この記事はtechtektアドベントカレンダー2023の25日目の記事です🎁
はじめに
こんにちは。
HR forecasterというプロダクトの開発をしている松本です。
HR forecasterのデザイナーチームが作成したFigmaを元に、ランディングページのコードを自動生成できないか調べたので、結果を共有したいと思います。
この記事のターゲット
- Webエンジニアの方
- Webデザイナーの方
- ランディングページを作成したい方
Figmaとは
Figmaは、デザインとプロトタイピング界隈で人気のツールの一つです。
主にフロントエンドのUI/UXデザインを行うクラウドベースのツールで、リアルタイムでデザイン作業を共有することが可能です。
これによりスムーズなコラボレーションやコミュニケーションが実現します。
エンジニアの私はFigmaをWebサイト構築の元データとして参考にしています。
今回コードを生成するFigmaプラグインを導入していくのですが、それには編集権限が必要です。
背景
HR forecasterではデザイナーチームがFigmaを使ってWebアプリやランディングページのデザインを作成しています。
年明けにHR forecasterのランディングページを新しくすることになったので、ランディングページの開発体制について検討していました。
その際に、すでに資産としてあるFigmaデザインからコードを綺麗に生成してコスト削減をしたいと思い、調査を行いました。
Figmaデザインからコードを作成する利点
利点は以下の2点です。
自動的なコード生成により、開発者は時間と労力を節約できます。
デザイナーは自身の得意分野ではないプログラム領域の作業を削減できます。
総合的には時間的なコストカットによる恩恵が大半です。
後で記載する問題点がなければ他にも
一致性の自動確認
職能をまたぐスムーズなコラボレーション
なども利点に入ってくる可能性があります。
多くのFigmaプラグインは無料なのでプロダクト初期の段階では利用する利点はあると考えられます。
Figmaデザインからコードを作成する問題点
最大の問題点は完全なデザイン再現度で生成されるわけではないことです。
元のFigmaデザインにもよると思うのですが、今回私が生成したHR forecasterの新ランディングページではデザインの再現性が100%というわけにはいきませんでした。
他の問題点としては今述べたデザイン再現度に起因することが多く
デザインと一致させる為に生成されたコードの手直しが必要
コードを手直しする必要があるので2回目以降自動生成を継続的に行うことが困難
などがあります。
各ツールの総合的な比較
私の主観により以下の項目に分けて各ツールを比較しました。
料金:ツールの利用料金
デザイン:デザインの再現性
コード:エンジニア視点でのコード品質
フレーム出力:Figmaのフレーム単位で出力できるか(一部のツールはコンポーネント単位でしか出力ができません)
HTML:コードをHTMLとして出力できるか
React:コードをReactとして出力できるか
名前 | 料金 | デザイン | コード | フレーム出力 | HTML | React |
---|---|---|---|---|---|---|
公式 CodeGenerator | 無料 | △ | ◯ | × | × | ◯ |
anima | 有料 | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
clapy | 無料 | ◯ | ◯ | ◯ | × | ◯ |
Builder.io | 無料 | ◯ | △ ※1 | ◯ | ◯ | ◯ |
Locofy.ai | 無料 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
※動作確認できなかったものは省いてあります。全て Figma のプラグインでの計測です。
※1 Builder はボタンが CSS ではなく画像で出力されてしまう。
総合的にはどのツールを使っても問題点で挙げた「完全なデザイン再現度で生成されるわけではない」を解消することはできませんでした。
更新が入らないプロジェクトではコスト削減の利点がありますが、継続的に利用していくのは現段階では厳しいと感じました。
しかし、animaは流石に有料版ということもあり、他のツールよりも頭ひとつ分デザインの再現度が高い印象でした。
各ツールの所感
公式 CodeGenerator Beta
- Figma Pluginサイト
- デザインの小さい分割単位を React コード生成するツール(小さい分割なので基本はコンポーネント単位)
- Figma 内部でReactのコードが簡単に確認できる
- 無料
- ❌コンポーネント単位でしかで出力できない
- React のコードのみ
anima
- Figma Pluginサイト
- 公式サイト
- 出力結果は全体で一番綺麗
- 無料版ではWebサイトによるソースコードとデザインの確認までで、ダウンロードは有料版の契約が必要
- レスポンシブ もある程度できる
- 有料
- フレーム単位で出力が可能
- React と HTML+CSS どちらも出力可能
clapy
- Figma Pluginサイト
- 公式ドキュメント
- 公式サイト
- コード品質は悪くなく、コンポーネントに分けてくれている
- 無料
- フレーム単位で出力が可能
- React と HTML+CSS どちらも出力可能
Builder.io Beta
- Figma Pluginサイト
- 公式ドキュメント
- 公式サイト
- 旧名称:Figma to HTML, CSS, React & more!
- 同社のアプリ版があるがこちらは Figma のプラグインを検証
- ❌ボタンなどが画像になってしまう
- 無料
- フレーム単位で出力が可能
- React と HTML+CSS どちらも出力可能
Locofy.ai Beta
- Figma Pluginサイト
- 公式サイト
- 公式サイトでもプロモーションされているが、GitHub などに連携可能
- 無料
- フレーム単位で出力が可能
- React と HTML+CSS どちらも出力可能
さいごに
今回HR forecasterでは総合的な判断からFigmaからコード生成するツールを採用することはなかったのですが、近い未来ランディングページやUIの表層領域はツールに任せてしまえるという印象を受けました。
年初にChat GPTが話題になった際に、生成系AIの進歩によって現在のITエンジニアはプロンプトエンジニアにシフトしていくだろうということが言われていました。
まず、そこに向かうステップの一つとしてUI/UXの表層領域はUI/UXデザイナーさんと生成系AIの領域にシフトしていくのかなと感じさせる結果でした。
松本 健作 Kensaku Matsumoto
テクノロジー本部 エンジニアリング統括部 クライアントサービス開発部所属 リードエンジニア
2023年2月にパーソルキャリアに入社。現在はHR forecasterの開発に従事。
※2023年12月現在の情報です。