テクノロジーで「“はたらく”を自分のものにする」——ミッション・ドリブンなエンジニアリングで社会を変える

柘植悠太

2019年10月、パーソルキャリアは、より多くの働く人に寄り添ったサービスを提供していくため『人々に「はたらく」を自分のものにする力を』というミッションを新しく掲げました。

そのミッションのもと、私たちは従来の転職サービスはもちろんのこと、今までにはない新しい価値を提供する新規サービス開発を進めています。そのために「サービス企画開発本部」と「テクノロジー本部」も新設しました。

ミッション実現のため、私たちはなぜ新規サービスを開発するのか、また、エンジニア部門の強化を通して目指しているものはなにか。今回はサービス企画開発本部とテクノロジー本部の責任者を務める、柘植悠太に話を聞きました。

  

多くの人が「はたらく」ことに詳しくなる時代の、私たちの役割

——労働人口の減少や、売り手市場への移行など……今の労働市場の変化を、柘植さんはどのように見ていますか?

今は、個人の働き方がとにかく多様化していますよね。これまでの日本企業は「終身雇用」や「年功序列」など、日本独特の制度によって組織を維持させてきました。でもテクノロジー化やグローバル化など変化の波が押し寄せた結果、これまでの制度を継続しながら、組織を成長させるのが難しい状況になっています。なので、終身雇用を廃止するなどして、成果主義を取り入れるようになった企業もあるんですよ。

——仕事に対する従来の日本人的な価値観が、少しずつ薄れていっているんですね。

そう。現代の働く人は、「新卒で入社して、定年退職まで勤め上げる」という世界ではなく、自分らしい働き方を選択できる時代にいるんです。

柘植悠太

それに加えて、働き方の選択肢も広がってきていますね。世の中に転職情報があふれ、今や働く人自身にも転職のノウハウが蓄積されるようになってきて、その結果、働く人は「世界中に存在する企業」を視野に入れて、今後のキャリア形成を考えるようになる……。これはつまり、好きな場所で、好きな人たちと、好きなことに挑戦できる可能性が高くなっているということだし、今後の労働市場は人の動きがより流動的になっていくと思ってます。

——そうなると、人々がより場所や会社に縛られずに、それぞれのスタイルで働くことになりますね。人材サービス企業にはどういったことが求められるようになると思いますか?

たくさんあると思いますけど、ひとつは、採用活動でより高いレベルのサービスを提供することですね。今や当たり前になっている「数多くの非公開求人を所有していること」や「面接日程の調整を代行すること」だけではなく、働き方に詳しくなっている人々の期待値を超えるサービスを提供しなければならないんです。

——転職希望者が個人でできることが増えた分、スペシャリストとしての役割が求められるようになるんですね。

そうですね。また、従業員管理に役立つHR techの開発もそのひとつです。かつて、終身雇用が前提だった頃の従業員管理ツールは、従業員の「キャリアパス設計」や「評価」が主な目的でした。でもこれからの従業員管理は個々の「スキル」を把握することが目的になるでしょう。例えば、企業が何かしらの課題に直面したとき、それを解決できる人を社内外で探すとします。そのときに社員のスキルを管理できていれば、必要な人をアサインしやすくなりますよね。

それ以外にも、社員の「モチベーション」や「エンゲージメント」を把握するような機能も必要になります。企業にとっての理想は従業員が前向きに、生産性の高い状態で働き続けることです。そのためには、立場が異なる人たちそれぞれのコンディションや状況を把握しなければいけない。今までとは目的が違う上に、そこまでカバーできる従業員管理ツールが求められるようになるんです。

 

日常から転職まで、多彩なサービスで働く「人」を支える

——そんな市場の変化の中で、パーソルキャリアは今後、どのようなことを目指していくのでしょうか? 

