“ガバナンス”と”ITマネジメント”を担うテクノロジー企画グループってどんなところ?

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テクノロジー本部では、アカウンタビリティの明確化と組織力向上のために、プロジェクトごとに審議会や報告会を実施しています。その運営を担うのは、テクノロジー企画グループのゼネラルマネジャー廣、リードコンサルタント竹内です。

今回は、IT審議や振り返りを徹底する組織文化と、この取り組みの背景にあるテクノロジー企画グループの活動や思いについて、2人に話を訊いてみました。

より成果高いプロジェクトを推進するために、知見の蓄積と共有を徹底

――まずは、現在行われている審議会や報告会の種類と、それぞれの役割から教えてください。

廣:テクノロジー本部では、「IT審議会」と「投資効果報告会」、「プロジェクト振り返り報告会」の3つを行っています。

まずはIT投資をするにあたり、投資の是非を問うために、プロジェクトの体制や期間、ソリューション、予算などをプロジェクトの入り口の段階で審議する。これが「IT審議会」です。

このIT審議会で承認を得られたプロジェクトが進んでいく訳ですが、その投資によってどれだけの効果が生み出せたのかを追うことは、ITに限った話ではなく経営上必要ですよね。そこで、リリース1ヶ月後と半年後のタイミングで「投資効果報告会」として結果を上席に報告する場を設け、事業に対する貢献度を尺度に評価を行っています。

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BITA統括部 テクノロジー企画部 ゼネラルマネジャー 廣 泰介

これら2つは、経営陣を含む「IT委員会」という組織に対してPMが報告を行う形をとっていて、会社の規定として定められている、必須の取り組みです。

これとは別に、「やったことをきちんと振り返らなければ、次には進めない」という考えのもと行われているのが「プロジェクト振り返り報告会」です。ここでは事業に対しての貢献度ではなく、プロジェクトマネジメントの観点での振り返りを行っています。得た知見を次に活かして組織力を高めることが目的で、プロジェクトメンバーが各々振り返りをします。

 

――会社の稟議としての位置付けのものと、ITやテクノロジーのレベルを高めるためのものとがるのですね。後者のプロジェクト振り返り報告会については、プロジェクトメンバー内で完結するのでしょうか。

廣:BITA統括部内の会議体で、プロジェクトメンバー以外も含みます。PMがプロジェクトの総括やうまくいかなかったことの内容、今後失敗しないための改善策を報告し、それが適切かなどを議論します。

 

――このような審議会や報告会の仕組みが生まれた背景をお聞かせください。

廣:まず旧インテリジェンスの時からIT委員会は存在していて、「300万円を超えるIT投資をする際は、事業のラインの決裁とは別でIT投資決裁を行う」というルールになっていました。これがIT審議会の源泉です。

竹内:プロジェクトの振り返りについても、IT審議会と同じくインテリジェンスの時代から、BITA統括で運営されていたものです。

 

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BITA統括部 テクノロジー企画部 リードコンサルタント 竹内 啓明

当時のCIOがPDCAを非常に重視する人で、「プロジェクト遂行の結果、次に活かせる知見が生まれたのであれば、全体に共有しよう」という考えを持っていました。またITマネジメントの観点からも、知見を蓄積して次のプロジェクトに活かすことが、欠かせません。この2つの背景から生まれた取り組みだと認識しています。

 

――審議会では、テクノロジー企画グループはどのような役割を担っているのでしょうか。

竹内:私たちテクノロジー企画グループは、IT委員会の事務局として活動しています。

附議するにあたって、PMには事務局に対して必要な手続きを踏んで申請をしてもらっています。この手続きを受け、事前に出席する委員の予定を踏まえて開催日を調整したり、資料の事前共有を行ったり、また会議当日のファシリテーションや議事録を作成するなど、会議体の運営全般を担当しています。

 

――運営の課題や、工夫があれば教えてください。

廣:工夫しているのは、附議される案件のコントロールです。現状附議される案件の98%はBITA統括の案件になっているのですが、これは意図した結果なんです。

デジタルテクノロジー統括部やサービス開発部はあくまでスピードやアジリティが重視される組織だと思うので、審議体を挟まないのが適切だと判断して「検証や研究は審議の対象外」と明文化しました。また内製で開発する場合の人件費や、先行投資についても、審議の対象外にしています。

IT委員会で審議の対象外としたものは、各統括で管理したり、事業のラインで適切な承認をとってもらったり、また投資額の大きなものは経営会議で審議したりすることで、アカウンタビリティを担保していこう、という考え方ですね。

