Spring Frameworkへの知見拡大へ――doda開発エンジニアによる勉強会に密着!

 

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2021年1月から、dodaサイトの開発を主に担うP&M開発部で勉強会がスタート。若手エンジニアをメインターゲットに、実業務で活かせる知識を学ぶ場を展開し、個人のスキルアップや組織力の向上に向けて取り組んでいます。

今回は、取り組みを主導するプロダクト開発統括部 エンジニアリング部 エンジニアリンググループの佐藤と、参加者である同統括部エンジニアの川又、遠藤、ITコンサルタントの大橋の4名にインタビューし、勉強会にかける思いと今後の展望をききました。

※大橋は退職していますが、本人の同意を得て掲載を継続しています。

 

――まずは、P&M開発部で勉強会がスタートした背景から教えてください。

プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ シニアエンジニア 佐藤 政美の写真

プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ シニアエンジニア 佐藤 政美

佐藤:きっかけは、昨年の7月に入社して開発に携わりはじめた頃、同じチームの川又さんから「フレームワークなどを色々勉強したい」と相談してもらったことでした。
書籍はどのようなものを使うといいか? 特にどのようなポイントを勉強したらいいか? という川又さんの素朴な疑問から話が始まったのですが、自身の経験を踏まえて、それだったら体系的に学んで欲しい、基礎としてはまずここを押さえてもらいたいなどの思いがあり、勉強会の実施を考えるようになりました。

川又:その対話の中で、せっかくなら他の内製の方にも展開してみないか、というお話になったんですよね。そこから、テーマを持ち回って色々な方に講師を務めてもらう形はどうかと佐藤さんが構想を展開してくださり、毎回一つのテーマを勉強していく現在の形で勉強会がスタートしました。

 

――川又さんがご自身で勉強をするだけでなく、周りを巻き込みにいかれたのがすごいですね。

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プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ エンジニア 川又 颯

川又:エンジニアになってすぐにJavaの講義をオンラインで受けてはいたのですが、もちろんJavaを学ぶだけでは開発に必要な知識を網羅できませんし、自分で書籍を買って勉強してはいても、そこで得られる知識もdodaの開発に直結するとは言い難いなと感じていました。実際に開発をされてきた内製エンジニアの方と勉強できれば、基礎的な知識とdodaの開発を紐付けた、体系的なwebの知識を学べると思ってお声がけしました。
また組織として、私や遠藤さんのような入ったばかりのエンジニアを育てようとしてくれる雰囲気があるので、声をかけやすかったというのもありますね。

佐藤:私も声をかけてもらって嬉しかったですよ。やる気がある方のために、頑張って学びの機会を作りたいと思ったのを覚えています(笑)。

 

――勉強会の実施が決まって、遠藤さんはどのように受け止められましたか?また大橋さんはITコンサルタントとして、どのような経緯や思いで参加されたのでしょうか。

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プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ エンジニア 遠藤 あずさ

遠藤:私は前職で客先常駐開発をしていたのですが、当時はメインの仕事は社員さんが担当されることが多かったため、転職後に自分のスキル不足を感じる部分がありました。なので、今回転職してきてまだ開発にも慣れていない状況で、基礎からのスキルアップの場に参加できるのはすごくありがたいな、という印象でしたね。

プロダクト開発統括部 プロダクト開発部 doda開発グループ コンサルタント 大橋 直行の写真

プロダクト開発統括部 プロダクト開発部 doda開発グループ コンサルタント 大橋 直行

大橋:私の場合は、業務でわからない箇所があってちょうど遠藤さんに相談していた時にお誘いいただいたのをきっかけに、ぜひにと参加させてもらいました。
ITコンサルタントとして開発者の方と関わる立場ではあるものの、自分で手を動かしたことがある訳ではありません。知識が断片的になる部分がありましたし、これまでの仕事を振り返っても、理解しきれずエンジニアの方に判断を任せてしまっているところも多かったと思います。そのような中で今回きっかけをいただけたので、改めて学ぶ機会にしたいと思って、参加を決めました。

 

 

――皆さんそれぞれにキャリアを振り返り、課題感や思いを持って参加されたのですね。具体的に、勉強会はどのような形で設計され、どのような内容で実施されたのでしょうか。

佐藤:勉強会をやるにあたり、まずはエンジニア歴の長い数名のメンバーで「どのようなテーマをみんなに勉強してもらったらいいだろうか」と話し合い、以下9つのテーマを各一回完結の形でコンテンツにすることにしました。

  1. Webアプリの基本(通信の仕組みなど)
  2.  アーキテクチャ(サーバ構成・ネットワーク・ソフトウェアアーキテクチャなど)
  3. フレームワーク(サーバサイド・フロントエンドそれぞれのフレームワーク)
  4. セキュリティ(XSS・CSRF・SQLインジェクションなど)
  5. データモデリング
  6. トランザクション(ロック機構と制御方式など)
  7. CI/CD(Maven・Jenkinsなど)
  8. テスト
  9. パフォーマンス(ボトルネックになりがちな箇所の話など)

川又さんや遠藤さんのような、これからどんどん育っていく若手エンジニアをメインターゲットに、Webアプリの基本から一通り学んでもらうことをコンセプトに据えています。ディレクターさんなど、エンジニアでない方も参加してくださってはいますが、ベースとなるコンセプトは崩さずに進めてきました。

川又:初回から10名以上が参加していて、バックグラウンドとしても、内製開発エンジニアからスクラムマスターの方まで、さまざまでしたね。

 

――お二人の対話から始まった勉強会に、多種多様なメンバーがたくさん集まってくれたということですが、第1回(全9テーマ)を終えて、どのように振り返られますか?

