
はじめに
doda BizDevOps Group Advent Calendar 2025の11日目です。
本日の担当は、新卒で IT コンサルタント職として入社した木田が担当します。現在は、アプリ開発グループに所属し、doda のモバイルアプリのバックエンド開発に取り組んでいます。
今回は、現在携わっている社内向けプロジェクト「テストデータ検索ツール」について、開発を通じて得た振り返りと学びを共有します。
テストデータ検索ツール開発の概要
背景と目的
エンジニアやディレクター間で「該当のテストデータありますか」という問い合わせが日常的に発生していました。従来、この対応はディレクターからエンジニアに依頼し、確認・回答するというフローで進められており、リードタイムが発生する課題がありました。
この状況を改善するため、テストデータ検索ツールの開発を私に任せていただきました。
ツールを導入することで、どの職種の人でもテストデータを検索できる仕組みを構築し、従来の依頼・確認プロセスを排除することでリードタイムを短縮することを目的としています。
開発プロセス
開発プロセスとして、要件定義・ヒアリング → 企画書作成 → API 実装 / UI 実装 / インフラ構築まで、一連の工程を経験しました。
全く知識がない状態からのスタートでしたが、先輩方の力を借りながら進めることで、システム開発の全体像を理解する貴重な機会となりました。
しかし、開発は決してスムーズには進みませんでした。むしろ、各工程で多くの課題に直面し、その都度試行錯誤を重ねる必要がありました。こうした困難を乗り越える過程で、以下のような学びを得ることができました。
要件定義の難しさ
開発を進める中で、要件定義の難しさを痛感しました。
実装をある程度進めた段階で UI に関するアンケートを実施した結果、大きな仕様変更が必要となってしまいました。
それまでは、バックエンドエンジニアである自分やチームの視点でしかプロダクトを見ていませんでした。しかし、ディレクターやデザイナーから意見をいただくことで、視点の違いが浮き彫りになりました。
結果として手戻りが発生しましたが、この経験から
「よりユーザーに価値があるものを第一に考える」重要性を学びました。
トレードオフ
学生時代の開発では「使えればいい」という発想で進めることが多かったです。
しかし今回のプロダクトでは、社内向けとはいえ今後の機能追加を見据えた設計やテスト計画が必要でした。とはいえ、時間は有限です。
この中で常に問われたのは、
「スピード vs 品質」「自由度 vs 合意形成」というトレードオフでした。
何を優先するかを考え抜く過程で、開発における意思決定の重みを実感しました。
AI に任せきりにしない
開発中、AI を活用してコードを生成する場面もありました。しかし、AI に任せた結果、エラー調査に多くの時間を費やすことになり、
「理解せずにコードを書くのは絶対にやめよう」という教訓を得ました。
AI を使いこなすためには、自分自身の知識が不可欠であり、最終的な責任は自分にあるという意識を強く持つ必要があります。
新卒として時間をいただいている今だからこそ、基礎を学び、AI を正しく活用できる力を身につけることが重要だと感じています。
まとめ
今回の取り組みを通じて、多くの学びを得ることができました。要件定義の重要性、トレードオフの判断など、現場ならではの課題を肌で感じることができたのは大きな収穫です。
この経験は、今後の doda での開発にも必ず役立つと確信しています。
現在も開発は進行中です。より良いものを提供できるよう、引き続き改善を重ねていきます。

木田 開 Kida Kai
プロダクト開発統括部 doda グロース開発部 doda アプリ開発グループ
大学では情報学を専攻し、AI を用いたフェイクニュース検証に関する研究に従事。2025 年にパーソルキャリアに IT コンサルタントとして新卒入社。現在は doda アプリ開発において、バックエンドエンジニアとして開発業務を担当している。
※2025年12月現在の情報です。
