 

――単純にやり方をそのまま持ち帰ってくるのではなく、今回の学びをもとにチームに合ったやり方を見つける一歩になる、ということですね。

 

関係性ができた上で、互いのことを伝え合う――文化交流で得られたものの価値

――この施策の大切な目的のひとつが、文化の交流です。第2開発部という組織やその文化については、どのように感じられましたか?

古沢:プロジェクト以外の面では、縦・横のつながりが強いなという印象です。鹿野さんが先ほどおっしゃったように、プロジェクト間の異動などもされていて、知見やコミュニケーションがチーム単位で閉じていないのが良いなと思います。また勉強会などのイベントも、マネジャー以上の役職の方もたくさん参加されていて、組織全体としてコミュニケーションが円滑に取れているんだろうなと感じました。

後は、「Win Session」がとても良いなと思います。第3開発部の勉強会は、しっかりと資料を準備して1人が発表する、という少し重ための会になっていますが、第2開発部の「Win Session」は事前準備なしで、メンバーが自由に成果を発表できる場になっているんです。これなら経験の浅いメンバーでも気兼ねなく前に出られるので、ぜひ第3開発部でも取り入れたいと思っています。調査旅行中にも、「良い取り組みだからぜひ」と第3開発部のメンバーを見学に誘っていたんですよ。

 

一階:Win Sessionの見学に行った第3開発のメンバーから、鹿野さんのお話がとても良かったと聞いたので、次はぜひ私も参加して学びたいと思っているところです。

 

鹿野:それは緊張感が高いですね(笑)

 

――技術、組織の両面で得られるものがたくさんあったようですね。送り出す側の一階さん、受け入れ側の鹿野さん、それぞれのお立場で他に得られたことがあれば教えてください。

alt

一階:第2開発部は、仙台のエンジニアとリモートで一緒に仕事をしていることもあって、メンバーと離れて働くことのノウハウを知っていらっしゃるので、インスピレーションを受ける部分がたくさんありました。

 

鹿野:今回古沢さんには、システムの手前の部分で、HRビジネスの全体像から職業紹介と求人広告の違い、その中でのdodaの位置付けなどを勉強会でお話しいただき、新しく入社したメンバーも多かったのでとても勉強になりました。詳しく触れる機会がなかなかない知見を共有していただいて、「古沢さんたちにとって当たり前のことを、自分たちは全然知らないんだな」と気づけた機会だったと思います。

 

――そういった知見が共有されることで、第2開発部でも新しいビジネスのアイデアが生まれるきっかけになるでしょうし、両者にとってプラスになりそうですね。

鹿野:そうですね。アウトプットしてもらうことはもちろん大切ですが、特に今回は関係性ができた上で伝えてもらえたことに意味があると思っています。

今回古沢さんには、プロジェクトではなく「部署にジョインする」という形で、開発の他にイベントにもたくさん参加していただいたので、受け入れ側の私たちは古沢さんの”人となり”まで知ることができたんですよね。その上でアウトプットをしてもらえたことで、「知らない部署の知らない人が、よくわからないことをやっているらしい」ではなく、「第3開発部で、古沢さんはこんなことをして頑張っているんだ」とみんなが理解できる。この文化の交流で得られたものに、とても価値があるなと感じています。

 

今回生まれたつながりをきっかけに、さらなる交流の促進へ

――古沢さんの視点から、調査旅行に行ったからこそ見えた第2開発部の課題はありますか?

alt

古沢:エンジニアだけでなく企画側も含めて、施策の効果予測や数値計測の部分は少し弱い印象です。dodaの方では、「この開発によって、どれだけの効果が出るのか」の見込みを出した上で、開発をするかのジャッジに至りますが、第2開発部では「やりたい→やってみよう」とつながることが多いかなと思います。

 

鹿野:おっしゃる通りで、「数値で語れない」というところは第2開発部の弱さとして実感しています。ぜひ全員招待の勉強会などをやっていただき、知見を共有してもらえたら嬉しいですね。

 

一階:ここでマネジャーが出てきて勉強会をやると、面白くないですからね。ぜひ古沢さんに活躍していただきたいです。

 

鹿野:そうなんですよ。ボトムアップでのつながりが欲しいところなので、今回の交流でできたつながりを活かしていけたら良いなと思います。

 