佐藤:前職でもこのような勉強会はいくつも企画してきましたが、とても出席率が良いという訳ではなかったんですよね。その点、パーソルキャリアの若手エンジニアは意欲が高いなと率直に感じました。たくさん参加してくださって嬉しかったです。

大橋:「この知識は、dodaでいうと何を指すのか」という紐付けを講師の方々が丁寧にしてくださったので、これまで断片的だった知識がつながって線になり、ようやく理解できた感触がありました。その結果、周りにサポートをいただきながらではありますが、実際の開発の案件でもきちんと背景を理解した上で対話や判断ができるようになってきたなと感じます。
これまでdodaに関わって蓄えた知識に関連させる形で、ITの知識を一段アップさせることができたので、この知識をベースにエンジニアの皆さんとコミュニケーションをたくさんとり、チーム運営やスクラムのリードにつなげたいと思っています。

 

フレームワークの刷新を機に、「互いに教え合う勉強会」でさらなる開発効率アップを目指す

 

――今期も勉強会を開催予定だと伺いました。この第2回の勉強会はどのような背景や目的で開催されるのでしょうか。

プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ シニアエンジニア 佐藤 政美の写真

佐藤:dodaサイトのアプリケーションフレームワークを“ Spring Framework ”に変える「リフォームプロジェクト」が現在進行していて、2021年7月にフレームワークが刷新される予定になっています。
第1回(全9テーマ)で、皆さんにWebアプリケーションの基礎を一通り学んでいただいたところですが、開発のベースとなるフレームワークが変われば、当然実装のお作法も変わってきます。その新しいお作法を正しく押さえていないと、せっかくフレームワークを入れ替えて良いものにしても、開発の効率を上げることはできません。
そこで、アプリケーションを入れ替える今の“ソースコードの凍結期間”を利用して、みんなで新しい道具を使うための勉強をしようと考え、勉強会を開催することにしました。

 

――今回のテーマであるSpring Frameworkの知識は、参加される川又さん、遠藤さんにとっては、0から学ぶ感覚なのでしょうか?

川又:Javaはもともと個人でも勉強して触っていたのですが、Spring Frameworkについてはほぼ触ったことがない状態です。基礎的な部分から、改めて学んでいく心構えでいます。

遠藤:私は前の現場で使っていたのですが、当時は規模が小さくソースコードの量も少なかったので、なんとなくやり過ごしてきてしまった感覚が正直あります。改めてきちんと学ぶ必要があるな、という印象ですね。

 

――フレームワーク自体を理解されていても、「dodaサイトで」となると規模も大きいですし特有の開発課題もあるでしょうから、一筋縄ではいかないという感覚なのですね。

佐藤:だからこそ机上の勉強に終始せず、実際のリアルな環境で勉強してもらうことを大切にしたいんですよね。第2回も、フレームワークの使い方だけでなく、既存のソースコードとの連携などもふまえて、より実戦に近い内容にしていこうと考えています。

遠藤:前回佐藤さんが担当されたテーマでは、演習として実際に手を動かしたり「このような場合はどうなるでしょうか」と問題形式で答え合わせをしたりできる時間があって。テキストだけではできない、内製開発だからこその貴重な機会だと思いましたし、純粋に楽しかったです。

川又:ただ本を読んで学んでも、dodaに置き換えた時に「何がどこで使われているのか」「これが何のためにあるのか」が全くリンクしてこないので……この勉強会で実際のソースを見ながら勉強し、仕事への活かし方まで理解を深められるのはありがたいなと思っています。

 

――触りながら学ぶ、ができることこそ内製開発の良さかもしれませんね。Spring Frameworkの勉強会は、テーマ別で各担当が調べて発表し、教え合うスタイルだと伺っていますが、川又さん、遠藤さんはどのような思いで発表準備に取り組まれていますか?

プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ エンジニア 川又 颯の写真

川又:自分が伝えるとなると思っている以上に勉強が必要なので、教える側も学びが深まるのがいいなと思っています。
また、dodaに紐づけて伝えることは自分にもできると思うので、「この知識はここで使われている」など、調べたことと実際の状況を関連づけて進めて行きたいですね。
周りにいるのは自分よりも詳しく知っている方々ばかりなので、余計なプレッシャーも無く、まずは挑戦です。自分でできるところから調べて、わからないところは教えてもらおうという気持ちで、やっていければと思います。

 

プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ エンジニア 遠藤 あずさの写真

遠藤:私は今まで教えてもらう立場が多かったので、今回は少しでも還元できればという気持ちがあります。
また前回の勉強会では、技術的な話だけではなく、先輩方の話の構成や資料作成の方法などにも学びがありました。「なぜこのテーマを扱うのか」「どのように聞いて、最後にどうなって欲しいのか」なども伝えてくださり、論理立てて相手に物事を伝える、という視点でも勉強になったので、そこも参考にしながら今度は自分がアウトプットしていければと思います。

 

――ご自身でテーマを見つけて取り組まれていて、素敵ですね。佐藤さんは、お二人が認識されている「教える重要性」もふまえた仕掛けとして、今回の勉強会を企画されていたのでしょうか。

佐藤:そうですね。やはり自分が教えようとするとすごく一生懸命調べてくれるでしょうし、発信してもらうことでそれが正しいかを確かめ合うこともできますから。二人にもテーマを持ってもらおうと初めから決めていました。
dodaと紐付けて伝えようとすることで、dodaへの理解も一段深まって、もしかしたら「現状のシステムでは間違えた使い方をしているのかな」という発見もあるかもしれないですしね。

――そうやって新たな課題に気がつき、内製開発の皆さんがいる意義や価値が組織に還元されていくのかもしれませんね。

 

 

手を動かしアウトプットすることで、「知識」を超えて一人ひとりの自信に、そして組織の成長に

 

――最後に、今後のお話を伺っていきます。今回の勉強会を通じて実現したいことや、今後挑戦していきたいことをそれぞれお聞かせください。

遠藤:まずは今回Webアプリの基礎の勉強会を開催していただいたので、学んだことをきちんと自分の力にできるように復習して、これからの開発の根拠や自信につなげていきたいです。
またSpring Frameworkの勉強会も控えていますが、今後もさらに自分がアウトプットする機会を増やしていけたらと思います。

川又:知識的な面では、「知っているけれど、使いどころまでは意識していなかった」というようなポイントをクリアにして、点だった知識がdodaとリンクして線になるような理解を深め、自分を成長させていきたいと思っています。
また勉強したりdodaの案件に携わったりしていく中で、新米エンジニアでないと気づけないことがあるなと感じています。将来的には、経験の長い方には当たり前になっていて「なぜ?」と思わないようなところに着眼し、自分のように転籍してこれからエンジニアになっていく人にとっても親切なdodaであるように、開発をしていきたいです。

大橋:とても素敵な取り組みを佐藤さんが主導して作ってくださったので、組織としてこのような機会をもっと増やしていくことが大切だと思います。他の方々が主導する場も含めて、でも同様に教え合う文化を定着させられれば、より良い組織になるはずです。今後は、そのための準備にも取り組んでいけたらと思います。

 

プロダクト開発統括部 プロダクト開発部 doda開発グループ コンサルタント 大橋 直行の写真

 

――職種やチームを超えて、このような勉強会が活性化されていくといいですね。最後に佐藤さんからもお願いいたします。

佐藤:やはりエンジニア魂と言いますか、何かを作り出したいという気持ちは尽きないですし、当たり前のことではありますが学ぶことをやめたら成長できないので、今後もこのような機会をどんどん作っていきたいと思っています。その中で、座学だけではつまらないので、次は開発に役立つアプリケーションを作ってみるなど、「みんなでこんなもの作ろうよ」と実際に手を動かすようなことにも発展させていけたら嬉しいですね。

 ――素敵なお話をありがとうございました!

(取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈) 

 

プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ シニアエンジニア 佐藤 政美の写真



佐藤 政美 Masami Sato

プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ シニアエンジニア

SIer、会計パッケージベンダーを経て、2020年7月にパーソルキャリアに入社。入社後は、dodaサイト開発に携わりつつ、AWSを活用した新たな開発に取り組んでいる。

プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ エンジニア 川又 颯の写真

川又 颯 Hayate Kawamata

プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ エンジニア

メーカーでの設計開発を経て、2019年3月にパーソルキャリアに入社。入社直後は1年間BITAとしてdodaサイト開発のPMを担う。昨年5月にエンジニアに転籍し、dodaサイト開発のエンジニアとして開発業務に携わる。

プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ エンジニア 遠藤 あずさの写真



遠藤 あずさ Azusa Endo

プロダクト開発統括部 エンジニアリング部 dodaエンジニアリンググループ エンジニア

新卒で事務職に従事したのちエンジニアへ転身。社内システム開発の経験を積み、2020年10月にパーソルキャリアに入社。現在はdodaサイト開発に携わっている。

プロダクト開発統括部 プロダクト開発部 doda開発グループ コンサルタント 大橋 直行の写真



大橋 直行 Naoyuki Ohashi

プロダクト開発統括部 プロダクト開発部 doda開発グループ コンサルタント

2017年04月に新卒でパーソルキャリアに入社。dodaサイトの開発プロジェクトのPMとして業務に携わる。2020年からはスクラムマスターの役割を担い、アジャイル開発を推進している。現在は退職。

 

※2021年7月現在の情報です。