VRゴーグルを使ってはたらいてみた#techtekt Advent Calendar 2022

クリスマスまであと4日。
こんにちは。今年のクリスマスはケーキをドカ食いして気絶したい気持ちなサービス開発部の相川です。
ご家族やパートナー、友人へのクリスマスプレゼントはもうお決まりでしょうか?
21日目の本日の記事は、タイトルの通り、VRゴーグルを仕事で使ってみてわかったことについておはなし。これを読んだあなたは、ひょっとすると大切なあのひとへのプレゼントにVRゴーグルを選びたくなるかもしれません・・・

VRゴーグルとの出会い

2022年7月ごろ、部内のチャットツールに一通のこんなお知らせが届きました。

VRゴーグル貸出のお知らせ
それまで私は、VRゴーグルというものをちゃんと使ったことがありませんでした。部署としてはオンライン業務でどの程度使えるのか、またVRゴーグルを使った新しい働き方を模索するため、フィジビリティとして導入した、とのこと。
さすが、"はたらく"を扱う弊社ですね。弊社では、私の所属しているサービス開発部をはじめとして、多くの部署がリモートワークをしています。世間でリモートワークが珍しいものではなくなっていく中で、リモートワークに関するいろいろな取り組みが行われています。
せっかくはたらき方についていろいろと試行錯誤ができる会社、部署にいるんだから、試さなきゃぁ損ですよね。それに単純にあまり触ったことのないVRゴーグルとやらも実際に使ってみたい。そんな思いでVRゴーグルの貸出申請を行うことにしたのでありました。
※本施策は、感染症対策を十分に行った上で実施しています。
とっても簡単だった貸出申請

ファーストインプレッション

貸出申請を行なってから数日後、無事VRゴーグルを迎え入れることができました。
早速装着して初期設定を行います。初期設定ではコントローラーを接続したり、アカウントを作ったり、ヴァーチャル空間の歩行エリアを設定したりします。
歩行エリアを設定するのは、現実世界の壁や物体にぶつからないようにするためですね。設定が終わると、チュートリアルを兼ねたゲームをプレイすることができました。
これがVR初心者の僕にはなかなか面白く、ついついやり過ぎてしまいます。これは面白い。こんな空間ではたらけば、さぞかし仕事も捗るだろう、そう実感しました。

一人で夜な夜なはしゃぐ筆者

VRゴーグルをつかってどうやってはたらくのか

さて、ここからが本題です。VRゴーグルを使って働いてみたお話になります。
VRゴーグルのワーキングアプリで有名なものに、immersedというものがあります。VR空間にPCの画面を表示させることができるアプリです。マルチディスプレイにも対応しています。また、複数人で空間を共有し、擬似的にオフィスにいるように一緒に仕事もできるそうです。
今回は、普段一緒に仕事をしているチームメンバーにVRゴーグルユーザがいなかったので、ソロプレイで利用してみた感想を書いていきます。 実際に使うまでの詳しい手順は省きますが、そこまで難しい設定はなかったとおもいます。

いざ仮想の仕事場へ

実際の画像がこちらです。
なかなか壮大な景色ですね。

仮想空間と配置されたディスプレイ

もちろん、仮想空間なので、横一列以外にも上や下、背面まで、好きなところへ配置できます。
ディスプレイの配置は、いつもの作業と同じように配置してみました。参考までに、私のリアルなデスクはこんな感じです。

リアルの筆者のデスク

操作感

早速使ってみて気になるのは、実際の操作と、仮想空間内のディスプレイの表示に若干のラグがあることです。この操作を行なっている時、VRゴーグルとPCは直接接続されていません。ワイヤレスで映像をリアルタイムに通信するとなると、やはり操作のラグは避けられないようです。
今回使ったアプリケーションでは、PCとの映像のやり取りをWiFiを通じて行なっているようです。なので、ラグの大きさはWiFiの通信速度によるところが多いようでした。
私の仕事部屋は、無線LANのが隣の部屋にあるため、試しにドアを開け放してみたところ、このラグは多少改善されました。暖房効率を犠牲にして快適な操作感を手に入れました。

つけてみるまでわからなかった欠点と、思わぬ収穫

実際に使ってみて、あぁ、そうだよね、と気づいた問題点がありました。
デスクの上が見えなくなることです。
私は仕事中によくコーヒーを飲むのですが、仮想空間の中では、コーヒーがどこにあるのかわからず、危険です。手探りでコーヒーを探すと、デスクに中身をぶちまけてしまいかねません。
当然、キーボードやマウスの位置も見えないので、キーボード操作の際はブラインドタッチのスキルが必須となります。これを解決するために、immersedには手元のみ現実空間を表示する機能が存在するのですが、私の使ったVRゴーグルは、赤外線カメラしか利用できないため、キーボードに印字された文字を確認するのは結構難易度が高かったです。この機能を使ったとしても、やはりブラインドタッチのスキルは必須なようです。
恥ずかしながら、私はブラインドタッチを習得していなかったため、この環境で作業することに慣れるまで時間がかかりました。ですが、そのおかげである程度ブラインドタッチを習得することができました。