――この互いの関係性を含め、お互いにたくさんの学びを得た2週間だったのではと思います。循環施策も今回で2回目だからこそ、より充実させられたという部分もあるのでしょうか。

alt

鹿野:前回の第1回目はスズタクさんが大きなことを学んできて第2開発部でアウトプットしてもらったので、こんな情報が得られるのか、と私自身も勉強させてもらった気がします。その点、今回古沢さんを迎えるにあたって、どうやって取り組みを理解してもらおうかというところはしっかり意識できたかなとは思いますね。ただ、それぞれの旅行者が目的に合わせてしっかりと得たいものを得たという点で、充実度に違いはないのかなと思います。

 

一階:そうですね。第1弾は「HRやdodaがどのようなもので、どのようなモデルになっているのか」という知識をしっかりと持ち帰っていただきましたが、今回は主に運用のノウハウを持ち帰らせてもらえました。それぞれ得たものの領域が違うので、視点も違ってくるのかなという印象です。

 

――同じことを形として繰り返すのではなく、目的に合わせて視点を変えていくことが大事ですよね。それでは最後に古沢さん、これからの展望をお聞かせください。

古沢:今後は、第2開発部と第3開発部の交流をもっと増やしていきたいと思っています。「2週間の調査旅行」となるとなかなか気軽にできない部分もあると思うので、勉強会やスクラムミーティングを互いに見学できるような環境づくりから、今後やっていけたら良いですね。

そのために、双方がコミュニケーションを取れるプラットフォームが今はまだないので、ツールの統一などでマネジャーのお力も借りながら進めていけたらと思います。

 

――両部門の交流のその先に、どのような価値があるとお考えですか?

alt

古沢:それぞれ見ているものが全然違うので、交流することによって世界が大きく広がると思っています。

少し個人的な話になりますが……前職にいたときは前職のことしか知りませんでしたが、技術系の外部コミュニティや勉強会に参加するようになり、外の世界を知ったことがきっかけになって、転職しパーソルキャリアに入社しました。視野が広がることは、自分のキャリアのためにもきっとプラスになるはずですから。自部門に閉じずに、外の世界を知りに行く意識を大切にしたいと思います。

 ――古沢さん、そして両部門のマネジャーのお二人、2週間の調査旅行お疲れ様でした。第3弾も楽しみにしています。 

(取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈)

alt

古沢 佑樹 Yuki Furusawa

プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 エンジニアリンググループ エンジニア 兼 エンジニアリング統括部 第3開発部 エンジニアリンググループ

新卒でSIerに入社後、主にメガバンクなどの金融系システム開発を行っていた。C言語やCOBOL言語で作られている現行基幹システムを、Java言語に置き換える大規模リプレースプロジェクトなどを担当。2019年9月にパーソルキャリアへ入社し、一貫してdoda本体サイトの内製エンジニアとして開発に携わっている。

鹿野徹也

鹿野 徹也 Tetsuya Shikano

エンジニアリング統括部 第2開発部 ゼネラルマネジャー

SIerに新卒入社後、金融系PROJECTにて要件定義〜開発〜マネジメントを経験。その後、地元へUターンし、地方ソフトウェアハウスにてIBM、FUJITSU、NEC等のリホスト業務(ランタイム作成、言語変換)に従事。地方と東京の「はたらく」違い・差を実感し、より自分らしく「はたらく」ため Webアプリケーションエンジニアへ転身。RubyOnRailsから始まり、アプリ連携、サーバレス開発、AGILE(SCRUM)開発リードと各種Webサービス開発で経験を重ね、2018年にパーソルキャリアへ入社。昨今はGV提唱のDesignSprintを利用したサービス企画に加え、マネジャーとしてエンジニアの「はたらく」をサポート、より良いチーム開発の実現に向けて挑戦中。

alt

一階 武史 Takeshi Ikkai

プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 エンジニアリンググループ 兼 エンジニアリング統括部 第3開発部 エンジニアリンググループ マネジャー

2000年にSIerでエンジニアとしてキャリアをスタート。大規模基幹システムのPLやPMを経験後、事業会社に転職。事業会社ではエンジニア・企画/開発・ラインマネジメントなど、幅広い経験を積む。2020年1月にパーソルキャリアに入社し、doda/iXといったtoCサービスを開発するエンジニア部門のマネジャーを担当中。現在は退職。

※2021年4月現在の情報です。