2019年10月、私たちは「はたらいて、笑おう。」というビジョンに加え、「人々に“はたらく”を自分のものにする力を」という新しいミッションを掲げました。働く人たちが自分たちの可能性や機会を知り、その中から選択し、行動することの支援を通じて、「はたらく」人生のオーナーシップあふれる社会を実現することが目的です。そのためにパーソルキャリアでは、テクノロジーを活用した取り組みを推進しています。

例えば、そのひとつとして「必要な情報を適切に受け取ること」を目的としたテクノロジーによる情報の取捨選別を行っています。例えば、転職希望者にベストな仕事を紹介するため、キャリアアドバイザーは毎日、かなりの数の求人情報に目を通しています。しかし、私たちが法人企業からお預かりする求人は非常に多くて、1日に数百件にもなるんですよ。キャリアアドバイザーがそのすべてに目を通し、内容を完璧に把握するというのはどうしても難しい。

でも、「情報を把握し整理する」という部分にテクノロジーを活用することで、キャリアアドバイザーはテクノロジーが選別したものの中から必要な情報を精査して、ひとつひとつの求人情報の内容をより深く理解することができる。その結果「転職希望者の気持ちに寄り添い、サポートやアドバイスをする」「転職希望者をより理解して、人柄にあった求人情報を紹介する」といった仕事に注力できるようになりますよね。便利な技術を導入しても、最後に決断するのは人です。人が関わることで価値を発揮できる部分により集中できる状況をつくるために、テクノロジー活用は有効なんです。

柘植悠太

——なるほど。先ほどの話にあったミッション実現のためのテクノロジー活用も、その一例なのですね。

そうですね。今後は転職が当たり前になるかもしれませんが、今の日本ではまだまだ転職は非日常で、職場を変える機会は多くても数年に一度。つまり、「人々に“はたらく”を自分のものにする力を」というパーソルキャリアのミッション実現のためには、転職の機会だけではなく、それ以外の場面でも「はたらく」を支援しなければ意味がない。あらゆる世代の人が成長を実感できるような「日常に近いサービス」を持たないと、ミッションやビジョンを達成できないのです。

——「日常に近いサービス」とはどのようなサービスのことでしょう?

日々の仕事の中で、「自分が変わった感覚」や「成長した実感」を形にできるようなサービスのことですね。「はたらく」中で自分の変化を実感できるのはどういうときだろう……と想像してみると、「ここ一番の頑張り時で踏ん張る」とか「本を読んで勉強する」とか、「定時で帰宅できるようになって、残業が減った」みたいな瞬間が思い浮かびませんか?

そういった、「当たり前すぎてふだん意識しないこと」をサービスに落とし込んで、働く人の将来への不安が少しでもクリアになったらいいと思っています。そうすれば、より主体的に働き、新たな自分を発見し、次の挑戦に踏み出す決心ができるかもしれない。そういったサービス開発を行なうため、「サービス企画開発本部」を新設しました。

 

内製開発の強化、見えてきた課題

——新しい組織でのサービス開発は、どのように取り組んでいるのでしょうか?

これまで、私たちは社内で開発の一部を行ってきましたが、システム開発の多くは外部パートナーに依頼してきました。でも、すぐに立ち上げたい新規サービスでは、仕様検討からプロジェクト立ち上げ、開発、フィードバック反映といった一連のサイクルをスピーディーかつ的確に行なうことができません。

新規サービスの開発に取り組むのであれば、私たちの事業内容を理解して、ユーザー側とエンジニアリング側が分け隔てなく意思疎通をすることが必要不可欠なんですよ。そこで内製開発の強化を決断しました。

——ユーザーの要望をすぐに形にするためには、社内にエンジニアリング機能を持ったほうが良い、ということですね。 

そうなんです。現在は、「大企業内の小さな組織で新規サービスを立ち上げられる」ことや、「企画側にも影響を与えられる」ことに魅力を感じた優秀なエンジニアたちが集まりつつあり、内製開発が進んでいます。顧客のカウンセリングをより精度高く行うためのAIスピーカーによる音声データ活用プロジェクトなど、大規模な開発も行えるようになりました。

——内製開発をスタートさせてみて、自社の強みと弱み、それぞれについてどのように感じますか?

強みは、スタートアップやベンチャー企業にはない豊富なリソースだと思います。開発コストを十分にかけられたり、ブランド力を活かせたりするのは、大手企業ならではのアドバンテージですよね。グループ企業が複数社あるので、あらゆる種類のビジネスリソースを保有していることも強みのひとつだし、さまざまなキャリアを持つエンジニアを採用したことで、多岐にわたる業界の知見が集まっているのも嬉しいですね。

柘植悠太

一方で、これまでは外部パートナーに開発を依頼していたこともあって、「内製開発のノウハウを十分に持っていない」という弱みもわかってきました。また、セキュリティ体制などの判断基準がすべて既存事業のルールに則っていて、立ち上げるサービスにマッチしないこともあるんです。例えば、個人情報を扱わない新規事業なのに、個人情報を厳重に管理する転職支援サービスの基準を反映させても適合しません。そのような部分は、今、制度を整えている最中です。

