
- 自己紹介
- はじめに
- 「AIトレンド動向」に正解はあるのか?
- そもそも「AIトレンド動向」理解は必要か?
- 「AIトレンド動向」理解の難しさとは?
- 「AIトレンド動向」理解で重要なのは?
- 「AIトレンド動向」理解の効率的な方法とは?
- 今後の「AIトレンド動向」での着目点とは?
- 要点のまとめ
自己紹介
こんにちは、データ・AIソリューション本部 データ・AIインフラ統括部 中里です。
主にデータ・AIに関連する企画、分析などに携わっています。
今回、ビジネスや実務に役立つ「AIトレンド動向」の捉え方について記載しますが、あくまでも筆者の個人的見解であり、公式見解ではありません。
個人的に、テクノロジーの「トレンド動向」理解にはポジティブな側面が多く、情報に取り残されないことで提案や意思決定の質が向上したり、情報を下敷きにコミュニケーションが円滑になったり、ビジネスチャンスの発見につながると考えています。他にも、好奇心を満たすことができ、キャリアにおける自分の価値観のアップデートにつなげられたりもします。
はじめに
「AIトレンド動向」とは、広い言葉です。
AIや周辺テクノロジーが加速度的に発展し、人も、企業も、社会も、目まぐるしくその影響を受けています。果たして、「AIトレンド動向」を理解し、ビジネスや実務に活かすことは現実的なのでしょうか。
過去に、筆者自身は、AIだけでなく「テクノロジー」×「ビジネス」で「トレンド動向」分析(広義)を何度か実施しており、少なくとも、パーソルキャリアでは、AIをはじめとした「トレンド動向」に意識を向け、人や企業、社会について、現在と未来をとても真剣に考える姿勢があると、筆者個人としては考えています。
本記事では、読み終わった方が、自分なりの「実務におけるAIトレンド動向理解」に手応えを得られることを目指しています。
※ここでのAIは広義で、LLM、生成AI、エージェンティックAI、フィジカルAIなどすべてを包含します(説明は、分かりやすさのためにシンプルにしています)
「AIトレンド動向」に正解はあるのか?
筆者自身は、2025年の冬頃から「AIトレンド」という言葉を聞く機会が急速に増えた印象を持っています。AIトレンドに関する「興味深い情報が乱立している」といっても過言ではない状態です。
普段使いのAIに、チャットで質問すれば数秒で直近の「AIトレンド」を解説してくれます。読み応えがあります。
多くのAIで、回答は明快で、説明力も高いのですが、プロンプトを投げるたびに回答が変わります。プロンプトの精度を上げようと一文追加すると、回答がさらに変わります。どの説明にも、一定の説得力があります。
真に「知りたいAIトレンド」に回答を得られているのか、AIにプロンプトを投げるほどに、混迷は深まるばかりです。
そもそも「AIトレンド動向」理解は必要か?
AIの発展の影響で、昨日の最新テクノロジーが、翌日には価値が半減するともいえる時代になりました。AIや周辺テクノロジーについて、どこまでキャッチアップし続けるのか、途方もなく感じるときがあります。
際限のない情報の中で、本質だけを理解したい。「AIトレンド動向」理解とは、まさにそのような試みの1つだと考えています。
今や、多くの企業やビジネスに携わる人にとって「AIは無視できないもの」です。発展スピードは非常に速く、ビジネスに対する大きな不確実性を伴います。
ビジネスの未来を考えるときに、自分が知りたいテーマでAIトレンド動向を理解できれば、それは、大いに助けになるのではないでしょうか。
「AIトレンド動向」理解の難しさとは?
AIを用いると、人間のスピードを凌駕する広さ・深さで情報を収集できます。その一方で、思わぬところで時間がかかることもあります。
例えば、ハルシネーションとは別次元で、「信頼できる情報」で「情報源が明確」であっても、「全体像を捉えることの難しさ」があります。何らかの条件を介して情報が抽出されているため、その情報を使うのが適切なのか、判断の難しさがあります。
マーケティングを例にあげると、市場の全体像が分からないために、市場規模を算出できないイメージです。施策の内容次第ですが、全体の規模感を知らずに意思決定するのは難しいと感じられることもあるのではないでしょうか。
「AIトレンド動向」をビジネス上の意思決定に用いる場合、その変化のインパクトがどの程度の大きさなのか、ビジネスの全体構造を変え得るものなのかなど、変化の影響度を見極めたい気持ちはあると思います。
AIが収集できるデータは桁違いに多く、ピックアップされたデータの適切性やファクトチェックのために、膨大な工数が必要になります。
この果てしなくも思える工程を、効率的に進めることはできるのでしょうか。
「AIトレンド動向」理解で重要なのは?
「AIトレンド動向」に関して、情報の精査を効率的に行う上で、「手触り感」が重要だと、個人的には考えています。
「AIトレンド動向」理解に必要な「手触り感」は、多くのAIトレンドの情報に触れ、文字通り「手で触るような感覚を掴む」ことで習得可能だと筆者自身は感じています。
(代替案も記載しますので、最後まで読み進めていただければ幸いです。)
あくまでも筆者個人の方法で、すべての方に当てはまるとは限りませんが、自学習で始めたことがAIトレンドを理解するのに役立っていると感じます。1日3件ずつ、テクノロジーを活用した新しさや面白さのあるサービスをピックアップし、気づけば2年半経ち、2026年1月末時点で1,570件を超えました。
当初は、HRテクノロジー系のサービスをウォッチしていましたが、次第に領域は拡大し、テクノロジーの種類も多種に広がっていきました。最近では半導体やチップなども見ています。
「毎日探し続ける」ことで養われる「手触り感」が確かにあるように感じています。あくまでも筆者個人の学習上の感触としては、テクノロジーに伴うトレンド動向の「全体像」が見えてくることで、「トレンド動向の変化に関する仮説」が、外れる可能性が低くなると感じるようになりました。
「AIトレンド動向」理解の効率的な方法とは?