もちろん「IT委員会とはこういうもの」とホールディングスで定められた定義もありますが、形式に囚われて全てを審議にかけることで、部署や事業の役割や意義を見失ってしまっては本末転倒ですから。あくまで審議は手段であって、目的にならないように、私たちIT委員会で審議すべきものを定義してコントロールしています。

 

――全てを一元化して同じルールでやるのではなく、それぞれの部署に合った形で審議の有無を選り分けることで、本末転倒にならずに回すことができているのですね。 

竹内:出席者のリソースを割いて行うものなので、時間的な制約も当然ありますからね。条件を満たすものは書面で審議ができるようにルールを定めることや、委員全員の合議でなくても前進できるように制度を改善するなど、今後も工夫が必要になると思います。

 

審議や振り返りは、プロジェクトの成功に不可欠な当たり前の取り組み

――審議や報告会などの取り組みによる、効果を実感る場面はありますか?

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廣:審議体をやり続けて効果を実感する、という点ではまだ途上ですが、BITA統括の中では「振り返りを行うまでがプロジェクトだ」という認識は当たり前のものとして浸透しているなと感じます。現在は、こちらからアプローチをしなくても、プロジェクトごとに報告をあげてもらえている状態です。

 

――振り返りまでをプロジェクトの一環として徹底することが「文化」になっているのですね。大きな組織において、仕組みを文化として根付かせるのは難しいことだと思いますが、今こうして浸透してきているのには、どのような背景があるのでしょうか。

廣:ホールディングス管轄のIT委員会だった当初は、先ほどもお話した通り「投資額が300万円を超えるものは審議しなければいけない」というルールでした。ですが、これだと下限金額が比較的小さいため、附議する数もとても多くなってしまっていて。そこで、ホールディングスによるITのアセスメントを受け、求められるIT組織レベルを満たすことで、審議にかけるべき投資金額の下限を引き上げてもらった、ということが過去にあったんです。

審議や振り返りを徹底し、きちんとIT組織レベルを向上させていくことで、事業の推進にとってベターな状況を自分たちで作る、ということに取り組んできた経緯があるからこそ、組織として意識が高い部分はあるのかなと思います。

 

――過去の苦労やその改善のための取り組みが今の土壌になっている、ということなんですね。竹内さんは、現場に近い立場から、文化の浸透の背景をどのように見ていますか? 

竹内:私はもともと事業BITA(※)にいて、今の事務局の立場ではなく附議する側の立場で仕事をしていました。だからこそわかるのは、「プロジェクトをうまく回して事業に貢献するためには、まずは事前審議で問われるようなことを、あらかじめ考え抜いておく必要がある」ということ。そこが考えられていなければ、審議でも承認は得られないですし、たとえ切り抜けたとしても当然プロジェクトは上手く進まないのだと思います。

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(※)事業BITAとは…人材紹介事業や転職メディア事業を支えるIT戦略・企画開発部門(PSD部やメディアBITA部など)の総称を指す社内用語。

 

また、そこでしっかり考え抜いていても、プロジェクトは生き物ですから、上手くいかないこともあります。もし失敗したなら、起きたことを学びにして同じ轍を踏まないこと。もちろん、うまくいったのならそれを共有し次に活かすこと。そのために、定量 / 定性の両面で振り返り、次に活かせるものを見つけていく必要がありますよね。 

このように、プロジェクトを成功させたいと思ったら、一連の取り組みの中で求められる対応を、自分の中で整理しておくことが不可欠です。だからこそ、今この審議と振り返りが活動の一部になり、当たり前のこととして根付いているのかなと思っています。

 

 

「ルールの解釈」×「現場理解」により自分たちに合う仕組みを再構築していく

――取り組みや文化について知ることができたので、ここからはテクノロジー企画グループのことをうかがっていきたいと思います。まずはグループの役割から教えてください。 

廣:非ITの領域での仕組みづくりが主な役割で、テクノロジー本部の組織運営全般を、組織開発グループと連携しながら担っています。

私たちが扱う領域は、「ガバナンス」と「ITマネジメント」の二軸です。

ガバナンスは、IT委員会をはじめとした会議体の運営や、投資管理、セキュリティ関連など、会社として必ず取り組むべきことにあたります。一方でITマネジメントとは、ITを武器に事業成長を支援し、リードしていくこと。プロジェクトマネジメントやリスクマネジメント、保守(サービスマネジメント)など、極論なくても回ってはいくけれど、取り組むことで組織がより良くなるものです。

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これら2つの観点から、今の会社の事業フェーズに合わせた施策を立案し、運用して現場に浸透させていくことが、私たちが果たすべき役割だと認識しています。

 

――本部横断で仕事を進める中で、意識ていることはありますか? 

