
はじめに
こんにちは。アドベントカレンダー 8 日目の記事です。
doda サイト開発にてシニアエンジニアをしている中澤です。独立系 SIer にてエンジニアをスタートして、さまざまな現場を経験した後、2018 年からパーソルキャリアにジョインしています。
ミルクへの切り替えプロジェクトを開始
子供が生後半年になり母乳中心の育児からミルク中心の育児へ移行しようと試みました。プロジェクトの目的は、夫婦どちらでも対応可能な状態を目指し、よりスムーズな家族運営することとしました。
スムーズに切り替えができるよう計画していましたが、トラブルが発生してしまいました。育児もシステム開発もトラブル発生時に重要なことが共通していると感じたため、その点について記載していきます。
予期せぬ体調不良の発生
切り替え直後は問題がなかったものの、次第に子どもの体調不良が発生しました。まず、お腹を壊してしまいこれに伴いおむつかぶれまで発生しており、子どもが泣き続けるという事態になりました。これにより、両親の心身の負担も大きくなってしまいました。 これはまずいと病院へ駆け込みつつ、家庭内でも対策を練ることにしました。
事象の確認
まず状況を整理しようとしましたが、病院で相談した現在の症状だけでは対策ができない状態でした。「おむつかぶれは新しいおむつを試したからでは?」「ミルクの種類が合わないからでは?」など、さまざまな憶測が飛び交います。
この時、妻が日頃から育児記録アプリなどで詳細なログ(ミルクや母乳の量と時間、睡眠時間、機嫌、排泄の回数や形状、色)を記録してくれていたため、その記録を確認することにしました。

移行時のインプット量のログ
原因となるもの
ログを確認したところ、「ミルクの量を増やしたタイミング」と「排泄回数の増加」が相関していることが可視化されました。
ミルク移行は将来的には避けて通れない対応です。医師に相談の上、 1 日のミルク総量を変えずに1回あたりのミルク量を減らし、回数を調整する対応をしてみることにしました。
対策実行:可観測性により安心安全の対策
1日に必要なミルクの総量や体重、睡眠時間などのログがきめ細かにあったため、 1 回当たりミルクの量を減らす対策はスムーズに実行できました。
万が一の場合も検知ができる状態というのは非常に安心感があります。
病院から処方された薬と合わせて対策した結果、体調不良もなくなり、子供も両親も安心できる状態へとなっていきました。
おわりに:ログみていますか?
ログがあることで原因の仮説が立てられ、仮説に基づいて対策を打ち、結果を確認できました。今回改めて痛感したのは、子供の体調不良に気付く早さも、対応策の精度も、すべては「普段から何が正常かを知っていること(可観測性の確保)」が大切だということです。
これはシステム開発でも同様で「異状を検知するためのログ」として異常を検知する仕組みにばかり注目してしまいますが、正常である状態を記録し把握することで異常検知の先の対応ができるようになります。
そのため、記録は非常に大切です。 ログはもちろんですが、CS(顧客満足度)を測る指標が、システム開発においてはお客様の声やNPSであるように、育児においては「子どもの笑顔」や「健やかな成長」です。これらを記録(写真や思い出)として残し、家族間で共有することで、家族の満足度も向上しました。
システム開発においても同様で、ログやNPS (顧客ロイヤルティを測る指標) などを定期的に見ることは、お客様の幸福とチームの達成感・安心感の両面に効果があります。この経験を胸に、これからも、お客様と従業員が共に幸せになるシステム開発を目指し、チーム一丸となって頑張っていきます。

中澤 勝 Masaru Nakazawa
プロダクト開発統括部 グロース開発部 doda_アジャイルCoEグループ シニアエンジニア
2018年6月にパーソルキャリアへ中途入社し、、EFOなどdodaサイト開発に携わる。
※2025年12月現在の情報です。