「ある領域での深い手触り感」が、膨大な情報のよしあしや、情報との付き合い方の見極めの羅針盤になりうると感じています。決して万能ではないのですが、少なくとも、現時点では、判断の参考軸になりうると考えています。
筆者が個人的に考えているものですが、「AIトレンド動向」理解の「手触り感」を得る、さらに効率のよい方法の一例をご紹介したいと思います。
「ビジネスや実務の全体像の手触り感」であれば、すでに「手触り感」をお持ちの方が多いのではないかと想像してのものです。
<ビジネスや実務で役立つ「AIトレンド動向理解」の5つのステップ>
- 手触り感のある「実務での全体像」で漏れや重複のない要素を整理:
ビジネスドメインや業務プロセス、フレームワークでの整理など - AIトレンド動向理解の「実務上の目的」の明確化:
目的が定まらない状態で、情報収集に時間がかかり過ぎることを防ぐ - 「深掘り理解したい軸」を設定:
目的を上位に、AIトレンド動向として深掘りしたいポイントを絞る - 「AIを活用」してのAIトレンド動向の深掘り分析の実施:
1~3を踏まえ、「実務の全体像」の整理で「深掘り」した出力結果をチェック - AIトレンド動向のまとめ:
4の手触り感のある状態で確認した結果から、まとめやインサイトを抽出
<AI活用時に陥りがちな罠を防ぐポイント>
- 「AIを使うこと」を目的としない:
「実務をうまくいかせる」ことを目的に、「AI」を位置づけ - 「AIによる時間短縮」を目的化しない:
手触り感のある全体整理で、「質」のコントロール不全を防ぐ - 「AIの柔軟な変化」を前提とする:
頻繁なアップデートなど、AIが変化し続ける前提でも機能する整理を意識
今後の「AIトレンド動向」での着目点とは?
最後に、個人的に着目している「AIトレンド動向」を3つご紹介します。
- 「AI活用の方法を探る」トレンドの発展可能性
AIや周辺テクノロジーの目覚ましい発展は事実で、個人的に、今後、多くの企業でAI活用が推奨されるのでは…と考えています。その一方で、AI自体の種類が増加し、細分化、多様化しているのに対して、企業での活用は限定的です。今後、人を含め「AI活用の方法を探るトレンド」は大きくなると考えられます。 - テクノロジーを巡る「日本とグローバルの乖離の縮小」
3年前には、海外で流行したものや考え方が、数年後に日本に輸入されると考えていました。もし過去からのイメージを持ったままである場合には、その前提を疑ってもよい時期だと感じます。ある側面では、グローバルとの差は小さくなっている印象です。 - AIが「企業のビジネス環境の構造的な変容」をもたらす可能性
デバイスや家電をはじめ、あらゆるサービスやプロダクトがAIを搭載する可能性があると感じており、「AI搭載可能性」により、多くのビジネスが影響を受けるのではと個人的に感じています。企業の競争関係などビジネス構造そのものが変容する可能性があると筆者は感じています。
自分なりの、あるいは自社なりの「AIトレンド動向」理解や、それに基づいたビジネスの未来像を描くことは、更なる成長のために有益な挑戦になると筆者は考えています。
要点のまとめ
- AIの登場で「AIトレンド動向」理解の情報収集の量も質も向上
- その一方で「ビジネスや実務で有益」な「AIトレンド動向」理解に難しさ
- AIの出力結果が「信頼できる情報」で「情報源が明確」で「ハルシネーション」がない状態であっても、検討に必要な情報の網羅性に確信が持ちづらい
- 情報が溢れているからこそ、経験的な「手触り感」が判断の参考軸となりうる
- 「実務における全体像の整理」の「手触り感」を活かして「AI」を組み込むことで、コントロール不全に陥らず「実務に役立つAIトレンド動向」理解ができる
- 今後着目すべき「AIトレンド」は、「AI活用方法を探るトレンドの拡大」「日本とグローバルの乖離の縮小」「企業のビジネス環境の構造的な変容可能性」
- 今後、多くのサービスで「AI搭載の可能性」があり、ビジネス環境が構造的に変容する可能性も
- 自分なりの、あるいは自社なりの「AIトレンド動向」理解や、ビジネスの未来を描くことは、さらなる成長のための有益な挑戦になりうるのでは

中里 しのぶ Nakazato Shinobu
データ・AIソリューション本部 データ・AIインフラ統括部 AIインフラ部 AIPMグループ
シンクタンクや外資系マーケティングリサーチ、コーチングファームなどでアナリティクスを中心に従事。前職はSIerでBIツール導入支援などに携わり、2019年5月にパーソルキャリアに入社。現在は、データ・AI関連の企画や分析、組織のAI状態の指標化検討などに従事
※2026年2月現在の情報です。