廣:ガバナンスやマネジメントは、形式的な「守りの取り組み」というイメージが強いので、現場からすると面倒なものになりがちです。これをただ教科書通りに推し進めることは誰でもできますが、組織の特性を捉えて一部を省略するべきと判断したり、自分たちに合うやり方に変えたりと、やりようはあります。そこで価値発揮することが、私たちの仕事だと考えています。

竹内:ただルールを守るのではなくて、ルールをしっかりと解釈した上で、現場にとってやりやすいルールを新しく作っていけたらいいですよね。

廣:そうですね。先ほど、ITアセスメントによって審議条件を緩和してもらった話をしましたが、やるべきことをきちんとやって、その先で自由にやらせてもらえる環境をいかに作れるか、がポイントになるかなと思います。

 

――仕組みやルールを組織に適合させていくには、統一してやるべきところと、上手く変化させるところの判断が必要ですよね。そこはどのように判断ているのでしょうか。

竹内:私自身はまだ修行中、なところもありますが……「ルールはルールです」という考えでは絶対に上手くいかないので、逆にどのようなルールであれば、守り側・攻め側、両者の解釈としてOKなのかを考える必要があります。現場のことをしっかり理解して、多面性をもつ。平たく言うと、いろいろな帽子をかぶり変えて現場の人たちと対話をしながら、着地点を探っていきたいと思っています。

 

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そのためにも、現場理解が大切なのは大前提ですから、業務以外でも積極的に現場に足を運んで、コミュニケーションをとったり、また判断の拠り所になる知識のインプットや、アウトプットを叩いてもらうことを繰り返したりと、より良い判断のために経験を積んでいきたいですね。

 

――これからも、現場の声も聞きながら仕組みづくりとその浸透のための活動が続いていくと思います。最後に、お2人それぞれの展望をお聞かせください。 

竹内:個人としては、ITに関わる現場のみなさんが熱中できる環境をつくれるよう、さらに成長していきたいと思っています。 

組織としては、13年前に入社した当初は、BITAというと「事業とテクノロジーの間に立って取り持つ人」というイメージが強かったように思いますが、今はもうその役割は脱し、私たちが事業をしっかりとリードしていくんだ、という意識が培われてきました。それは、この組織の方針をみんなが前向きに捉え、理解して行動してきたからだと思っています。

多岐にわたる業務を担当し、いろいろなところに顔を出してコミュニケーションを取りながら進めるこの仕事は大変でもありますが、みんながそれを前向きに捉えられるような組織運営をしていきたいですし、さらに組織を進化させてその価値をテクノロジー本部内に還元していきたいな、と思います。

 

廣:竹内さんがもともと事業BITAとして現場での仕事を経験していることが、今とても大きな意味を持っています。ただ「ルールを決めたので守ってください」と一方通行にならずに浸透させていくためにも、そのルールで現場は回っていくのか、を汲み取ることができる竹内さんの存在は重要で、今後もより重要になっていくはず。期待しています。

 

――竹内さんのリードによって、グループ内に現場視点が広がり、より良い仕組みづくりが実現できると素敵ですね。それでは最後に廣さんからもお願いします。 

廣:この半年くらいで、グループがとても良くなってきていると思っています。しかしさらに上を目指せば、テクノロジー本部内の仕組みづくりという観点でやるべきことは、とてもたくさんあります。デジタルテクノロジー統括部、エンジニアリング統括部、インフラ基盤統括部、など、それぞれの困りごとを解決できるような、手続きの巻き取りや仕組みづくりが、これからも必要になるはずです。

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地盤はだいぶできてきているので、体制を強化しながら、一つひとつの課題に向き合っていけたらと思います。

――ありがとうございました! 

(取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈) 

 

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廣 泰介 Taisuke Hiro

BITA統括部 テクノロジー企画部 ゼネラルマネジャー

2006年にパーソルキャリア(旧:インテリジェンス)に新卒入社。キャリアアドバイザー、営業企画部門を経て、2012年よりシステム(BITA)部門へ配属。2015年にマネジャー着任。2020年より現任。

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竹内 啓明  Hiroaki Takeuchi

BITA統括部 テクノロジー企画部 テクノロジー企画グループ リードコンサルタント

2008年よりパートナー社員としてパーソルキャリア(旧:インテリジェンス)の事業BITAの業務にかかわる。2012年に中途入社し、同事業BITAの業務に従事、2019年に現部門へ異動。

※2021年5月現在の情報です。

 

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