仮想ディスプレイの視認性

視認可能な情報量は、リアルのディスプレイと比較すると減ってしまいます。やはりVRゴーグル自体がディスプレイなため、仮想空間内に描画されている仮想のディスプレイに書かれた文字は現実のディスプレイと比較すると読みづらいです。小さい文字となると、顔をぐっと近づけるか、画面を拡大しないといけません。
私はフロントエンドエンジニアなので、プログラミングを行うことが多いのですが、この仮想空間でコーディングをするとなると、デフォルトの文字をかなり大きくしないと厳しい感じがしました。そうなると、必然的に1画面で表示できる情報量がリアルのディスプレイと比較すると落ちてしまいます。
試しに仮想空間のディスプレイサイズをぐんと大きくしてみましょう。

巨大化させたディスプレイで小さい文字を読もうとしている図

画像では分かりにくいかもしれませんが、ディスプレイサイズはかなり大きいです。上の方を見上げていると首が痛くなります。
他のディスプレイを見るためには首を90度回転させる必要がありそうです。だた、これだけ巨大なディスプレイを作れるというのは物理ディスプレイでは実現できない、VR ゴーグル特有のポイントですね。
細かい文字を追う作業には向きませんが、映画鑑賞なんかは迫力があっていいかもしれません。



装着による負荷

長時間の着用は、身体的に辛いです。最近のVRゴーグルはスタンドアローンのものも多く、やはりそれなりの重量があるため、長時間の使用は首が凝る原因になりそうです。また、VRゴーグルの重さが頬のあたりにかかるので、頬のあたりも段々痛くなっててきます。
ある程度はバンドの調節で軽減はできますが、完全に無くすことは、現段階では難しいでしょう。今後の技術の発展によって、より軽量なVRゴーグルが登場することを願うばかりです。

リモートワークといえば。。。

リモートワークといえば、オンラインミーティングがつきものですよね。このゴーグルをつけてミーティングに参加すると、カメラに映るあなたは、当然こうなります。

VRゴーグルでミーティングに参加する筆者
ところが、一部immersedに対応しているミーティングツールだと、仮想のカメラを仮想空間に設置して、仮想の自分を映し出してくれたりします。もちろん、頭の向きは実際の動きに連動します。
仮想カメラによって映し出された筆者のアバター


これには未来を感じました。ロマンがありますね。ちゃんと自分の分身として、アバターをよりしっかりと作り込みたくなりますね。
私のいる部署では、すでにアバターでミーティングに参加している方も何名かいらっしゃるので、この機能を使っても特に反発はなさそうです。

結局、VRゴーグルを使ってはたらくことは可能なのか

これは、あくまで私の個人的な感想に過ぎませんが、結論から言うと、可能ではあるが、まだ早い、といった感想です。 私の使い方では、現状では、生産性を下げることになるのではないかと感じました。 その主な理由としては、前述の3点になります。

  • 仮想ディスプレイの解像度
  • 装着による疲れ
  • デスクの上を確認しにくい

現状で使えるシーンがあるとすれば、出先で複数ディスプレイを利用したい時でしょうか。
今回利用した機材では、PC1台と接続することで、実際には存在しないディスプレイを仮想空間に配置することができます。そのため、ノートPC1台と、VRゴーグルを持ち歩けば、ディスプレイを持ち歩かずとも複数ディスプレイで作業が可能です。ただし、モバイルディスプレイが普及し始めている昨今では、そちらを使った方が幸せになれそうな気もします。

とはいえ、VRゴーグルやそのアプリケーションの進化にはかなり驚きました。実際に使ってみると、この先の更なる発展に期待して、ワクワクしてしまうことは間違い無いですね。
仮想空間にはロマンの塊です。この先、さまざまな課題がクリアされていき、VRゴーグルを使ってはたらくことが当たり前になる未来が来るかもしれません。そうなった時に、VR空間を他の人より使いこなせるようになっていたらカッコいいかも・・・、そんな気持ちで今のうちからVR空間になれておくのもいいかもしれません。

相川 大吾 Daigo Aikawa

エンジニアリング統括部 サービス開発部 第1グループ

2021年4月に新卒でパーソルキャリアへ入社。フロントエンドエンジニアとしてtoB、社内向けサービスの開発に従事。

※2022年12月現在の情報です。