パーソルキャリアには、社員一人ひとりが自分に合うはたらき方を選択するため、リモートでの勤務も可能なチームが多くあります。UXリサーチグループも基本的にはリモート中心。全国の広い範囲から働ける環境となっていることから、広島・福岡を拠点に働くメンバーも在籍しています。
今回は、遠距離でもUXリサーチグループが保有する本を気軽に借りることができる「UXリサーチグループの本棚」の取り組みをご紹介します。
どうしてこのような取り組みを始めたのか、UXリサーチグループの本棚を企画した坂部に、導入の背景と狙いについて迫ります。
※感染予防対策には十分考慮したうえで実施しております。
※坂部は退職していますが、本人の同意を得て、掲載を継続しています。
「リサーチチームの本棚」とは?
UXリサーチグループリーダーの坂部が保有しているUXやデザインに関連する本(約100冊)をオフィス本棚に格納。メンバーが読みたいと思った本や、オススメの本を直接読んだり借りたりするだけでなく、郵送対応もすることで全国どこに居ても気軽に読めるようにしたもの。
ー 「UXリサーチグループの本棚」を導入した経緯について教えてください。
坂部:UXリサーチは学ばなければならないことが本当に多いと思います。例えば、私たちリサーチャーは、ユーザーの理解を深めるため、心理学や行動経済学を学んでいます。それだけでなく、「UX」とつくからには、情報設計やサービスデザインなどの領域も知識として得ておく必要があります。
以前、オフィスに出社して働いていた際も、基本的にデスクに本を置いていて、自分だけでなく、メンバーも知識を書籍からインプットできるようにしていました。
リモート勤務になり、一度すべて自宅に持ち帰りましたが、「本をチームのために使う方法はないか?」ということは常に頭にある状態でした。
そんなときに、部単位で同じ本(『GIVE&TAKE』)を読み、「共通言語」を作る体験をしました。手軽に本が手に取れる仕組みを作れば、物理的にオフィスに出社できない距離でも情報格差を埋めることができると確信しました。
参考記事:カルチャーデック浸透施策 第2弾--『GIVE&TAKE』共有会 - techtekt
ー 具体的に、どのように本の貸し出しをしているのでしょうか。
坂部:なるべく、本の背表紙を見ながらお互いに会話しあって選ぶようにしています。図書館司書さんがオススメを選んでくれるような体験に近いかもしれません。
遠方に住んでいるメンバーにも、なるべく同じような体験をしてもらいたいため、オンラインコミュニケーションツールを使いながら中継し、本を選ぶことにも挑戦しています。
福岡にいるメンバーの小野から「リサーチャーとしての専門的知識もインプットしていきたいと考えているが、これから業務にてサービス開発に携わる身として、デザインの考え方・理論など、概念的な学びに挑戦したい」と話があり、坂部が該当する本を何冊かピックアップ。本棚の様子や選んでいるところを中継しながら、読んだことのない本をいくつか紹介しました。
ー 選んでもらったメンバーの反応はいかがでしたか?
坂部:小野からは「こういった本は普段読まないので、一人で自身の興味と照らし合わせて書籍を選ぶことがこれまで難しかった。今回、読むきっかけをもらったので、届くのがとても楽しみ!」と言ってもらえました。
また、他のメンバーからも
- 現役のリサーチャーが実際にスキルアップ目的で読んだデザイン本だけがまとまっている本棚は、リアルな書店だと出会えない
- 今までも、リサーチャーからこの本が役に立ちそうだけどどう?と薦めてくれることもあったが、URLが送られてくるのと、現物があるのとでは大違い
といった反応を受けています。この本棚の仕組みを使い倒してもらい、メンバーの学びをさらに促進したいと考えています。
ー 学びの促進、いいですね!
坂部:興味を持って、たくさんインプットしてもらいたいと思います。一方、リサーチの知識は、インプットするだけでは身につきにくいものです。他のメンバーに紹介したり、スライドなど発表できる形に整理するアウトプットを行うことで、さらに学びのサイクルが身に付くと考えています。
今後、リサーチチームが気になった本をtechtektでも紹介させていただこうと思っていますので、どうぞお楽しみに!
ー ありがとうございました!
坂部 佑磨 Yuma Sakabe
エンジニアリング統括部 UXデザイン部 UXリサーチグループ プロデューサー
マーケティングリサーチ会社に勤めた後、IT企業にてECサイトのUXリサーチを担当し、複数のプロジェクトを経験し2020年にUXリサーチチームのリードディレクターとしてパーソルキャリアにジョイン。サービス開発統括部が関わるサービスのリサーチをすべて担当し、リーダーの役割も担い、複数のメンバーの育成も担う。デザインスプリントやワークショップなどの適切な手法を通じて、新規サービスの意思決定のためのデータ提供ができるチーム作りに取り組んでいる。現在は退職。
※2021年11月現在の情報です。