 

テクノロジーの力でミッション実現を目指す

——2019年10月に新設した「テクノロジー本部」について教えてください。

テクノロジー本部は、これまで社内で散り散りになっていたエンジニア部門を集約した組織で、パーソルキャリアのミッション実現のため、テクノロジーを最大限活用するために新設されました。もともと私たちは、テクノロジーをフル活用してビジネスを行うことが得意ではなかったし、世の中からもそのように見られていたと思います。そこで改めてテクノロジーの重要性に注目し、このような体制をとることにしたのです。

——ミッション達成のためには、より一層のテクノロジーの活用が不可欠と判断されたんですね。

はい。そして、これまでのある種バラバラな社内体制では限界があり、人数やスキルだけではなく、より多くの人たちのアイディアや協力が必要なので、エンジニア採用をもう一段階、強化したいんです。この『techtekt(テックテクト)』も私たちの取り組みをより知ってもらうために、人事と協同で立ち上げました。……と強調するように、人事から言われてるんです(笑)。

柘植悠太

そのため、開発したサービスについての情報は積極的に発信していきますし、私たちのビジョンやミッションに共感してくれる人や技術力のあるベンチャー企業とは、どんどんパートナーシップを組んでいきたい。それぞれが力を発揮し、ミッション実現により近づけるような、難しいプロジェクトに挑戦できる状態が理想です。

——ミッション実現に向けて、新しい仲間となるエンジニアを募集しているんですね。パーソルキャリアで活躍できるのは、どのようなエンジニアだと思いますか? 

パーソルキャリアのビジョンやミッションに共感し、その実現のために貢献したいと思ってくれる人です。パーソルキャリアには、ミッションの実現に向かって真っすぐに働く、「ミッションドリブン」なエンジニアたちが集まっています。彼らはHR業界が抱える課題を解決するために良いサービスをつくろうと頑張っています。ビジョンに共感してくれる人にとって、彼らと切磋琢磨し合いながら働ける環境はとても魅力だと思います。 

また、エンジニアリングをベースにしながら、ほかの領域にも対応するスタンスの人が活躍していますね。例えば、フロントエンジニアとして入社したのに、いつの間にかデザインやマーケティングにも関わっている……といったように、専門外の領域にも興味を持てる人が多いです。

——なるほど。最後に、パーソルキャリアでエンジニアとして働く楽しさはどのようなところにあるのでしょう?

時代の変化が大きい中で行なう新規開発は、ユーザーにヒットするサービスを模索し続けなければいけません。仕様書どおりに開発して納品するのではなく、あらゆる立場に立って「何のためにサービスを開発するのか?」「ユーザーに届いたときにどうなるのか?」とユーザー視点で考えることを求められます。

テクノロジー本部は、まだ走り出したばかりの状態で、サービスだけでなく社内体制に至るまで、さまざまなものをゼロベースで作っています。でも、あらゆる場所にいた人たちがひとつの組織に集まり、大きなパワーが生まれる予感もしています。今のエンジニアリング部隊には、何もないところから自分たちの手ですべて作っていける楽しさと、多くのチャンスがあります。そこにジョインしたエンジニアも、彼らと一緒に自分自身の可能性を広げられるでしょう。

今、私たちが掲げている大きなビジョンの達成は、道半ばです。今後も新サービスを生み出したり、テクノロジー開発を進めたりしながら、「はたらいて、笑おう。」を実現させる方法を共に模索していきたいです。

(文=流石香織/編集=ノオト/撮影=栃久保誠)

柘植悠太

柘植悠太

柘植悠太 Yuta Tsuge

パーソルキャリア株式会社 執行役員

同志社大学工学部を卒業後、2006年に新卒入社。人材紹介事業の法人営業を経験後、全社の企画部門にて事業戦略立案・運用を推進。法人/個人のデータ資産経営を推進する部署の立ち上げ、転職後の個人サポートを強化する「dodaキャリアライフサポート」など複数の新規サービスの立ち上げを担う。現在、2019年4月に新設された「サービス企画開発本部」と同年10月に新設された「テクノロジー本部」の責任者を兼務している。

※2019年10月現在の情報です。

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