家族との何気ない会話から情報リテラシーについて考えたお話 #PERSOL CAREER Advent Calender2025

はじめに

パーソルキャリア株式会社にて開発チームのスクラムマスターをしている大森です。
そのロールを担うようになったのは、2025 年 10 月です。スクラムイベントの準備や支援をしています。周囲のサポートを受けながら四苦八苦して経験を積んでいます。

先日、ひょんなことがきっかけで情報リテラシーについて考える機会を得たので紹介いたします。  
当記事では、以下の定義に沿った情報リテラシーを用いることにします。

情報リテラシーの定義

情報リテラシーの定義には、情報機器の操作などに関する観点から定義する場合(狭義)と、操作能力に加えて、情報を取り扱う上での理解、更には情報及び情報手段を主体的に選択し、収集活用するための能力と意欲まで加えて定義する場合(広義)がある。

総務省 第1章第3節1. 情報リテラシー : 平成10年版 通信白書

Webサイトの広告についての父との会話

私は、先日久しぶりに実家へ帰省しました。  
滞在中、父から以下の問いかけを受けました。

「天気の Web サイトなのに車の広告が出るのは変だ。関係無いものが出ているのだからこれはウィルスだよ。アンチウィルスソフトも入れているが消えない。どうにかしてくれ」

その広告はウィルスではないこと、Web サイトとそこに出る広告は必ずしも近しいジャンルのものになるとは限らないことを説明しました。私は父へ説明をしながら驚きました。
父は、定年退職まで電気機器の製造業に勤めあげた人で機械に疎くはありません。趣味は無線いじりです。父の部屋には PC があり、物心ついたときに使い方を教わったこともあります(余談ですが私の記憶している限り、人生で最初に観た映画は父の部屋で観たトップガンです)。
驚いたことは、日常的に PC を使っているだけでは、Web サイトの動作を支える技術までは見えてこないということでした。 それは、同じ Web サイトを閲覧したとしても、見る人によって受ける印象や目につくポイントが異なるということでもあります。その認識の違いは、悪意のある情報や誤った情報に出会った際の受け取り方や解釈にも影響を与えます。

このWebサイト、なんか怪しい…

調べものや商品を探しているとき、普段閲覧しない Web サイトにも出会うことがあります。ページを見ていて気になる点が出てくる場合があり、そのときは閲覧を切り上げて別の Web サイトで探します。気になる点の例として以下のようなものがあります。

  • 外部サイトへのリンクの数が異常に多い。
  • フォームが脈絡もなく設置されている。
  • 突然画面がリロードされたりスクロールされたり、意図しない動きが多い。
  • 常識的でないレベルで簡素な作り(最低限のCSSすら使われていないと感じる)。
  • デザイン的に違和感のある謎のスペースが散見される。
  • 情報の根拠が全く示されていない。

私の感覚でしかないものもあるため標準的な指標ではないです。Web サイトを閲覧しているときはこれらのことを無意識にチェックしていて、留まり続けるべきかの判断をしているということです。もちろん、これらに該当していても内容自体は有益な Web サイトもあるでしょうが、自分の情報や資産を守るために念のため距離を取ります。私は自分の情報リテラシーについてまだまだだと感じることも多々ありますが、システム開発に携わってきたことで情報を吟味する最低限の姿勢が身に付いていると言えます。

一方、情報リテラシーに不安がある方が同じ状況に身を置いたらどうでしょうか。違和感を覚えずにさまざまなリンクを押下したり、悪意のあるフォームに個人情報を入力したり、知らぬ間にスクリプトを実行させられたりしてしまう可能性があります。また、これらをチェックしておけば絶対安全だというリストがあるわけでもなく、よく利用する Web サイトであっても、脆弱性を突かれて悪意のあるプログラムが仕込まれていることもあります。

システム開発に携わるエンジニアとして何ができるのか

私はシステム開発に携わるエンジニアとして以下の点を意識する責任があると考えています。その責任を果たすことで、人々の情報リテラシー向上の一助ともなるのではと考えています。

  • 分かりやすいUI/UX
  • セキュリティ強化(脆弱性対策)
  • 情報の信頼性確保(出典と根拠の明示)
  • ユーザー支援(使い方ガイドや誤操作防止の仕組み)

これらは以下を根拠としています。より一般的な内容はそちらをご参照ください。

Jakob Nielsen 

10 Usability Heuristics for User Interface Design - NN/G

(日本語版)

 

IPA

安全なウェブサイトの作り方 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

利用者が安心して情報を扱える環境を提供し、日々知識のアップデートをしていくことが重要です。
システム開発に取り組む際の条件は常に一定でないため、バランスを調整する必要はあります。
その中で、要求通りに実装するのではなく、安全で使いやすいシステムとして提供していくことで、間接的に利用者の「なんかおかしい」「言葉にできないけど変だな」と察知する力の向上に貢献できたらと考えています。

おわりに

AI 技術の飛躍的な進歩に伴い、私たちを取り巻く情報通信技術は益々複雑で多様なものになっています。IT 従事者だからと油断しているとあっという間に足元をさらわれてしまうので、いくつになっても学びの姿勢を大事にしたいですね。

 

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大森勝平 Shohei Omori

プロダクト開発統括部 dodaグロース開発部 dodaサイト開発1グループ

前職ではコーポレートサイトの運用と保守、公文書システム更改案件に参画。2023年3月にパーソルキャリアへ中途入社。現在は会員登録やカウンセリング予約領域の開発チームでスクラムマスターに従事。

※2025年12月現在の情報です。